アントワープで、涙も引っ込んだ話し
オリンピック、パラリンピック、
そして、最近始まったW杯予選。
やっぱり国別だから、これだけ
参加する側も、応援する側も
盛り上がるんだろうなぁと思います。
それぞれの文化や風習、
違いを尊重しつつ切磋琢磨し、
同じルール上で正々堂々と戦うという事が、
良いのだなと思う。
海外で暮らしていると、日本の良い所が
沢山分かるし、日本という国や、
日本人でいる事が誇らしいと感じます。
もちろん、海外の文化や風習の良い所もあるから、
それは有り難く享受しているんだけれど、
同時に、分からないなと思う事や、驚く事も沢山。
細かい事を言えば、ゴミを出すのが2週間に1回って、
なんで?って思うし(笑)
今回は、10年以上前にあったエピソードを。
アントワープにある聖母大聖堂。
あの、「フランダースの犬」の最終回、
ネロが最後に見たルーベンスの絵が、
実際に飾ってあります。
画家ルーベンスのキリスト昇架(Kruisoprichting)
キリスト降架(Kruisafneming )
もう、この絵の前に行くと、毎回、
自然に、「らんらんらん、らんらんらん〜♪」と
フランダースの犬のメロディーが頭の中に流れ、
「あぁ、この絵をずっと見たかったのね。」
「可哀想に、この絵を見てから亡くなったのね。」
などと思って、ウルウルしてしまいます。
この時も、ウルウルしながら見ていると、
教会内で、ボランティアガイドをしている
という外国人の若い男性が、「どうしたの?」と
声を掛けてきました。
男性「日本人は「フランダースの犬」の話が好きだよね」
男性「沢山の日本人の観光客が来るよ」
私「ネロが可哀想で、思い出しちゃって」
男性「?」
男性「どうして?ハッピーエンドな話でしょ」
私「えっ?(意味が分からない)なんで?」
男性「だって、天国に行ったじゃないか!」
と、にっこり笑っていうのです。
私「!!!!!!」
ハッピーエンドだなんて、思った事がなく、
言葉を失ってしまった。。。
衝撃で、涙も引っ込みました(笑)
いや、そういう受け取り方があるのか!と。
本当にびっくりしました。
確かに、少なくとも天国に行ったから、
まだ私の気持ちが救われた、位は
思ったかもしれないけれど、
天国に行けたんだから、あの物語は、
ハッピーエンドだね、とは、
思った事が無かったのです。
これは、国や文化の違いというより、
宗教の違い、なのかもしれないけれど。
同じ物語を読んで、全く逆の感想を持つ人達。
もちろん、どんな感想を持ったって良いし、
それは個々人の自由。
どちらが良いとか悪いとかではなく、
そういう受け取り方もあるんだ!と、
色々な意見の人がいても、違うからと
非難したり排除したり説得したりせず、
その違いを認め、尊重し合えれば
世界はもっと平和になるんじゃないかと
フランダースの犬から始まって、
世界平和まで思いを馳せたのでした(笑)
因みに、ルーベンスは、アントワープが生んだ
当時から大成功していた画家。
ルーベンスの家も美術館になっていて、
聖母大聖堂から徒歩で行けます。
アントワープはファッションの街でもあるので、
お店を覗きながら、ルーベンスの家までいくと
楽しいと思います!
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