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患者さんと寄り添うために

梅雨のない土地で生まれ育った私にとって
6月は体調不良になる月でもあり、
やはり今年も眩暈症状が出現してしまい
仕事もままならない始末…

しばらくnoteの投稿もできずでした…

見出しの写真は後輩看護師Yさんが作成した
ケーススタディの下書きになります。
私は今回、サポーターとして
彼女のレポート完成までの数ヶ月を
関わっていく役割を担いました。

施設によって教育カリキュラムは異なると
思いますが、当院ではラダーに沿って
1年目は新人教育で、基本的な看護技術から
各領域の看護、接遇などを学び
2年目はナーシングデザインで患者体験を
してレポートを提出し、
3年目はケーススタディで症例を挙げて
看護実践の振り返りのレポートを提出する
という課題があります。

今回,Yさんは排便コントロールに対する
セルフケアで困っておられる患者との
関わりをテーマに挙げ取り組み始めました。

当初Yさんは患者T氏の知識不足や理解不足が
原因でセルフケアができずに何度も
同じ質問や疑問を抱き、病院に電話相談を
してくるのではないかどちらかと言うと
患者側に問題があるのではないか
と考えていました。

私は本当にそうなんだろうか?
何度も同じ問いをしていきました。

排便コントロールに対して毎日ノートをつけ
内服薬の管理も行なっているけれど
知識不足や理解不足なのか…。
本当にT氏だけに問題があるのだろうか…。

T氏の便の性状は病状や治療の副作用
から考えて便秘や下痢に傾きやすく
一般的に正常と言われる
『柔らかめのバナナうんち』に
なるには現実的に難しいと考えられました。

入院中の担当看護師も、治療室でオリエンテーションした看護師も水分摂取の方法や緩下剤の
具体的な内服方法や排便を促すための
生活指導について情報提供しながら
T氏に関わっていました。

これらの背景から考えていくと
T氏の真の困りごとはどこにあったのか?

YさんにT氏とのやりとりの
一言一句を紙に書き出して、

「あなたが感じたことを率直に振り返り
そこから見えてくるものが何か
もう一度見つめてごらん。」
と助言をしてみました。

すると、

「セルフケアができていないわけではなくて
ちゃんとやっているのにうまくいかない辛さや
成功体験を味わえてないところからくる
不安などがあるのかなと思えて来ました。」

とT氏の思いに寄り添うような
発言がみられるようになりました。

自己肯定感と自己効力感のアンバランスが
T氏が繰り返し外来に電話相談してこられる
行動の1つになったのではないかという
ところに行きつきました。

そうしてYさんは再度T氏との関わりを
振り返り看護師としてどのような姿勢で
対応することが辛さや不安を軽減して
いただくことに繋がったのかを
振り返り始めたところです。


今後もT氏の排便コントロールはなかなか
うまくいかないかもしれません。
内服薬の調整や生活の工夫を共に検討しながら
ありのままの自分を受け入れていただき、
次はこうしてみようと前向きになって
いけるような療養支援が大切で

そういう時もあるよね
これから少しずつパターンを
掴んでいけたらいい


とT氏自身が受容できるような療養支援が
大切なんだという学びにつながれば
Yさんは今よりもっと患者さんに寄り添う
看護が提供できるのではないかと
思います。

秋のレポート発表まであと数ヶ月
頑張ってやり遂げて欲しいと願うばかりです。

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