休むことは進むこと
残された原稿をよそにマネキュアを塗った3月31日の夜。パソコン作業の前に塗っておけば、乾く前にあちこち触って台無しにするリスクを避けられる。
乾くのをじっと待っていることがどうしてもできない私は、「爪にふれないように…」なんて言いながら乾く前に色々やり始めて台無しにしてしまう。仕事前にマネキュアを塗れば、爪をどこにもぶつけずに乾かせて、一番効率がいい。
「4月は何をしようかな」と、やりたいことをTODOリストに書き始めたら、なんだか休みが楽しみになってきた。あんなに怖がっていたのがうそのように、4月が来るのが待ち遠しくなっていた。
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毎年3月は余裕がない。年始に意気込み色々手を出しすぎて、「自分のキャパ考えなきゃ…」といったんストップしたくなる季節だ。けれども今年はいつも以上に余裕のない月になってしまったなぁと思う。
年始に心機一転した気持ちがしなかったからなのか。新しいことをやり始めたからなのか。それとも、去年までの生活に疲れが出てきたからなのか。
知り合いの些細な一言で立ち上がれなくなるほど落ち込んだり、無性に不安になって泣き出したり、体調不良が続いたり。その結果、どこに向かって進めばいいのかわからなくなって、ひとまずできる範囲で休むことを選択した。
休んだことをお世話になっている方へ伝えると、「えらい!神!」と全力で褒めてもらえた。いつも周りのことばかり気にしていた私が、自分のために決断したことは、大きな一歩なのだと言う。ふへへ、と自信なさそうに笑ってしまったが、褒められてようやく「これでよかったんだ」と思えた。
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4月1日の朝。すっきりとした青空が広がっていた。テレビのニュースは新元号の話題で持ち切りだ。発表までまだ3時間以上あるのに、みんながそわそわ浮足立っている。
お気に入りの青いワンピースを着てみた。もうすぐ春が来るから、好きな冬服の着納めをしておきたい。今日はマスクを外して、さわやかな香りのアロマを髪に着けて家を出た。夜は久しぶりに映画も見る。
「休むこと」は止まることだと思っていたけれど、休むことで進むこともあるんだろうな。4月は今までとちょっと違った形で、ちゃんと進んでいくような気がする。
去年の毎日note