夢日記
PTSDの症状のひとつの睡眠障害がひどく、眠りが浅かったり、途中覚醒が多かったからなのか、カウンセリングを受けていた頃、よく夢を見ていた。
阪神淡路大震災のとき、眠っていたために家族を助けられず眠っていた自分を許せなくて、不眠になった人の話をカウンセラーから聞く。
わたしも加害者と一晩中ずっと一緒にいたとき、一瞬でも眠ってしまった自分を無意識に責めている自分がいて、不眠になっているかもということだった。
フロイトの話では、意識は氷山の一角でしかなく、あとは海面の下(無意識)にあって見えない。
夢も無意識の部分で表れであることが多いので、自分自身の状態を知るためにも夢の内容を記録することをすすめられた。
夢日記をつけ始めたら、自分自身の心身の状態が分かってきた。
あの頃よく見ていた夢は「 真っ暗な夜、家中の窓やドアの鍵を必死になって、片っ端からかけていく」というもの。
本当によく心の状態が表れていると思った。
何かがやってくる恐怖、得体の知れないものに襲われる恐怖から、自分というものに鍵をかけて守ろうと必死だったのが、この夢からわかる。
定番だが、高いところから落ちる夢やふわふわ浮いていて地に足が着いていない夢もよく見ていた。
精神状態が不安定なのが表れている。
カウンセリングが進むにつれて心身ともに安定し始めてきたら、穏やかな夢に変化していった。
自分でも夢の解釈が難しいときは、カウンセラーに夢の内容を聞いてもらい、フィードバックしてもらった。
なるほどと思った夢は、中学生の時に好きだった男子が定期的に表れて、その関係性がどんどん変化していく。
最初は淡い恋心を抱いていただけだが、次に告白し、最後には彼の胸ぐらをつかんで言いたいことを言っている。
カウンセラーは、わたしが大人の女性になる過渡期だったため、その男子の存在を夢の中で借りて人間形成をしていると解釈した。
夢は、自分でも気がつかない深層心理がわかったりして、自分を知る良きツールでもある。
今も枕元にノートを置き、気になる夢を見たときは記録している。
幸いなことに、今はPTSDの症状が軽くなり、朝までぐっすり眠れるときが多くなったので、夢を覚えているときの方が少なくなった。
夢も自分の一部として捉え、うまく付き合うとなかなか面白い。