消えていったWindows Phone
今回は、第三のOSと呼ばれ、消えていたWIndows Phoneについて書きたいと思います。
Winsows Phoneとは
Windows Phoneの前身は、2003年に発表されたWIndows Mobileまで遡ります。
Windows CEをベースにした、モバイルOSで、主にビジネス向けに提供されていました。
機能としても、電子メールや予定などを表示する『To day画面』。
専用のMicrosoft Officeの『Office Mobile』『Outlook Mobile』。
自社開発のブラウザ『Internet Explorer Mobile』などを搭載しています。
そんなWIndows Mobileの後継として、2010に発表されたのが、WIndows Phoneです。
しかし、ターゲットがビジネス向けから一般コンシューマ向けとなっています。
WIndows Mobileとの互換性はなく、WIndows Mobileで使われたアプリは使えず、WIndows 8で有名なModem UIが使われています。
また、他社と自社製のクラウドと親和するように、WIndows PhoneもOneDriveと同期できる作りになっています。
また、スマホ用OSとして世界で初めてフリック入力を搭載しています。
操作性やレイアウトの正確さが改良された、Internet Explorer Mobileも搭載されています。
Microsoft Officeと統合されたOffice Mobileも搭載されています。
日本向け機種
auで富士通東芝から、世界初のWIndows Phone 7.5搭載の「Windows Phone IS12T」が発売されました。
ここから4年間は音沙汰が無かったのですが、SIMフリースマホとして、Windows Phone 8.1搭載の「MADOSMA Q501」が発売されました。
なお、「WIndows Phone IS12T」は、Windows Phone 8にアップデートできません。
ここからは、日本で発売されたWIndows Phoneを紹介していきます。
ハイエンド
HP Elite x3 (Snapdragon 820/RAM 4GB/ROM 64GB)
Liquid Jade Primo (Snapdragon 808/RAM 3GB/ROM 32GB)
ミドルハイ
MADOSMA Q601 (Snapdragon 617/RAM 3GB/ROM 32GB)
VAIO Phone Biz (Snapdragon 617/RAM 3GB/ROM 16GB)
NuAns NEO (Snapdragon 617/RAN 2GB/ROM 16GB)
ミッドレンジ
MADOSMA Q501A (Snapdragon 410/RAM 1GB/ROM 8GB)
EveryPhone (Snapdragon 410/RAM 2GB/ROM 32GB)
エントリー
KATANA 01 (Snapdragon 210/RAM 1GB/ROM 8GB)
KATANA 02 (Snapdragon 210/RAM 2GB/ROM 16GB)
Diginnos Mobile DG-10M (Snapdragon 210/RAM 1GB/ROM 16GB)
JENESIS WPJ40-10 (Snapdragon 210/RAM 1GB/ROM 8GB)
BREEZ X5 (Snapdragon 210/RAM 1GB/ROM 8GB)
Snapdragon 617では、ワイヤレレスによるContiummに、
Snapdragon 800番代では、有線によるContiummに対応しています。
Contiummとは、WIndows Phoneをパソコンのように使える機能のことです。
操作感
筆者は、KATANA 01とKATANA 02、Diginnos Mobile DG-10Mを触っています。
Snapdragon 210、メモリ1GBの割には、動くという感想でした。
Androidでも最低限のスペックです。
同環境でも、Androidよりは動くけど、動作の怠慢さは目立つ印象でした。
また、アプリの起動が重かったり、メモリ1GBの弊害はありました。
シェアは?
2013年第1半期では、BlackBerryを抜き、世界3位になります。
Nokia本社のあるフィリピンでは、シェアが4割弱までになります。
世界24ヶ国では、iOSのシェアを超えます。
しかし、2017年には世界シェアが0.1%まで落ち込み、2019年末にサポート終了を発表します。
何故消えていったのか?
やはり、触っていて感じたのは、アプリの少なさです。
AndroidとiOSの2つが大半のシェアを握っているため、
この2つのOSで使えるアプリが最優先になり、
シェアの少ないOSは後回しがまだ良い方で作られないことも少なくはありません。
そうすると出来ることも少なくなり、更にシェアが減ります。
また、Microsoftは、シェアの少ないOSに対して、早々に見切りをつけることが多いです。
過去のいい例だと、WIndows MeやWIndows VIstaが挙げられます。
Microsoftは、デスクトップ向けOS等も開発・メンテしているため、
シェアの少ないOSにリソースを割くより、早々に見切りをつけ、
そのリソースを有効に使います。
あとは、WIndows Mobileとの互換性を失くしたことも失敗の一つだといえます。
これまで築き上げた資産が使えなく、iPhoneも台頭し始めた頃に、アプリが0からのスタートは痛手だと思います。