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出来ることから始める「企画の考え方」

「今、何をしたらいいか」目標に対する具体的な第一歩ががわからない時、出口が見えずに必ず焦ってしまう。今回の焦りテーマは、「企画」です。

毎週なんとなく出た企画がいいとも悪いとも言われずに流れ、その中から独断でピックアップし記事を作っている過程に不安を感じる日々。それを解消するため、ライティングコミュニティ・Sentenceのオフラインイベント「読書会」で、参加した方々へ相談をしてみることに。

しかし結果は、周り人の「企画」に対する悩みフェーズが違いすぎて、「私は何でここで悩んでいるんだ!」と余計焦ってしまうという結果で終わり。

「企画…企画…うぅ…」と五里霧中になっていたら、後日sentenceで紹介のあった本の中で、「あ、ここから考えたら作りやすいかも」と思う企画のヒントを発見しました。すぐに始められそうだったので、メモしておきます。

・「企画とは、新しいアイデアで人を動かし、誰かの課題を解決すること」と定義したいと思います。
・「何だか役に立ちそう」なレベルを超えて、「実際に役に立つ」レベルに達することが企画のキモです。 ――嶋 浩一郎著/『企画力』より

この言葉が出てきた時、ハッと気づかされたことがありました。

読書会でさらに焦ってからは、「もっとみんなが考えつかないような、凝った企画を考えなくちゃ…」と、”カッコイイ企画”を出すことに夢中になって、読者にどうなってほしいかが、いつの間にか抜けていたんじゃないか、と感じたからです。

”いい企画”の定義があいまいだったからこそ、どんなに頭をひねって悩んでも出てこなかったんだなと、反省。

読者の課題を解決する」というキーワードを得た時、過去に執筆した記事を思いだしました。「タトゥーがあっても温泉に入れるかも⁉ タトゥー隠しシールとは?」というタイトルの記事で、英語翻訳後は人気トップ5に入った記事です。

海外の人はファッション感覚でタトゥーを入れるのに対し、タトゥーが入ると「ヤクザ」というイメージの強い日本。銭湯施設ではタトゥーの入った人は断られてしまうところがほとんどです。

しかし近年、インバウンドの需要にともない「タトゥーを隠せば入浴OK」のところも出てきているのだそう。例えば星野リゾートが運営する高級旅館「界」では、タトゥー隠しシールを導入し、シールで隠れる大きさであれば入浴が可能です。

タトゥーを隠せばOKの銭湯施設に入れるよう、タトゥー隠しシールを紹介したのが上の記事でした。日本の温泉銭湯に入ってみたいという訪日客の、タトゥーがあって入れないという課題を解決するための記事だったからこそ、多くの人に読んでもらえたのだろうなと、振り返って思います。


私が日々編集や執筆に携わっている記事は、訪日客に届けるための翻訳記事です。8言語にわたって翻訳される記事を作るため、具体的な誰に向けて記事を作ればいいのか、なかなか見えてこないことが悩みでもあります。

記事作成にあたり、外国籍の編集部に企画案を聞くことも多いです。でも、言われた通り単純に作るだけじゃ編集者として面白くないなと悩むこともしばしば。

そこで今後、悩んだときには「これは訪日客の課題を解決する企画かどうか」に立ち返れば、今までよりもわかりやすく”いい企画なのか”を検討できるかもしれない。

外国籍編集部から聞いた企画案に対して、プラスアルファで課題解決の要素を付け足してみたらどうだろう。記事の価値があがるかもしれないなと、本を読んでひらめいたわけです。

ひとつの指標ができたらあとはやってみる。途中で通行止めになってしまうかもしれないけれど、なんとか道らしきものが見えてきたような気がしました。


企画力をあげたい」と考えても絶対的な答えがなく、私たちはそれぞれ考えつく範囲から、それがあってるのか間違ってるのか、試行錯誤を繰り返しています。

困った時に立ち返る指標、思考プロセスをつけることから第一歩。そして考えるクセが定着したら、今度は新しいステップを見つけて、やってみる。

暗中模索の企画力。まずは「課題を解決する企画なのか」考えてみることから始めることにします。

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