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ツインのベッドの中。昼寝する夢をみて

寝る前にやりたいことがある。温かい陽の光をたっぷり吸収した敷布団の上に座って、ラベンダーのほのかな香りがするボディクリームを丹念に塗る。右腕、左腕、右足、左足……。乾燥して痒くなった肌がしっとりと落ち着いてくる。

電気はもう消してしまった方がいい。無印良品で買ったアロマディフューザーの明かりだけをつけて、BGMにハンバート・ハンバートを流して、ちょっとストレッチなんかして。

お気に入りの毛布にくるまったら、自然と目が閉じてしまえばいい。日中の太陽と、身体に塗ったボディクリームの香りが混ざって、心がとろんと溶けていく。意識が薄くなっていく。よしよし、今日も1日おつかれさま。

そんな眠り方を、毎日できたらいいのにな、と思う。

疲れていると私はよく、金縛りにあう。「来る」と思う日はなんとなくわかって、横になると重力で地面に引っ張られるような感覚になる。ザワザワした音が耳元で聞こえ始め、首からつま先にかけて一瞬で動かなくなるのだ。

特に胸が一番苦しい。何かに押さえつけられているような感覚になり、息ができなくなる。一生懸命身体を動かそうとするけれど、多分動いているのは私の夢の中で、夢の中で金縛りにあっている夢を見ることも。そう、まるでインセプション。

ふと、魔法が解けたように体が軽くなると目が覚める。時計を見ると、眠り始めて30分も経っていないことが多い。ただ、ここでこのまま寝たらダメだ。また金縛りにあってしまう。電気をつけて、起きてそうな友達に電話をかけて、夢の中で起こったこと聞いてもらう。もう何回も聞いている友達は「ふうん」とかわり映えのしない反応だ。それでも、この「聞いてもらう」は大事。気持ちがうんと落ち着いて、それから電気を消して、今までみたいに寝始めてももう、金縛りは起こらない。

金縛りに遭っているときの私は、どんな眠り方なのだろうか。誰かと一緒に寝ているときは絶対に起こることがなくて、いつもやつは一人の時に襲ってくる。なんて卑怯なやつだ。

だから私はいつも、だれかと一緒に眠りたいなと思っている。

冒頭の眠り方を、できればツインのベッドで、誰かが隣にいる状態でやりたい。布団は1人1セット。すぐ近くにいなくても、誰かの気配があればいい。もしも金縛りにあっても、ちょっと手を伸ばせば起こせるし、「おやすみ」って言いあったり、「寝るまでしゃべろ」って話しかけたりもできる(相手は迷惑かもしれないけれど)。

そして寝ているときは、ぽかぽかした、真っ青に晴れた空の下でピクニックをしながら、のんびりお昼寝する夢が見たい。これならインセプションでも構わないな。


……なんて想像しながら、今日も変わらずシングルベッドで寝落ちです。ええ、きっと。

テーマ#睡眠

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もりやみほ
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