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#29 見つけられなかったレストラン

実家帰省時に思いがけず、大学卒業旅行の記録が発見された。

卒業旅行は一人旅で結果的にウィーンとブダペストを往復しただけだった。
そして、どこで出会ったかブダペストオススメのレストランの位置のメモが残っている。
そのレストランを探しに行ったが結局のところ、見つからなかったと記録にも残ってるし、見つからなかった記憶もある。
当時、IKEYAと言われてピンとlこなかったが、今ならああ、あのIKEYAねとわかる。
メモ書きの紙にははっきりとIKEYAが記されているが、それすら見つからなかったと記されていた。
そして、彼の名前は町田君と書かれていた。
町田君は確か同世代と記憶している。
なんのきっかけで話すことになったかわからないが、ポーランドのレストランで人生で初めて食べ物を狙われていると感じたと言っていた。
ポーランドも行ってみたいと思っていたが、この話を聞いてポーランドは選択肢の中から消えていった。

ブダペストのコンサートホールで
ショスタコービッチ交響曲第7番を聞いた。
非常に高級そうなコンサートホールだったが、当時円高ということもあり1500円程度で聞けたのを記憶している。
ボレロのように微かな音から始まり段々と激しさを増して行く。
生涯忘れない曲の一つとなった。

前の晩だったか、
酒に弱い私は白ワインを飲んだ勢いで
1人ブダペストの王宮のドナウ河を挟んで対岸の丘に登り、美しい夜景に見惚れていた。
今度来る時は、綺麗な女性と2人でと思ったが、未だその夢は叶っていない。

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