【まちのよろず屋への道】域おこし協力隊の記録(2024年2月)
だんだんと活動らしきものができてきた気がする2月。
居場所を見つけた茶の間
協力隊に着任した12月から月1でお邪魔している地域の茶の間。
出雲崎では「八手の茶の間」と「新津邸の茶の間」という2つの茶の間が開催されています。
12月、初めて参加したのは八手の茶の間。この時はとにかく自己紹介の日でした。その中で一緒にゲームしたり、お話したり、折り紙したり。「茶の間」という場に行くのが初めてで、どう過ごすのかも分からなかったのが正直なところです。
年が明けて1月。2回目の八手の茶の間にお邪魔しました。
1か月間が空いたからか、前回お話した人にも、もう一回「はじめまして」の自己紹介からスタート。「1か月に一回で、大した交流もできていなかったからすぐリセットされてしまうんだ…」と少し悲しくなりました。この時は特にイベント(誰かが来るとか)も無かったので、少し手持ち無沙汰で過ごしました。
そうして3回目の参加となった2月。
なんと、今回は私のことが前回リセットされてしまっていた地域の方から「コップに名前書いて」と話しかけてくださったのです…!
(茶の間では紙コップに名前を書いて、そのコップでお茶やコーヒーを楽しみます)
それを見ていた別の人も「じゃあ私も」と。この日はバレンタインだったので、ハートと共にお名前を書かせていただきました。そしたらすごく喜んで、他の人にも「これ書いてもらったんだ」と話していて。
そこから、「次はいつ来るの」という話になり、「じゃあ3月は春らしい絵でお名前書きますね」と次の約束ができました。
お家に行くとか、どこかに出かけるとかじゃない、ただ紙コップに名前を書くというだけの、小さな小さな約束。
たったそれだけのことが、なんだかすごくうれしかったのです。
新津邸の茶の間に初めて参加したのは1月。
一度「茶の間」には参加していたので、「大体雰囲気分かったし…!」と思っていったら撃沈。
場所と人が違うと、雰囲気も全然違うのです。高齢の方が多く、耳が遠い方も多かったのでうまくお話できずに終わってしまいました…。
でも、2回目の参加となった2月は結構お話できて。「卵焼き」の作り方とか、そんな普通のお話ができたのがうれしかった。
今までの協力隊も最初は結構茶の間に参加していたけど、それぞれの活動が定まって忙しくなるとなかなか行けなくなってしまっていたみたいで。皆さん、少し寂しがっていました。だから、せっかくの場なので頻度が落ちても継続的に参加していきたいなと思ってはいたけど、講師として教えられるものもないし、茶の間の中での立ち位置が見つけられずに悩んでいました。
でも「普通の参加者」でいいんだな、と思うことができました。
少しずつ、本当に少しずつだけど居場所ができてきたような気がする。
まだまだ「あれ?前回もお話しましたよね?」という方から「どちらさん?」とご挨拶があったり、私も「この方お話したことあるけど、お名前なんだったけ…」という方がいたりするけど。
何かを教えたり、与えたりしようと気負わずに、「参加したほうがいい」ではなく、一人の参加者としての参加を続けていきたい、と自主的に思えるようになりました。成長。
出雲崎観光ガイド、受けました
前職で、行政の観光係・観光協会事務局として観光ガイドの担当をしていました。そのこともあり、出雲崎の観光ガイドもずっと気になっていたので、実際に体験してきました。
体験したのは3時間の「街並とことんコース」。主に海側を回ります。(この他にも2時間の「街並散策コース」、1時間の「お好みコース」があります。)
主要な場所は大体行ったことはあるけれど、実際観光客の立場でガイドに案内してもらうとまた違うのかな…と楽しみにしながら参加しました。
結果、「すっごい楽しかった!」という感じではなかったというのが正直な感想。
まず、3時間コースとあるけれどあの距離をその時間で案内されながら回るのはなかなかに無理がある気がする…。今回も間に車移動を挟みながらでした。まちあるき、と言っても、間にお店とかが少ないからそう簡単にはいかなそう。
あと、歴史好きにはたまらないんだろうけど、にわか歴史だと「へー」で終わってしまう場所が多々あります。そこがなんとももったいない。
「出雲崎には観光の素材はあるのに、出し方が下手」と言っている方がいるけど、まさにその通り。はまる人にははまるものがあるはずなのに、そのはまる人の幅が狭すぎる。そしてきっとそんなに知られていない。もっと一般人も「へー」から「そうなんだ、なるほど!」くらいに思えるようになってほしいし、もっと歴史好きな人とかが「行きたい!」と思えるようになってほしい。
それが「魅せ方」。
空き家活用インタビュー
「空き家を活用してお店をやっている人にインタビューして、先行事例として紹介したいんだけど、一緒にやってもらえない?」と役場の担当者から声をかけていただき、お店にインタビューに行ってきました。
今回お話をうかがったのは4店舗。
簡単に依頼書を作って、アポを取って、お話を聞いて、まとめて。
インタビュー自体はお店紹介とかではないので、そんなに難しくなくありませんでした。
この記事は今後、広報やHPで公開予定です。
インタビューで一番感じたことは、「お店をやるってすごいな、かっこいいな」ということ。(空き家活用とは関係ないけど)
「お店がない」「さびれている」という声が多い出雲崎の海沿いには、これから数店舗新規オープンがありそう。また開拓していきます。
子育て世代のための情報発信
いろいろなところで話を聞く中で感じたのが、「観光の出雲崎」という人が一定数いること。その一方、出雲崎町としてみると目立つ(わかりやすい)のが「子育て応援宣言のまち」しての充実した子育て施策。
この二つがそれぞれの路線で走っているのがもったいなくて、合わせられないのかな…と思っていました。
そこで考えたのが、「初めての場所でも子どもとお出かけしやすい情報を発信する」こと。それによって、来ても、住んでも、子育て世代に優しい、Welcomeなまち」になってほしいなあ、と。
実際、私も子どもが産まれて感じたのが、子ども連れで初めての場所に行くと、意外と「これ事前に知りたかった…!」という情報があるということ。例えば、おむつ替えシートや授乳室の有無は意外と検索すれば出てくけど、「ベビーカーでお店に入ったら、通路が狭くてベビーカーが入れなかった」とか「抱っこ紐で行ったけど、座敷が無かったのでおろして寝かせることができなかった」など。もう少し大きくなると、「大人のメニューをとりわけて食べさせようとしたけど、子供用皿、スプーンなどの貸し出しが無かった」「離乳食の持ち込みがダメだった/出せる雰囲気じゃなかった」など。
こういった情報が出雲崎のお店・施設は事前に分かっていれば、近くの市町村目当てで来た人が「出雲崎に寄ろう」と、選択肢の一つになってくれるかな、と考えたわけです。
そこで、町の子育て支援センター「多世代交流館きらり」の室長に突撃相談に行き、そこから担当の方とお話をし、きらりで行われる行事の際に参加者に意見を聞くことになりました。
2月は計3回ほどお邪魔してきました。
皆さん子ども連れで来るので、なかなかじっくりお話を聞くということは難しかったけど、子どもを追いかけるお母さんについて回りながらかき集めました笑。
おかげで少し形が見えてきた。4月くらいには動き出したいなと模索中です。
子育て中の今だからできること。やってみます。
初めて触れる「漁業」という仕事
いろいろな人の話を聞く!ということで、「漁師さんに全然会えていない」と話したら、紹介していただきました。
「漁師は言葉遣いが荒い」と散々言われてきたので、少し怖かったですが、いざ行ってみると、話が盛り上がって(ほぼ聞いてるだけ)あっという間に3時間半。
楽しかった!!
「漁業は厳しい」と聞きますが、何が厳しいのか。何も知らない状態でイメージしていたものとは少し違っていました。
燃料費の高騰とか、後継者不足とかはもちろんだけど、一番は、ブランド。
獲れる魚は同じなのに、「〇〇の」といったブランドがないから、高く売れない。稼ぎにならない。大変だから子どももやりたがらない/親も勧められない。
出雲崎の漁師さんもどんどん減っています。
このまま漁業が絶えてしまうのはなんだかすごく悲しい。もったいない。
私が今から漁師になることはできそうにないけど。
「伝える」ことで何かできないかな。
地域おこし協力隊って自営業みたい
いろいろが少しづつ動き出し、収まり、活動しているっぽくなってきた気がする…?
やっぱり、最初はほぼ飛び込み営業。
高校、大学時代に吹奏楽部の定期演奏会スポンサー集めで電話でアポ取りしたり、飛び込み営業してたのが役立ってます。
それでも、なかなかに勇気がいる場面は多いけど。
やらなきゃ、やることないんです。地域おこし協力隊って。
地域おこし協力隊にもいろいろありますが、出雲崎の場合は、ある意味、代わりがいない、自営業みたいな感じがします。
だから、自分で売り込んでいくしかない。
適度に暮らしを感じながら、飛び込んでいきます。