パワハラを受けたら読んでほしい
大切なことなので始めに伝えておきたい。もしあなたに対して、叱責や怒号、威圧といったプレッシャーを与える人がいたら、上司であれ家族であれ、いますぐに物理的な距離を取ってほしい。もしこれを読んでいるあなたが自分に自信を無くしているなら、責任を感じる必要はないし、あなたに落ち度は無いということを知ってほしい。
あなたに落ち度がないと確信を持って言える理由は以下のとおりだ。
根拠その1:大切なのは問題解決であって、犯人捜しは単なる職務怠慢だ。
例えば、確認漏れによるトラブルがあったとしよう。あなたは「確認しなかった自分が悪い」と考える。パワハラ上司は「確認しないお前が悪い」と咎め、上司の上司は「責任者のお前がきちんと監督してないのが悪い」と上司を責めたとする。一見どれも正解だ。しかし、何の解決にもなっていないのが分かるだろうか。注意していれば数週間は確認漏れが回避できるかもしれない。だが人間は機械ではない。時間がたてば忘れるし、慌てればミスをする。きっと同じ問題はまた発生するだろう。あるいは他の人が同じようなミスをするかもしれない。
トラブルは起こる。大切なのは、確認漏れがあったという事実に対し、どうやってそれを防ぐかという対策である。もしあなたに対しパワハラ上司が「お前が悪い」と言い続けるなら、その上司は、問題から目を逸らし、すり替える、職務怠慢な人間だから、そんな無責任な人間の言うことは間に受けなくて良い。
そして、自分も悪いところがあったと素直に反省ができるあなたは、とても出来た人間だから自分を褒めていい。ただし、ずっと反省する必要はない。大切なのは問題解決だ。ぜひ、あなたの経験を活かした解決策を提案してあげてほしい。
根拠その2:指導なんて単なる言い訳。後ろめたい加害者が自分を正当化しているだけだ。
逮捕された虐待加害者は揃いも揃って「しつけのつもりだった」という言い訳をするが、パワハラ加害者のいう「お前のためだ」「きつく言うのは指導だからだ」もこれと同じ単なる言い訳だ。
当たり前だが、指導や指摘に叱責や怒号は必要ない。普通の声のトーンで言えば伝わる。叱責や怒号は、自分の中で高まった感情をぶつけたい、相手を威圧したいという目的のための手段であり、指導や指摘とは全く別ものだ。そもそも指導とは導くものであり、指摘とは気付きを与えるものだからだ。
「お前のためだ。俺の言うことが素直に聞けないのか」というパワハラ上司の歪んだ言い訳であなたが萎縮しているなら、あなたは素直過ぎるほど相手の気持ちを受け取れているから、その素直さを誇っていいし、もしあなたがもやもやする気持ちを感じているなら、こんな言い訳、素直に聞けなくて当然だから気にしなくていい。
根拠その3:言い返せなくて当然だ。頭がわるい訳じゃない。
パワハラは叱責や怒号、侮蔑や無視だけではない。パワハラ加害者は、話しかけづらい雰囲気や表情、顔色、声のトーン、話す速度、ジェスチャー、視線など、非言語コミュニケーションを含むあらゆる方法でプレッシャーやストレスを与えてくる。被害を受けたあなたは、怒りを買わないようにしなければと更に緊張し、萎縮してしまう。そんなあなたを見て、調子に乗ったパワハラ加害者は「頭がわるい」「どんくさい」などと、悪意を持ってさらに追い込んでくるだろう。
頭が悪いなど全く見当違いな話しだ。人間はリラックスした状態でこそ力を発揮できる。力を発揮するためには、否定や拒絶のない「心理的安全性」が確保されている必要があるのだ。決してあなたに能力がない訳ではなく、あなたは言い返せないよう追い込まれているだけだから、見誤らないでほしい。
根拠その4:役職は単なる役割であって人間の器でも徳でもない。
そもそも社会的な肩書や評価なんて、評価した誰かの好き嫌いで決まる主観的なものだし、人が人を評価することに違和感しか感じないが、肩書なんて単なる区分であって人間の器でも徳でもない。しかし残念なことに、学歴社会、男尊女卑な日本では、会社に属し、肩書を持っただけで社会的に偉いと勘違いしているバカは多い。
あなたは、加害者が自分より立場が上だから言うことを聞かなければなんて思う必要はない。相手が誰であれ、尊重し、礼儀正しく応対できない者は、肩書云々の前に、理性を制御できない出来損ないだ。そんなやつの言うことなど真に受けなくて良い。
根拠を上げればきりはないが、パワハラやいじめは、相手を踏みにじり、痛めつける行為であって、正当化できることは何ひとつない。個人的にはレイプと同じ部類の犯罪だと思うので刑罰化してほしいし、被害者が増えないよう牢屋に入れておいてほしいと思う。
さいごに、大切なことなのでもう一度伝えておきたい。もしあなたに対して、叱責や怒号、威圧といったプレッシャーを与える人がいたら、上司であれ家族であれ、いますぐに物理的な距離を取ってほしい。解決策はそれしかないから。自分に自信を無くし落ち込んでいるなら、あなたに落ち度は無いということを知ってほしい。