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意見を言わずに整理する、という相談の乗り方
「何かにチャレンジしたいけど、したいものが見つからないんです」と相談している人がいた。傍から聞いてた私は、見つからないくらいならしなくていいんじゃ……と、冷めた態度を取る寸前。しかしそこで、相談の受け手が「そういう人って、なんでも人並み以上に出来る人が多くてね、できるからこ本当に興味をもってハマることが少ないと思うんだ。そういう人は、たとえばこういう考え方があってね……」と回答し始めたのだ。
その答えを聞いて、私は相手を否定するところから入ってしまったと、ちょっと反省した。すぐにその人のポジティブな面が見える、そして具体的な事例があげられるその人をすごく尊敬した。
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最近、桃山商事の「生き抜くための恋愛相談」という本を読んでいる。少し前に「編集者とライターの意外な仕事展」というイベントに参加した時、桃山商事の清田さんのお話を聞いて、すごく興味をもったからだ。学生時代に女友達の恋愛相談を聞いていたら、友達の友達など色々な人が恋愛相談に来るようになって、今では本を出版したり、ラジオにも出てるという。本の中ではすごくあいまいな、誰でも悩んでそうだけど具体的な答えを付けられなさそうな、微妙な質問が並んでいる。清田さんはそれに、論理的に現状を整理して、順序立てて物事を見ていくのだ。「恋愛」というただでさえあいまいで不確かなものにも関わらず、ここまで論理的に気持ちを整理できるものなのか…!と、目から鱗になりながら読み進めている。
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両者はそれぞれ、「こうしたほうがいい」と方向性のアドバイスをしているわけではなく、相談者が自然と「気づける」ようなキッカケを作っているような気がする。「自分の興味あるものを見つけるにはどうしたらいいんだろう」とか、この恋愛、どうしたらいいの?とか、結局本人にしかわからない事なのは承知で、それを見つけるためにあなたはどんな人なのかとか、現状を整理するとこうなっているとか、思考のヒントを渡しているのだろう。
「相談しているときはある程度方向性が決まってて、後押しほしさにやる」なんていうのも聞くことがある。多分まぁそれもあるけれど、相談する時に現状を整理して、さらには受け手にもそれを手伝ってもらって、自分は本当はどうしたいのか、自分の言葉で見つけられるようになるのがいいのだろう。
相談の受け手も、相手は自分の意見を聞きたいのではなく、相談者は気持ちを整理したいのだと考えれば、もうちょっとよい相談相手になれるのかもしれない。
テーマ#相談の受け方
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