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【読了】職業は専業画家

ストレスフリー超大全を受け

緊縛やまんこを描いて生きていきたいです。そのためには圧倒的に良い作品をつくり継続的に発表することが必要だと思っています。ただし弊害も多く心が折れそうになることも多いです。継続的に悩まずに良い作品を描き発表していくにはどうしたら良いですか?

という悩みを解決する手段を調べるために本を読んでいます。

そして今回読んだ本は「職業は専業画家

前回読んだ「完売画家」は王道な画家の活動という感じがしましたが、こちらの本は著者も書いているように「地下アイドル的」な活動の仕方で、どのように活動してきたかが具体的に書かれています。
みんな「完売画家」のようにメジャーを目指したいと思いますが、メジャーになれない人の方が圧倒的に多いので「職業は専業画家」の方が参考になるかもしれません。

著者の活動で主軸になっているのは個展をすることです。

僕は個展は年に1回くらいで毎年できればいいなと考えていましたが、著者は例えば2018年には14回もの個展をしており、京都在住だそうですがそれ以外の地方でも展示しているそうです。

僕も時々地方で展示してみたいと思うことはありましたが、実行に移せていません。
実行に移せなかった理由は2つあって、金銭的な理由と、東京に居るのにわざわざ地方でやる意味が見出せなかったからです。

でも、地方都市でも一定の割合で、アート好きな人は居ると著者は言います。

自分の個展について思い返すと性的作品を描くようになって2回目の個展のとき、会場費は14万円くらいで、作品の売り上げは7万円くらいだったと記憶しています。

この時はこれだけ気合入れて描いて赤字だったのだからもう出費がかかる活動はここまでにしようと思ってしまったのでした。

でも本当はここで諦めないで(諦めたわけではないが)続けていれば良かったのかもしれません。

本書の話とズレますがお金のことを少し書きます。
僕が子供の頃は親がちゃんと働いていて中流家庭と呼ばれる状態だったのですが、高校生くらいの時に父が脱サラして事業に失敗しそこから貧乏になりました。
北海道から東京の美大に進学したのですが学費や生活費は払ってもらえなかったので、学費と生活費が貰える新聞配達奨学生をやりながら学校に通いました。他に奨学金ももらっていました。
奨学金は返すのが大変でした。
また学生のときに実家の生活費を補填するために僕がカードローンを組んで仕送りしたりもしました。
だから社会人になってからも一向にお金が貯まらなかったのです。
僕が大学生の時に親は離婚しました。
父は仕事がうまくいかず借金をつくっていました。
僕がイラストレーターで稼げるようになってからは父のために毎月5万円くらい仕送りしていました。
それでも借金はしていたようで、父が死んだ時の家の中は水道も止められここには書けないような状態でした。
父は賃貸に住んでいましたが、死んだあとの色々なことにかなりお金がかかってしまいました。
その後ほどなくして、今度は僕のイラストレーターの仕事がうまくいかなくなって収入が激減します。
お金に頓着がない方でケチケチしていない方だと思うのですが、そんな過去があるのでお金が無くなるのは怖いのです。

話が僕の身の上話になってしまいましたが、本の話に戻しましょう。

東京か地方かに限らず個展をする上でもうひとつ困るのは在廊です。
特に兼業画家には結構大変な問題ですが、著者は個展には必ず在廊することを勧めていますし、多くの画家がそのように言います。

ただ実はこの点にはとても悩んでいて、僕がヌードが中心の作品の個展を最初に時に、はじめて僕の絵を見る老人が見に来てくださいました。
じっくりと時間をかけて作品を見ています。
ころあいを見計らって話しかけてみましたが、面倒くさそうな感じで話しかけられたら嫌そうだったので、それ以上話しかけるのをやめました。
そんな感じだから当然買わないだろうなと思っていたのですが、1〜3万円くらいの小さめの作品だったのですが2点も買ってくださったのです。
その方は購入するためにギャラリーのスタッフとは事務的な話をしていたと思いますが、作家である僕とは一切話をしませんでした。

また過去に実は西武デパート渋谷店でのグループ展と、青山のスパイラルホールのアートフェアで展示販売したことがあり3点売れたのですが、その時も僕が不在の時でした。

逆に広島のデパートで2回グループ展をした時には昼食以外ずっと在廊したのに1点も売れませんでした。地方では人物画は売りづらいと聞いたこともあるのでそちらが原因かもしれませんが。

と、ここまで描いて思い出しました。その広島のデパートで車椅子の老人が奥様と見に来て、僕の絵をすごく気に入ったようすで作品を手にとってまで見ていたのですが、作家には全く興味を示さず、デパートの店員さんとはお話ししていましたが、結局奥様に反対されたようで、購入いただけなかったということもありました。

この時の作品は今と比べると過激なものではありませんでしたが、多少の性的要素を含んでいました。なのでエロ系の作品は作家が居ない方が売りやすいのかな?とも未だに思っています。

あと、接客についてのことも本書にはいろいろ書かれていました。参考になるのですが僕は接客するのが嫌なのかもしれないと思いました。人当たりは良い方なんですけどね(^_^;)

ちなみに自分がイラストレーターで食えていたときは、個人のお客様から依頼をいただく気がほとんどありませんでした。
個人より企業や会社からお金をもらった方が気楽だし、面倒なやりとりもなく多くのお金をもらえると感じていたからです。
個人の方から1万円もらうのは気が引けますが、企業からイラストのギャランティとしてもらう1万円はもっとちょうだいと思います笑

そう考えると自分は絵を描くには向いているけれど、個人のお客様を相手に商売するのが向いていないのかもしれません。
商売したくない画家はどうやって食っていけばいいんですかね?

冗談はさておいて、その他、書いてあったことの抜粋、要約、感想などを箇条書きしてみます。

  • 個展は見る方からすると10ヶ月に1回くらいがちょうど良い

  • そういえば僕の好きなエロ系の写真家さんは年に2回同じ画廊で個展をしている

  • 作品をしっかり作ることは大切ですが、しっかり観てもらえる場を作ることも同じように大切です。

  • 作品を求める人にも「お金を払うことの楽しみ」がある

  • 本当は、「もっとお金を出したいお客さん」がいます

  • そういえば買い物するのは楽しいよね。ファイナンシャルドミネーションっていうフェチもあるくらいだしな(ちょっと例えが違うかw)

  • もし作品が求められないとしたら、それは作品の魅力不足ではなく、その作品を求めたい「あなたのお客さん」に出会えていないだけ、かもしれません。

  • つい、メジャーの世界の価値観で作品や活動を考えてしまいがちですが、画家の「本当にしたいこと」や生きる姿勢の香りのする作品こそが、「地下絵描」に求められている価値や作品像だと考えます。

  • ほかの人がこうだから自分もこうだ、という同調による安住の地を求めないでほしい。

  • 作品が売れることだけが価値ではないということ、売れなくても価値がある作品もあるということを知ってほしいです。

  • 描く気力がなくなった時、私は描きません。

  • 何とかなると信じること、今の損得を考えないこと

この辺りは忘れないようにしたいです。

あ、そいえば前述した

商売したくない画家はどうやって食っていけばいいんですかね?

の答えですが、マネージャーを探せばいいんだ!と思いました。
でもそれも難しいなぁ。

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