冬に紹介したいSnapdragon 810
寒くなって来ましたね。
そんな中で、発熱がやばくてカイロと呼ばれてしまったSnapdragon 810を紹介したいと思います。
Snapdragon 810とは?
Snapdragon 810は、2014年に発表された当時のハイエンドSoCです。
20nmプロセスで製造され、CPUアーキテクチャにCortex-A57にCortex-A53を使い、コア数は4+4です。
コア数を2+4に減らした、Snapdragon 808も同時に発表されました。
また、クロックはbig側が最大2.0GHz、LITTLE側が1.6GHzです。
Qualcommのハイエンド製品では、初の64bit対応かつbig.LITTELを搭載した製品です。
期待されて出されたが…
Snapdragon 810を搭載した製品の多くが、発熱が酷いと問題になりました。
また、それによりSnapdragon 810を搭載しない。
または、下位製品のSnapdragon 808を搭載するメーカーすら現れたぐらいです。
発熱ってなにが問題なの?
発熱による問題として、熱くて触れないというのがまず挙げられます。
また、熱によってSoCが壊れないようにする為、クロックを下げます。
しかし、スマホは熱が篭もりやすい構造なので、中々熱が逃げません。
それで、またクロックを下げます。
そのループで、動作がカクついたり、時にはフリーズしてしまいます。
Snapdragon 810を避けたメーカー
Samsungは日本向け製品には、ExynosではなくSnapdragonを搭載しますが、
Galaxy S6とGalaxy S6 Edgeには、Exynos 7420をSnapdragon 810の代わりに使っています。
CPUアーキテクチャは、変わらずCortex-A57とCortex-A53を搭載しています。
また、前世代機から防水防塵には非対応になっています。
スマホは熱が篭もりやすく、更に防水防塵にするとより熱が篭もってしまうので、
賢明な判断だったと思います。
Huaweiもです。
まぁ…HuaweiはそもそもSnapdragonではなく、自社製のKirinがメインですが…
ハイエンドのKirin 930/Kirin935には、
Cortex-A57ではなく、セミカスタムしたCortex-A53eを搭載しています。
Kirin 930には、Cortex-A53eを4つとCortex-A53を4つに、
クロックを2.0GHz+1.5GHzになっています。
また、ライバルのMediaTekは、ハイエンド製品にHuaweiと同じく、
Cortex-A57を避けたHelio X10があります。
Helio X10は、Cortex-A53、8つを2.0GHzで駆動させています。
発熱の原因は?
まず、Snapdragon 80x世代では、独自CPUのKraitだったのに対し、
Snapdragon 810では、Cortex-A57とCortex-A53をそのまま使っています。
次世代のSnapdragon 820では、また独自CPUのKryoになったことから、
64bitを急いだあまり、設計の最適化が進まなかった。
次に、プロセスルールの微細化に急ぎすぎた。
台湾のTSCMが製造していますが、20nmプロセスと前世代機の28nmから微細化しています。
これの微細化に集中しすぎた結果、熱問題を解決できなかった。
そして…8コア化が出た当初で、ソフトウェアの最適化が進まなかった。
が挙げられます。