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2022年を振り返る

もっと頻繁に自分というものを言語化すべきだとは思いながらも、時間はあっという間に過ぎていき、いつの間にか師走の暮れに振り返り記事を書くためだけのnoteになってしまいました。今年も多種多様な音楽シーンに関わることができた喜びを噛み締めつつ、振り返っていきたいと思います。

1月

Trio Estaticoさんによる、ヴィオラ3台のための拙作"聲"のオンライン初演から年が明けました。

中旬にはフランクフルト音大にて、Arevik BeglaryanさんとDasom Kimさんのピアノソロ初演がありました。ちょうど自分もピアノソロを書いていた時期だったので、多方面で刺激となりました。

そしてシェーンベルクの月に憑かれたピエロ、私にとっては初めての舞台での演奏でした。来年も弾く予定がありそうで、楽しみです。

2月

イタリア・サルデーニャ島で行われた、Ensemble XiEMAの演奏会に客演させていただきました。これは、2020/21年のアンサンブル・モデルン・アカデミー卒業生からなるアンサンブルで、ベンジャミンのオクテットや、現地学生の作品などを演奏しました。サルデーニャ、とても良いところだったので、また行きたい!

フランクフルトに帰って来てすぐに、アルテ・オーパーにて、リゲティの悪魔の階段と、タイプライターを叩く機会がありました。

また、中旬には大村芽衣さんと、ベートーヴェンのヴァイオリンソナタ第6番を演奏させていただきました。

3月

デュオパートナー、Philine Lembeckさんと、アルテ・オーパーにてユダヤ作曲家に焦点をあてるプログラムを演奏しました。

4月

オルレアン国際ピアノコンクールにて、拙作"Sillage de lignes"が作曲賞を受賞、附随してラジオ・フランスからの委嘱をいただきました。演奏してくださった谷口知聡さんも第2位入賞!

5月

フィンランド・クオピオ交響楽団にて、2週間客演させていただきました。ラヴェルのダフニスとクロエ、オルフのカルミナ・ブラーナでした。プロオケの中で演奏させていただくのは初めて、勉強になりました。

6月

デュオパートナーPhilineと、デュサパン"Slackline"に取り組みました。

中旬に日本へ帰国、私にとって最後の桐朋作曲作品展にて、ヴィオラ3台のための"聲"をライブ初演していただきました。

また、廻由美子先生主宰の新シリーズ、新しい耳@B-tech Japanに出演させていただき、ブーレーズ・メシアン・自作・シェーンベルク・シュトックハウゼン・リゲティ のプログラムを演奏しました。

7月

フランクフルトに戻り、まずはF°LAB Festivalにて、アンサンブル・モデルンとフランクフルト音大の合同企画があり、メシアン鳥のカタログよりダイシャクシギを演奏しました。

その後フランクフルト音大の修士課程卒業試験があり、ブラームス・シェーンベルク・シュトックハウゼンの『ピアノ曲』というテーマのプログラムを演奏しました。自分も好きなプログラムなので、またどこかで演奏したいです。直後に行われた入学試験も無事合格し、同大学国家演奏家資格過程に進むことができました。

8月

機会があり、クラシックのレパートリーを集中的に学んでいました。
その傍ら、東京B-tech Japanにて、谷口知聡さんが拙作"Sillage de lignes"を再演してくださったり、篠村友輝哉さんと向井響さんとの対談記事を出すなどの活動ができました。

9月

下旬に、ケルンを拠点とする現代音楽集団 ensemble hand werkさんに客演させていただきました。作曲家François Sarhanさん特集、演技をしたり、ほぼ打楽器奏者として振る舞うシーンがあったり、かなり面白い経験となりました。

また、ピアニストFrancesco Tristanoさんが、バッハのピアノ協奏曲BWV1058を演奏される際のカデンツァを委嘱してくださり、ランスのルーヴル美術館別館で初演されました。

10月

久しぶりの作曲月間!ということで、クラリネットのHeather RocheさんとアコーディオンのEva Zöllnerさんのデュオのために"Zerfließen…"を創っていました。こちらは来年1月31日に初演されます。

11月

フランクフルト音大作曲科教授、Michael Reudenbach氏退官演奏会にて、14曲の初演を担当しました…反転メガネという面白いマテリアルも初体験。

また、スロバキアのブラチスラバにて、Trio Estaticoさんが、ヴィオラ3台のための拙作"聲"を再演してしてくださいました。いつか彼らの生演奏で、この作品を作品を聴いてみたいものです。

引き続きの作曲月間ということで、チェロとピアノのためのデュオ"空間と密度についての考察"に取り組みました。こちらは1月26日フランクフルトにて、私とPhiline Lembeckさんで初演します。

12月

フランクフルト音大オーケストラにて、Leroux"Envers  IV"のピアノパートを演奏させていただきました。オケ中は勉強になるので、いつでもお声がけお待ちしております。笑

中旬には、Francesco Tristanoさんが再び、拙作のカデンツァをパリとアヴィニョンで再演してくださいました。こちらはCDとしても発売予定ですので、ぜひ皆さまにお聴きいただければと思います。

また、学内のアドヴェントカレンダーとして、スカルラッティのソナタを1曲収録させていただきました。

また、年の最後にはビッグニュース!初のCD"Ogura Plays Stockhausen"のリリースをお知らせすることができ、感慨深いものがありました。
発売は来年2月10日、予約をこちらから受け付けております。

今年は、新しい試みとして、ジョギングを始めました。基礎体力や、演奏中の呼吸への意識が変わり、走れる距離が増えるにつれ、またどんな変化が出てくるのか、楽しみです。

不安定な世界情勢の中で、様々な場所に赴き、音楽を共有したり、人々と話したりすることで、色々なことを考えることができるのは、この職業ならでは。その責任を忘れずに、来年も発信していけたらと思います。

新しい年が皆様にとって素晴らしいものとなりますように。
今後とも応援のほど、どうぞよろしくお願いいたします。

2022年12月31日 小倉美春

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