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気遣いができる男、できない男。

ちょっとした気遣いができる人は、ステキだなぁと日々思う。そして同時に、この気遣いというものは、いったいどこからくるのだろう?と不思議におもしろく思うのだ。

育ちか?経験か?はたまた、意識の問題なのか・・?今こうして改めてぼーっと考えているのは、スタバである。スタバの造りといえば、コンクリートの床に、ステンレスまたは木の椅子。無意識で椅子を引くとなかなかの音が出る(笑)クエーーーっ!みたいな音の時もあれば、フォ〜〜〜っ!とかグガっ!!!みたいな時もある。

しかし中には、全く音を立てずに立ったり座ったりする人もいるもので、仕事の合間にちょっと観察してしまうくらいなのだが、なるほどそうだよね、数ミリでも椅子を持ち上げて椅子を引けば、当然音は出ない。この「椅子上げ数ミリ」の気遣いが、私は結構重要だと思っている。(余計なお世話である)

昔から、ちょっとした気遣いができる男が好きだった。とってつけたような気遣いマンや、すべて先回りしてやってくれちゃうMr.フェミニストよりも、ちょっとヤンチャで気遣いなんてしなさそうに見える「のに」自然と出てしまうちょっとした「品の良さ」みたいな気遣いが大好物なのだ。

居酒屋さんに行ったとき、毎回箸を、箸置きに戻すなぁ。とか、お刺身の醤油を小皿にダバダバ注がず、残さないようにちょっとずつ入れるなぁ。とか、とかく魚の煮付けの食べ終わりに際して、骨が一箇所に集められ、残った煮付けの汁が濁っていない時なんかは、「うん、好き。」と思ってしまうものだ。

これは周りに対する気遣いというよりは、この人はひとりの時でもちゃんとモノや瞬間にリスペクトして丁寧に生きてるんだな、という感じ、その感じが好きだった。

話はスタバの「椅子引き」についてだったが、全然彼氏じゃない人と行ったときなども「グエっ!!」と大きな椅子引き音を立てられた時は、ちょっと残念に思う。それが付き合いたてだったりすると、尚更、密かにドン引きである。その後どんなに甘い言葉を囁かれても、この人とスタバ行ったらあの音出すんだよなぁ、と思うと、脳内は一瞬冷めてしまうほどだ。人って、めんどくさいフェチがあるのと同じように、これはどうしても気になる!という「逆フェチ」みたいなものがあるなぁと自らの恋愛を振り返って、改めて思う。

と思った瞬間、目の前で推定20前後の男子が勉強を終えて立ったところだった。日本人もスタイル良くなったなぁと感じるこの世代特有の、韓流アイドル系の髪型に、大きめ白ティーと細身のパンツのイマドキ君。黒いリュックにMacとノートをしまい、傘を持ち、いざ椅子を引いたら「椅子上げ数ミリ」をバッチリやってのけたのだ。やるじゃん、イマドキ君。君は必ずいい男になるよ。と振り向かれたらドン引きされそうな表情で、スタバの出口に向かう彼に、頷いた。

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