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【パッケージの話010:紙管】

今日は紙管の話です。「しかん」と呼びます。紙でできた円筒のパッケージ。お菓子や食品によく使われますね。これも技術が詰まったパッケージです。流通している多くがスパイラルと呼ばれる構造のものです。

印刷紙で巻かれた紙管

紙管の「身」部分はこんな感じ。スパイラル自体はラップの芯のようなイメージです。工場で長く作られ、用途によってカットされます。

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フタは「巻きしめ」と呼ばれる外側が浮き上がってるものがほとんど。

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代表的なスパイラルの紙管。

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これはインドネシアにスタディツアーに訪れた際に見つけたスパイラルの紙管。海外からの観光客向けの商品(オーガニックのお茶)で、見た目は普通だけど中はかなり凝った作り。

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中のインロー部分を大きく見せてデザインされてる珍しいタイプ。スパイラルの基材の上から印刷した紙を貼合しています。見てわかるように、紙管は手間がかかる。その分コストも高い。ギフトでは、トムソン箱よりも高級感を出したい時やコレクション的な雰囲気が欲しい時に使ったりします。


基材に直接印刷する紙管

一般的には「紙管」というとプリングルスやチップスターなどを思い浮かべるかもしれません。単価が安いのになぜ?と思うかもしれませんが、これはスパイラルの基材に直接印刷してるから。それでも相当ロットが必要なことは想像できます。

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チップスター、フタは巻きしめ、かぶせ蓋。
本体はうっすらと右上がりの斜め線が入ってるのがわかります。潰しやすい底面は特許出願中なんですね。

ななめ

展開図はこの状態。基本的には、これをくるくるっと巻いて出来上がっています。

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貼り合わせ部分、aやrは若干ですがズレがあり、貼り合わせているのがわかります。裏側の表示部分は貼り合わせ部分を斜めに印刷を控えています。これだけのズレで収まって、製品として成立できるのは実はすごい技術。


紙管はどこで作られる?

紙管パッケージを作る印刷加工会社さんはそんなに多くありません。関西で有名なのは京都の鈴木松風堂さんや北摂にあるリョウエイさんあたり。

芯材であるスパイラルの製造メーカーさんはまた別です。ちょうど去年、大手の昭和丸筒さんに訪問する機会がありました。なんと紙管ミュージアムがあるのです!工業用芯からパッケージ商品まで、いろいろな紙管を見ることができます。

ちなみに、スパイラルの紙管の直径をオリジナルサイズで作りたい!というのは、よほどの大ロット商品でない限り、無理と考えて良いと思います。スパイラルの芯になるのは鉄の塊なので、それを新規に作るとなると何百万円という話になります。平巻き紙管ならもっとハードルは低いですが。


いろいろな紙管パッケージ

デザイン事務所勤務の時代に作ったチョコレートのパッケージ。20年近く前の商品なのでちょっと傷んでます。これ、平たい紙管ですがフタがフラットなんです。

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側面のスパイラルと天メンコ(天面)は、小口をボンドでくっつけているだけ。裏から、フタの厚みにボンドをべったり塗ってます。表には決してはみ出ないように。

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小口だけでくっつけるのも至難の技です。なんせ厚みは1mm程度。
こういう紙管にはなかなか巡り合えません。モロゾフさんの商品ですが、当時かなりチャレンジングなパッケージを多くされていましたね。

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フタも身も切りっぱなし。身の底面は巻きしめでした。


昨年のバレンタインに見つけたエスコヤマのこの紙管は、上記のような箱を芯にして、上から紙を貼った状態です。紙管の貼箱のような感じ。

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くるみ紙は天面と側面の2パーツ。

ギフトだと海苔なども紙管が多いですね。フタと底がプラや缶のものもあります。

四角いトムソン箱や貼箱に比べ圧倒的に少ない紙管。細長いとお茶、平たいとお菓子やチョコなどイメージも変わります。丸いだけで可愛さを感じて、なにかと魅力的に見えますね。



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