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evolution. 2023/3/10
人工知能が人類の知能を超える転換点「シンギュラリティ」という言葉が数年前に流行った時、「大変だ!このままでは人間の仕事がAIに取って代わられる時代が来てしまう。私たちはこれからどう生きればいいんだ!」という会話が飛び交った。しかし大半の人たちは、あっという間にそんなことは忘れてしまっただろう。先日「ChatGPT」が世に出て、「ああ、やっぱり来たな。」というか、本当に来てしまった。
AIといえば、日本ではAI研究の第一人者 、東大の松尾豊先生が、早速、自民党のAIプロジェクト内で「AIの進化と日本の戦略」という発表をした。日本でChatGPTレベルやそれを上回るものを作るには短期間で莫大な資金が必要だ。それ以外であれば勝ち筋なし!と。そしてホワイトカラーと言われてきた人々の仕事の多くが取って代わる時代がやってくるだろう、と。
私は、技術については門外漢で、もうこの時代に踊らされる側だ。日本の未来のためにこの文脈では全く貢献できない。ただ、働く状況を作っている場の運営を中心にやっている立場にとっては、ちょっとワクワクする展開なのかもしれないとも思った。仕事の序列の転換が起こりうる。いい大学に入って、いい会社に入ることが真っ当だとする世界がぐるりと変わるかもしれない。遊びも仕事も境がどんどんなくなっていくかもしれない。私たちは2016年に『We Work HERE』という、これまでの常識に囚われず働いている100人に「働くとはなにか」をテーマにインタビューをした本を出版したが、そこに登場する人たちが益々活躍できるのかもしれない。今まで変わろうとして結局変われていない教育がようやく本当に変わるかもしれない。ってか変わらなければならないだろう。
人間にしかできないこと、というか自分しか出来ないことや自分がいいと思うことがどんどん仕事になっていくように思う。言われたことを的確にやるよりも、湧き上がる情熱と好奇心が世界を動かしていくのだ。きっと。