「もう嫌だ」と思う日も、きっと自分が選んだ世界
「カラーバス効果」なるものに最近は興味がある。カラーバス効果とは、あるモノを意識することで、それに関する情報が自分の手元に入ってくるようになる現象のこと、らしい。
例えば朝家を出るとき、「今日は青色のものを探そう」と思って出ると、普段歩きなれた場所でも青色をした車や建物、インテリアなどがいつもより多く見つかるのだそうだ。
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今日は、ママになった友人たちとランチを食べた。1人は1歳、1人は3歳の娘のママで、ベビーカーと一緒に登場。お店も“ママの聖地”と言われているらしい、新宿のとあるビルを選んで予約してくれた。
今日会った友人は高校からの付き合いだ。授業中に一番後ろの席で、ジャージから私服にこっそり着替えたり、いつも私語がうるさくて、古典の先生に集中攻撃されたりしていた友人が、ママになって子どもたちにご飯をあげている姿を見て、すごく当たり前なんだけれど、あれから何年も経ってるんだなぁということを実感した。
ランチが終わると、3歳の娘が「甘いものたべたい」と言い始めたので、スイーツを食べにお店を移動した。いつもならスマホをいじって歩いている道を、友人のベビーカーを代わりにひいて歩く。手をつないでベビーカーも押して……だと大変そうだったので変わったけれど、人混みの中のベビーカーや、入るスキのないエレベーターがダンジョンの障害物のようで、なかなか前に進めない。
エスカレーターは危ないし、階段は論外だもんなぁ、なんて思うと、子どもと一緒に行きやすい場所って結構限られているのかもなぁということに気づく。最初に電話してくれたお店は未就学児NGだったし、トイレだって、おむつ替えの台があるかどうかを確認してから向かう必要があるのだ。
独身か既婚か、子ども連れかどうか、同い年でも環境が違うと気にするポイント、見える世界って本当に違うんだろうなぁというのをひたすら感じた午後だった。
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私が見ている世界はきっと私にしか見えていなくて、同じ場所で同じ方向を眺めていても、感じ方は少しずつ変わってくるんだろうなぁと思う。「もういやだ」と思う日も、「最高に幸せ」とかみしめる日も、全部自分が選んでいるのかもしれない。今、私は見たいものが見えているか、好きな世界が作れているか、どうなんだろうなぁ。
帰り道は心なしか、子どもを連れたママにたくさん会ったような気がした。