最近の記事
一粒の大きな涙
しばらくSNSから遠ざかっていました。 やる気満々で始めたnoteもおざなりに。 実は春になる少し前から 最愛の母の容態が思わしくなく 余命一ヶ月と余りと宣言された通りに 息を引き取りました。 今日はその丁度1時間前から亡くなるまでの不思議な体験を綴りたいと思います。 その時から1時間余り前 私はライン電話で母にピアノを聴かせてあげました。勿論意識は朦朧とし呼吸は浅く頷くのがやっとの状態。 泣きながら私は弾いた。 電話の向こうにいる家族の啜り泣きも聞こえてきた。 そして三曲弾き終わって 少しみんなで会話をしてた。 私はぐちゃぐちゃの顔と叫び声で 『ママ、ピアニストにしてくれてありがとう』と それが私が最後に母にかけた言葉だった。 電話を切った後 私はこのモーツァルトのラクリモーザを 一生懸命練習してました。 翌朝にまた聴かせてあげたくて。 すると兄からメッセージが。 すぐにかけると そっか、、死んだんだ、、 と。 その時兄が 母が息を引き取る瞬間に 大きな涙を一粒流したんだ、あれはなんだったんだよ? と、泣きながら伝えきたのです。 私は あっ!と思った。 母はきっと幽体離脱でもして 私のピアノを聴きに来たのではないかと そう思った瞬間でした。 私にとってこのモーツァルトのレクイエムは とてもとても大切な楽曲で タイトルと認識していたものが 本物のレクイエムになった瞬間でした。 #モーツァルト #レクイエム #ラクリモーザ #涙
- 再生
フルートは素敵な楽器だった。
続投です。 かつてない事で自分でも驚き! 前置きはともかく 実は私、フルートって楽器が苦手だったんです。 中学生の頃吹奏楽部でトランペットを吹いていたのですが、フルートを吹く学生と何故か気が合わない。 なんかどーも、 やかましい 人が多かった気がする。 で、それからも フルートを聞くと 口の横から漏れてくる 空気の音が カスカス〜カスカス〜ぷすー って聞こえるのが どーも許せなくなり 勿論、最高峰の奏者はそんな雑音も 気にならない演奏でうっとりさせてくれるので、 ありがたいのですが、 それでも青春期に芽生えてしまった トラウマから抜け出せない。 決してフルート奏者を毛嫌いしていたのではなく 楽器の性能そのものが 苦手だったよう。 世の中のフルーティストの方ごめんなさい。 でも一転して美しい楽器だと 思へるようになったのは この未完成交響曲と呼ばれるシューベルトの作品と出会ってから。 こんなにも美しく調和する楽器だったのね。 と、惚れ惚れ。 やはりここでも思うのです。 クラシックの聴き方は千差万別。 どこに惹かれるかは分からない。 必ずしもメロディーが良いと感じるのでもなく、 壮大さやイマジネーションを巡らせだけでもなく、純粋に楽器の美しさを知る と、いうのも、 聴き方の一つだなぁと思います。 本日の一曲は 未だに憶測を読んでいる名作 シューベルトの未完成交響曲。 #フルート #クラシック #交響曲 #音楽の聴き方
- 再生
クラシックは難しい?
私の活動の一つとして 一般的にクラシック音楽を聴くに至らない方々のために少しでも紹介していこう! と心がけている。 よく言われる クラシックは難しいし 何を聞いていいかわからない。 寧ろ、聞きたいとも当然思わない🤣 まぁ仕方ないのよね。 音楽を勉強している我ら音楽家でも やはり簡単ではない事項なので。 でも。 だからと言って 食べず嫌いは勿体無いと思ってしまう。 じゃあ知識が無ければ 良し悪しさえわからない? そんなことはない。 素晴らしい演奏は誰が聞いたって わかるはず。けれども それがどれほどかと聞かれれば少しは楽器に対する知識や聴くための経験は必要なのかもしれない。 だけれども、 悲観する必要は全くなく 手始めにオムニバス系の音源など 流してみるのも良い。 全ての音楽が万人受けするなんて それこそ無いに等しいと思う。 けれども、 聴いたこともないのに、 クラシックって難しいとか 好きじゃ無いとかって言葉を耳にするのは とても悲しい。 作曲家だって人間だもん。 我らと同じように 食べて寝て恋をして お金を稼いで。 同じことをしているのよね。 玄人さんたちは 蘊蓄好きだから このオケはどーのとか この指揮者はどーのとか この演奏家はどーのか どこかでクリティカルに発言するから 興味のない方々からすると そんなふうにならなきゃクラシック音楽を 聴いてはいけないのかも?と思ってしまっている気がする。 勿論、コンサートホールってなんか 行きにくいよね。分かる。 緊張するし、格式が高い気がする。 でも、 演奏する人も 楽曲を書いた人も人間 緊張する必要なんて 全くないんだよね。 後は好みがどーであるかってことだけ。 毛嫌いせずに クラシック音楽も生活の一部に取り入れもらえたら 私はとても嬉しい! 今日は ベートーベンの歓びの歌に続く交響曲と呼ばれている ブラームスの交響曲1番から。 どこに感動ポイントがあるかは人それぞれ。 どの部分にチャンネルが合うのかも 人それぞれ。 それでいいじゃない? #ブラームス #交響曲 #クラシック
- 再生
スペイン語の習得が早かった訳
私がスペインに渡った時 はい、も いいえ、も わからなかった。 勿論、少しの勉強はしたけれど、 実用的に使うにはほぼゼロベースくらい なにもわからなかった。 そして必死に勉強した。 語学学校でみっちり。 兎に角、スペイン語漬けの毎日。 困った時は少しの英語。 でも、スペイン語をスペイン語で勉強せざるを得ない環境にいたせいも手伝って 上達が早かった。 シエスタと言われる昼時間も 辞書と参考書を片手に 寝る前は必ず辞書と一緒に寝てた。 それもこれも マエストロのレッスンに必要だったから。 早く習得する必要があった。 だって レッスンは勿論スペイン語で、 いいことも言ってるはずだし 大事なことを逃さないようにする為には やはり話せなきゃいけない。 そして、私たちには共通の『音楽』という ツールを通じて難しいこともさほど困ることなくやっていけたのだと思う。 音楽という共通言語があってこそ 私のスペイン語は急激に伸びた。 外国語を学ぶのはとても大変だし長い道のりなのだけれども、言語間に共通ツールがあると もしかしたら習得は早いのかもしれないと 気づいた。 今日の一曲はそんなマエストロにレッスンしてもらい 試験にも使ったブラームスのオリジナルテーマのバリエーション。あまり演奏されることの多くないレパートリーだが、ブラームス節がたっぷり含まれる美しい曲だと私は思う。 #クラシック #スペイン語 #ピアノ #共通言語
- 再生
アリシア・デ・ラローチャ
このNOTEの私のテーマ 何故挫折しながらも ブランクありながらも ピアノを続けていけたのか。 子供の頃習っていたピアニストは ラローチャの弟子でもあった かつては優秀な部類に属するピアニストだった。 勿論有名ではないけれどね。 彼は学生時代にスペインに留学してたんだけど。 それでなのか 彼は生徒たちにも不思議なラテン系の曲を弾かせていた。ブラジル作曲家ヴィラ=ロボスなんて今でこそ 珍しくないけれど私が子供の頃はまだそこまで知名度はなかったし、、他のピアノを習っている子どもが弾く様な楽曲はほとんど皆無🤣 そんな流れからか どうしても留学してみたかった私は 大学の時に、他の人が行かないようなスペインを選んだのは不思議でもなんでもないわけで。 それもこれも私の先生が ラローチャの弟子だったからこそ! それから初めて真剣にピアノに向かい始めて 音楽とは?ピアノとは?を勉強し始めたのです。 既にその頃私は23歳。 彼女の存在に感謝するしかないわけです。 音楽は人と人を繋げると良く言うけれど こう言うことなのかもしれないと、身をもって感じるのです。 #ピアノ #スペイン留学 #アリシアデラローチャ
- 再生
ト長調って病気治る?
あり得ないよねー🤣 って思いませんか? ここ近年モーツァルトの勉強に勤しんでいるのですが、ある日ネットで調べ物をしていると見つけたんですよ。 1800年代には何故か 風邪をひいたら ト長調 具合が悪くなったら ト長調 の、音楽を演奏したり聴いてたりして 病気を治そうとしていた方々のエピソードを。 そして、私は友人のお医者さんに尋ねてみました。 そんなことある?って。すると 音楽の素養があるその女医さんは 手術中にそういった音楽を聴いてた。と まじ? あるんだ。 嘘っぽいけど、、、 ねっ!中々信ぴょう性のある言葉に救われた瞬間でした笑笑 ということで今日はモーツァルト のピアノソナタ唯一のト長調♪ 演奏はこの方がいたから私がスペインに行くきっかけになったと言っても過言ではない アリシア デ ラローチャ 彼女のエピソードは他にもあるのでそれは また後日お楽しみ。 p.s. 元気になれましたか?? #ピアノ #モーツァルト #アリシアデラローチャ #ト長調
- 再生
新年明けましておめでとうございます🎍
12月中に一つでも投稿しようと思っていたのですが 生憎できませんでした。 気を取り直して 新年より再開致しますね。 2023年一曲目は ヴィヴァルディ四季より『冬』 ベターな選曲でしょ? なのに、シチェーションが変わると なんとも不思議な楽曲なんですよね。 テクノ系のDJが使っていたり ムエタイ(タイの伝統格闘)のスタジオで 流れてきた時は驚きましたー‼️ NOTEを綴り始めてスペイン生活を🇪🇸お伝えしようと記憶を辿ることが多くなったのですが スペインでは年越しに魚介をたんまり食し 歌って踊って、何故か赤色を身に纏うという 伝統行事がありました。 何故ゆえに赤🔴? と、思うよねー🤣 いまだに理由は定かではありませんが きっと由来があるはず。気になる方はお調べになってみてくださいね。 本日の演奏は私が選ぶセクシークラシック演奏家のベストランキングにTOP10に入る ダビッド・ガレット やばい!セクシー過ぎるのですよー。是非 彼がパガニーニ演じる映画もあるのでご覧になってくださいね! では、 今年もどうぞ宜しくお願い致します🤲 #クラシック #バイオリン #ヴィヴァルディ #ダヴィッドガレット #冬
- 再生
何故弾けなかったのか。
学生時代にこの曲を初めて聴いた時 いつか弾いてみたいなぁと、憧れた一曲。 勿論勉強し始めて レッスンもしてもらったが 何か腑に落ちない、、、 弾き方が分からないの。 20年以上たって 勉強を、し直してようやく腑に落ちた。 だよね! ショパンはこう書いてたよね?そう弾けって 指示してたんだよね。生徒さんたちに。 私はレッスンの時聞いたんだよ。 ここ、どうやって弾くの?と 教えてもらえなかった。 ショパンはこうやって弾いてたんだよー。こんな時こういうふうに弾くように意識してたんだよーって。 あの時それを、知っていれば 途中で止めることもなく最後までやりきってたはずなんだよね。 まぁ、ともあれ 自分の勉強不足ではあるのだけれど。 だから私は自分の生徒には そういうレッスンをしてあげたいと常に心がけてる。 誰しも文字を書く時癖や個性があるように 作曲家にだって独特の書き方があるんだってね。 勿論時代背景も関係はるのだけれど。 今回アップした動画は 今は亡きルービンシュタインの録音。 何かのインタビューで彼は ショパンはポーランド人にしか理解できないだろうって。 これは勿論彼自身の意見ではあるけれど とても素敵なショパンのノクターンだから 是非聞いてくださいね! #ピアノ #ショパン #ルービンシュタイン
- 再生
不毛にもヴィルトュオーゾを諦めた最高峰のピアニスト
随分空いちゃったな。 久々の投稿はこちらの演奏。 ジョン カルロス マルティンス ブラジル生まれのバッハ弾きと呼ばれた天才ピアニスト。 彼を、題材にした映画が数年前に日本で上映されてて ミニシアターは私の地元になかったので遠くまで足を運んで観に行ったな。 その頃私はブラジル生活からアメリカ生活に移った頃で、まだブラジルが記憶に新しかった頃。 映画を見ながら思い出した! あっ私この人の演奏聞いたことある!って。 そこはサンパウロから高速で1時間弱にある地方都市のショッピングセンター内に設置されている野外ステージ。ものすごい人だかりで オーケストラとピアノの演奏がされていた。 にしても凄い熱狂で、聞いてみた。 あの人誰? すると隣にいた人が とても有名なピアニストだよ。 へー。とても素晴らしいとは言えない演奏なのに 本当に盛り上がり方が尋常じゃないわけ。 そのわけがこの映画を見てわかったの。 このピアニストは 手を怪我してほぼ動かないのよね。それで 第一線から退いたんだけど、 その後医療の技術の進歩によって 不思議なグローブが開発された 再びかれはピアノを弾くことができるようになったんだけど、ちょうどその頃だったのよね。私が見たのは。 ものすごい偶然に感無量。 数は多くないけれども、病気や怪我で ヴィルトュオーゾを諦めてもピアニストとして活躍していける人たちはいる。 ロベルト シューマンもその一人。 彼もヴィルトュオーゾを目指してた。が、腱鞘炎により諦めた。にしても、彼の音楽はとてもユーモアたっぷりでヴィルトュオーゾ的楽曲が多いのはそのせいでもあるんだと思うけれど。 天賦の才能を授かった芸術家達は それでも音楽に身も心も投身してその世界から抜け出すことも、諦めることも出来なかった。 才能とはそういうものだと私は思う。 ここにアップした曲は アルゼンチン作曲家ヒナステラの超難曲とよばれる ピアノコンチェルト。 #ヴィルトュオーゾ #ジョンカルロスマルティンス #ヒナステラ #天才 #ピアノ
- 再生
月の光 by ドビュッシー
フランス物のが苦手というか あまり好んで勉強も聴くこともしなかった私が この曲を選ぶ理由。 当時その頃ブラジルに住んでいた。 あまりの絶望感に毎日が地獄で 時間が過ぎるのをただ待っていた頃 辛かったんだよね。本当に。 ある12月の(南半球は夏の始まり)夏の夜 家を飛び出し道路の真ん中で空を見上げた。 月が見えた。 あー月はいつの時代もどこの国からも同じように 月なんだよなぁ。どれだけの人々がこの月に励まされたんだろう? と、涙が流れた。きっと自分より辛い人は沢山いたはずだ。もう少しだけ生きていてもいいかもしれない。 そして、辿り着いたのが この彼の弾く『月の光』 だから今でも大切に大切にこの曲を弾いている。 時に涙さえ流すこともある。あの辛かった日々を思い出して。 そんな風に一つ一つ私の中での想いが強くなった。 ああ、生きて行こう!ってね。 #ピアノ #ドビュッシー #月の光 #アラウ
- 再生
きらきら星変奏曲
初めてこの曲を弾いたのが9歳くらいの頃。果たしてどのように弾いていたのか全く記憶にないけど、もしその音源が今あったら、 愕然 と、すると思う笑笑 今生徒が練習しているので私も勿論一緒に練習し直す。 ってか 難しいよねー、、、 何が難しいかって、 このアップしたアンドラーシュ・シフさんの演奏を聴いて頂くともしかしたらわかるかもしれない。 なんの不安もなく 何の迷いもなく ある事をあるように尚且つ そこにある音の羅列がまるで自然に流れてくる。 さすがモーツァルト君。 そして、この曲を見返して思うのはたった一つ。 もし私が子供の頃から練習嫌いにならず ひたすら音楽のことを求め続けていたら 果たして今どうなっていたのだろう?と言うこと。 そこには私の生い立ちも関わってくるので その話はまたいづれ。 #モーツァルト #きらきら星変奏曲 #ピアノ #過去
- 再生
貴女はどう思った?
スペインに留学中に衝撃を受けた言葉がいくつかある中で記憶に残っていてるもの。 初めてスペインに行った時、語学学校が、斡旋しているホームステイ先に滞在していたのだが そこのママさん、凄い人ね。 まあその辺の話は長くなるから端折って ある日 ねえ、映画行こう! と誘われて行ってきた。 勿論全部なんか理解できなかった。 当時は吹き替えが殆どのハリウッド映画を 劇場で激安で見てたんだけど。 当時の私のスペイン語力は まだまた全てを理解するには不十分で、 でもニュアンスは掴めるわけね。 でも特別なんてことは無かったと当時は感じたんだけど。 映画が終わってママさんに 『あなたはどう思った?ここは日本じゃないから好きなように感想を言っていいのよ』 と、言われた。 なんと答えたんだっけな?あまり覚えてはいないんだけど、当時はまだ自分の意見を言ってはいけないと思っていたのかもしれないなぁと今振り返ると思う。 語学力が足りないとかそういう事ではなかった。言いたいことは拙いスペイン語で伝えれたし、なんとか思いを伝えれるほどにはなってた。 でもその時なんでドギマギしちゃったんだろう。という記憶だけ残ってる。 #スペイン #意見 #留学 #映画