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『さよならのかけら』〜徐々に歪んでいく心〜

 
こんばんは!
今年最後になりました、1曲1時間ナイト!
なんと今回はさよならのかけらです!

もう7回目の参加になりましてだいぶこのラジオが自分の生活の中に定着していることを感慨深く思っています。
どうかこれからもよろしくお願いいたします。

では始まりますのでお楽しみください!

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「好きな人が出来た、お前とはもう会えない」

は?そんな笑えないジョークってある…?

ううん、分かっていた。
元から薄々怪しいとは思っていた。
彼の部屋で見つけた片耳だけのピアス。
私の物じゃなかった。

泣くもんか、怒りすら湧いてくる。
でも大好きという気持ちは変えられなくて。

こんなもの、とピアスをポケットの中で探した。
こういう場面をドラマで見て捨て台詞のひとつでも吐けると思っていたのに、いざ自分がその舞台に立たされると言葉が出ない。

校舎の中庭。
秋の切ない空気の中でただ立ち尽くした。

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雪が降る放課後。

あぁ見かけてしまった。
同じ校舎にいるんだからすれ違うことなんてよくある。

でも今日の彼は少し違った。
鞄につけた、遊園地の可愛いクマ。
私と付き合ってる時はそんなのつける感じじゃなかったのに。
そんなの恥ずかしいから付けないよって言ったのはあなただったよね?

好みも趣味ももう可愛いあの子に変えられてしまったことを見せつけられて下唇を噛む。
私みたいな少し女の子っぽくない女よりあの子みたいな可愛い子の方が良かったんだ。

冷えた頬に涙が頬を伝う。
あぁ、こんなところで泣いてるのなんて見られたくない。
傘を閉じて歩く。
この涙は雪だと、全てを隠して欲しい。

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夕暮れの放課後。
今は冬休み直前のテスト期間。
出し忘れたプリントを提出した帰り、ふと夕日が差し込む窓辺から校門を見下ろす。
帰りを急ぐ人波。楽しそうに一緒に歩くカップルが見える。
自分だけがまるで孤独に包まれたような気持ちになって虚ろな目で眺める。
ここ最近、ご飯も食べる気にならなくて授業だって受ける気にならない。
いつも思うのは彼とあの子のこと。
ぼーーっとすることも増えた。

我に返り、いつまでもこんなとこにいても意味ないや、帰らなきゃと廊下を歩き始める。
彼の教室の前を通った時。

「明日のテストだるいなーー」
「あはは、でも一緒にこうやって勉強できるのも楽しいよ?」

彼とあの子が楽しそうに勉強をしている声が聞こえてくる。

「最悪だ、なんでこんなところに居合わせちゃうんだ…」

本当ならそこにいたのは私のはずなのに。

………………なんで、なんで。
なんでこんなに苦しいんだろう。
冷たい廊下にへたりこんで、どうしようもない感情に心を乱される。
捨てられて、本当なら怒りでいっぱいなのに。
まだこんなに好きなんて。

全て壊されて、おかしくなりそうだ。
なんで、なんで……なんで……

何か私の中で糸が切れる音がした。

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……あはは、そっか、こんなに簡単なことだったんだ……。
あはははは。
あの子と友だちになればいいんだわ。
そうしたらまだあなたのそばにいられるもの。

冷えた床の冷たさで何も感じなくして。
あなたのそばにいられるならこんな痛みなんともないわ。

あなたが、悪いんだから、ね?

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ここまで読んでくださりありがとうございました!!

なんかすごいホラー展開になりました……
段々とおかしくなっていく主人公を描きました…
悲劇のヒロインっぽい描写にしたのでちょっとベタな表現が多いですね笑

舞台は高校です。
主人公と彼は別のクラスですが付き合っていて、でも徐々にあの子に引かれていき、別れを告げられるというところから話が始まります。

「あの子」と「私」は正反対なんです。
あの子は少しあざとい可愛い子、私はサバサバした女の子。
最後完全に狂気に振れた主人公の口調が変わっています。
きっと彼の変わった好みに合わせようとする心理なんだと思います。

確実に方向性は狂気ですが……

実はもう1個考えている話がありまして。
この後投稿出来たらなと思います!

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