個人的体験 2022/7/1
今これを上空で書いている。コロナで2年延期されていた高校の同窓会に行くためにイギリスに向かっている。20数年後の私たちの変わり果てた姿をお互いに宥め合い、時に称えながら当時の思い出話から、今の家族や仕事のこと、そして世界各地からのいろいろな話に華を咲かせるのだろう。イギリスと言っても華麗なるロンドンではなく、奥地ウェールズの田舎町に向かう。やっと鎖国が解けたようなこの時期になんでわざわざそこまで向かうのか。それは、今やっていることの原点に立ち戻る絶好の機会だからだ。
小さい時にフレンドリーな海外の人に興味を持ち、高校の途中で日本で優等生をしているのがめんどうくさくなったことやもっと面白い学びの場を求めて単身で行った、羊の方が人口よりも多いところにあるインターナショナルスクール。寮のリビングルーム(通称コモンルーム)では夜な夜な夜食の薄ーい食パンを片手に恋愛から授業、自国の政治経済の話まで、男女、国籍、宗教、年齢など問わず集まり話が繰り広げられていた。またその片隅で読書や宿題をしている子がいたり、ボードゲームをしている子がいたり、それぞれがその時々の状況で過ごす空間が広がっていた。私はその後も、あの時の刺激や心地よさが忘れられなかった。
大人になってもそのような空間は必要なのではと思い、それが今のMIDORI.soのラウンジのイメージに繋がっている。多様を寛容に認め合うカルチャーが新しい何かを生み出していく。私はそれをMIDORI.soで身近に体感している。まさか私がそんなことを仕事にすることになるとは当時の私には想像もできなかった。オンラインで十分足りてしまうことが多くなり、メタバースの世界が迫ってくる中、実際に同じ空間で体感する意味についてぼんやりと考えながら、ロシア/ウクライナの影響で東回りの長時間フライトを満喫している。