見出し画像

#4 同姓同名

小学生の頃、学校に着くとクラスで話題の人となっていました。
同級生は、お前隠していることあるやろと聞いてきます。

私には何のことやら。

どうやら、近所のおもちゃ屋のプラモデルコンテストで優勝していたようなのです。

ようなのですというのは自分は不器用で図工は苦手でしたので応募するはずもありません。

どうやら、違う学区の同姓同名の仕業だったようです。
中学から高校へ進学するとき、田舎の金沢では、親戚の合格者にはお祝いを送るのが慣例でした。そのため、どこを受けるか今年高校受験の年だったねと親戚から探りが入ります。
結局は合格者は、地元の北國新聞に全て明らかにされます。

そして、その異なる学区の彼はまた私の前に存在をアピールします。
彼の合格した高校は別の高校でレベルもそこそこ同じでしたので、
親戚は慌てます。自分はそんなことは知らないわけですが。。

電話で
どっちもいい高校やけどどっちに入ったんや?

その後、高校を卒業して大学に落ちて予備校に入学手続きしにいくと、
あなたは、すでに入学していますと言われます。
一瞬ぎょっとしましたが
今までの経験があったので、
ああ、それは同姓同名の方ですねと答えました。
顔の知らない彼と仲良く大学落ちたのねと思いながら。
おそらく、名前順に並ぶ共通一次では私の後ろに座ったと思われる彼とは会話をすることもなく今はどこで何をしているやら。

会社に入って、同じグループ会社に同姓同名の方がいるらしいことは知っている。
2度ほど、宴会の費用請求のメールが来た。
まさかその時の彼ではないかと思わなくはないが、まさか関東にきてまでねと聞かないでいる。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?