江戸川Qの『ドローンを追う』#21
ドローンを追ってきて#20まで様々な記事を取り上げ、それらについて個人的な小さなコラムを書いてきました。それでここで少し自分なりの考えを纏めてみたいと思います。
ドローンの社会実装が早く行われそうな分野とは
物流分野におけるドローンの社会実装がやはり一番現実的ではないかと思います。
現在、国土交通省が運用のガイドラインを出したりするなど、また多くの場所や企業並びに行政主体で共同試験が行われています。
それらの共同試験の具体的な仮想課題として見つめる視線の先に有るのは「過疎」と思われます。そして「物流」により「過疎」により損なわれることのない「普遍的生活」を支えるという事がドローンの社会的実装の意義と現段階では言えるのではないでしょうか。
「過疎」というのはこれからの日本が抱える人口減少問題により引き起こされる国難的病気と言えるでしょう。
それは地方だけでは無く、都心部の隣接された地域においても穴あきの様に発生すると思われます。
ドローンはそれを解決するためのテクノロジー的医術手段の期待として、そして物流業界の24年問題も含んで、ドローンの活性化がそうした問題を解決できるという魔術的魅力を伴った一挙二鳥盗りのような未来的希望を現時点では我々に見せてくれているかもしれません。
だからこそ早期の社会的実装として期待的需要を生み出しており、期待に現れ、新しい航空産業もしくは空間産業として急速にビジネス価値を生み出しているのでしょうね。
然しながら、過度の期待的需要は現実を未来を破壊するかもしれません。
日々の記事を読むにおいても、ドローンの飛行ルートは今だ河川を中心としたエリアであり、また事実として輸送量も限られています。
故に実験を繰り返す物流分野での社会的実装が早いとしても、まだそれは幾分か先になると思われます。
それは同時にドローンポート、パイロット、法律等を含めたドローンに直結するコネクトストラクチャー整備も同時進行しなければならないという事を示唆しており、それらを各企業や行政が単発的に実験を行った結果を何処か実際の「過疎」地域で社会的モデルとしての事実研究といて組み込んでゆくような形にしなければ、リアルな形での「社会実装への導入」にはならないのかなと思います。
それまでにかかる「時間」と日本が抱え込んでいる「国難的病気」の進行、どちらが早く「未来」を覆うか。
それもまたこうしたドローン関連の記事を追うことで見えて来るのかもしれませんね。
今回は記事を追ってきて自分が感じていることを少し纏めてみました。
文:江戸川Q