#22 扉を開けて前に進むと
ほどなくして、私はエール班に配属された。
50歳幹事という決め事で招集されたメンバーは各班に配属された。
#21 ドラマはまだはじまってもいなかった。|みはるかす (note.com)
応援団は特殊技能だからと幹事長に口説かれた。
確かに、在籍中に応援団の振り付けはさんざんやったので体は覚えている。
しかし、何ら資格試験があるわけでもなく、じゃんけんに負けると合格するという合格率100%の技師である。
エール班のほかには、
会計班・・・・支出管理と、会計報告を壇上でしくてはならない。
会場班・・・・ホテルの会場の設備設置などホテルとのやりとり。前日に運んでおくべき機材リストなどは当然ながらホテルに伝える必要がある。
受付班・・・・当日会場の受付。あなたはだれでしたっけという同窓会あるあるのためにも名前をぶらさげてもらう。
企画班・・・校歌斉唱までに参加者全員が楽しめる何か催し物をしなくてはならない。
渉外班・・・・寄付金を募ったり、地元の酒やお菓子等を寄付してもらえないかと交渉してまわる。
動員班・・・・会費を集めるには、参加者が必要なので、電話をかけたりして当日参加できないか営業する。これはこれで久しぶりーと盛り上がったりして長くなる。
IT班・・・・・・・班内外のコミュニケーションのインフラ整備及びホームページ運営
司会班・・・当日の進行。会場を借りれる時間は決まっているので、てきぱきと。
撮影班・・・・当日や準備段階でのビデオや写真の撮影。当日の写真は公開され、準備段階の写真やビデオは想い出や、次の学年世代に引き継がれる。
事務局・・・・・各班の進行状況を確認して、フォローすべきところはフォローして全体を統括している。
とにかく、こんな大掛かりな企画は1年前から準備ははじまっている。幹事長になった人はさらに2年前から上の世代の幹事会に参加している。絶対失敗しないよう設計されている。
そして春からは月1回の幹事会が開催される。
冷静に考えるとやりすぎな。
エール班の一人は田舎の進学校だからと言っていた。
軽い気持ちでドアを開けて中に入ると後ろでガッチャと閉まる音がした。
同じアホなら踊りゃな損である。