おばあちゃんのお土産袋
私が愛媛から広島に帰省して、また愛媛に戻る時、私のおばあちゃんは私に絶対にお土産をくれる。
その名も”お土産袋”。
中身はというと、お菓子やビタミン剤、即席スープや即席めん、青汁、もち、米など様々なものが詰め合わせで入っている。
お菓子が多い時もあれば、即席スープやめんが多い時もある。もらうたびに今回の中身はなんだろうとわくわくする。
おばあちゃんがお土産袋を作ってくれるようになったのは、私が愛媛大学に通うようになってからだと思うから結構前だ。
そもそもなんで作ってくれるようになったのだろうと考えてみると、おばあちゃんのお土産の量が増えたからだと思った。
小さい時から、それこそ実家とおばあちゃんちは五分も離れていないが、家に帰る時にお土産をくれていた。
帰る距離が遠くなった今、その大きさも量も増えたといったところだろうか。
おばあちゃんはいつもお土産袋を奥の引き出しから出してくる。片足を引きずりながら。
おばあちゃんはひょこり、ひょっこりと歩く。
今ではもう見慣れてしまったが、おばあちゃんがそういう歩き方になってしまった時はその姿を見るたびに涙がでそうだった。
「なんでばあちゃんが倒れんといけんかったん?なんでなん?」
そういっておじいちゃんとわんわん泣いた。
神様、神様!!って、こんな時にだけ願っていた。
「どうかおばあちゃんが元通りになりますように」
病院から帰ってきたおばあちゃんは元通りではなかった。
以前のようにすたすたと歩けなくなっていた。
そうなってしまった自分に悲観するおばあちゃんに以前のような明るさはなかった。
「その年で生きて、歩いとるだけで奇跡よ~ばあちゃんは元気じゃけー!」
励ましになっているのかわからない言葉をずっとかけ続けていた。
あれからもう4年ほど経つ。
おばあちゃんは前を向いて明るい。
家が震えるほど大声で笑う。
おばあちゃんの笑い声は幸せを呼ぶと思う。
歩き方が変わってもおばあちゃんはおばあちゃん。私が大好きな人。
今日もおばあちゃんのお土産袋から好きなお菓子をひとつとって口にほおばる。
お菓子がなくなりそうになったらまた帰ろうかななんてことも考える。
私が落ち込んでいる時、怒っている時、しんどい時。
どんな時でも「大丈夫」といって頭をなでてくれた。
今はそんなときにすぐおばあちゃんのところには行けない。
でもその代わりにお土産袋がある。
おばあちゃんのやさしさでいっぱいのお土産袋。
次帰ったときはどんなものが入ってるかな~
学費に使わせていただきます!