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事実と妄想を区別する

掲げている理念や目標って、裏を返せば今できていないこと、気を抜くとできなくなってしまうことだと思う。

「毎日1時間勉強する」「日々の生活に幸せを見つける」は、意識しないと出来なくなってしまうから、言葉にして自分を戒める。そんな風に、何年か前から心がけていることがある。それは「事実と妄想を区別すること」だ。

最近あの人が目を合わせてくれない。私が発言するとリプライが終わる。いつも私を経由していた仕事の依頼が、知らないうちにあの子に移っていた。あれ、と思う数々の事実から、よく私はその先を妄想してしまう癖がある。

多分、あの子に私は嫌われている気がする。実はみんな、私には全然無関心なんじゃないか。もしかしたら、私の仕事は全然つかえないレベルなのでは……。思えば全部、事実から派生した「仮説」にすぎないのに、なぜだかそれを「事実」と誤認してしまい、勝手に悩みの渦のなかへ落ちていってしまうのだ。

「もう嫌だ」と何度も友達に弱音を吐いては、「実際どうかはわからないでしょ?考えてもわからないことは考えなくていいんだよ」と繰り返し言われ、それでもその言葉が理解できずに、いくつか本を読んでやっとわかるようになってきた。考えてもわからないことを考えたところで、何の解決策も出てこないのだ。

例えば「最近あの人が目をあわせてくれない。もしかしたら嫌われているのかも…」と思ったとする。目を合わせてくれないのは事実。けれど「もしかしたら」は事実から自分が妄想しているだけで、嫌われているのかどうかは当人に聞いてみないとわからない。悩むなら本人に聞く。でも聞いたところで解決できないのであれば、「この人は私と目を合わせない人間だ」という事実だけでもう十分なのだろう。

「相手の気持ちがわからない」と、もんもんと考えてしまうことはよくある。でも、相手に聞かないことには気持ちなんてずっとわからないし、悩んでいても特に解が出ないのであれば、事実だけを受け止めて、潔く妄想をやめてしまったほうが変なエネルギーを使わなくてすむ。


事実をそのまま受け止めること。単純なようで、意識して取り組まないと難しい問題です。

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テーマ#言葉

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