2024年リリース 邦楽 個人的ランキングTOP15

 Spotifyに、「New Music Wednesday」という、毎週水曜日に更新されるプレイリストがある。そこでは、その1週間の間にリリースされた様々なジャンルの曲(基本的に邦楽中心、洋楽ちょこっと)が、7,80曲ほど並ぶ。意外と知られていないリストらしい。
 さて、私は去年1年間、できる限り(8,9割くらい)そのリストを聴き回し、その都度日本TOP50のランキングもチェックしながら、2024年の音楽シーンを追った。
 アップテンポに偏った、個人的好みになるが、これだけは聴いてほしい! という15曲を選んでみた。むしろ、この15曲さえ聴けば邦楽最先端に追いついたも同然、と言えるような曲たちを選んだ。(過言)
 できるだけ、同じアーティストは出ても2回、そしてヒットチャートだけ追っていては出逢えないような楽曲を集めた。
 それではいこう。


15.「紛い者」TOOBOE,楠木ともり

 TOOBOEさんのメジャー1stアルバム「Stupid dog」に収録されている1曲。彼の楽曲でデュエットというのは珍しく(いや、これまで無い……?)、それでいて個性が失われていない。個人的なドラマチックが終わった後にこのイントロを流すと、何か大きな仕事をやり遂げたような、そんな爽快感がある。


14.「出走」Hello Sleepwalkers

 ジャケット写真が馬なように、まさに馬が力強く走っていくようなリズムで織りなされる楽曲。一歩間違えば、疾走感が失われそうなリズムなはずが、そのサビの高揚は唯一無二。


13.「GLORY」Are Square

 まず、ギターの音がカッコいい。他の楽曲でも、確かギターイントロがバズっていたバンドた。透き通るようでいて、どこか力強さのあるボーカルも素晴らしい。展開にも緩急があり飽きない1曲となっている。


12.「有象無象」Lavt

 Lavtさんはおそらくこれから更に人気になっていきそうなアーティストだと思われる。他の曲も良いが、この曲のまず心を抉ってくるような重低音ベース。リフレインをそのまま、飾りつけしながらサビの怒りへ上げていく。その中毒性。


11.「ダンス・デカダンス」Chevon

 カラオケで歌いたいが、男性にはなかなか歌えない。この高低音を使いこなすボーカル率いるChevonの、最高傑作と言えよう。歌詞も現代の若者に刺さるものを絶えず届けている。波に乗っているバンドである。


10.「ビビデバ」星街すいせい

 有名どこに行ったが、今年はこの楽曲は外せない。楽曲提供者はツミキさん。やはりな、と。現代JPOPのお手本、教科書になるような要素が詰まった1曲な気がする。気がつくと、自然と身体が踊り出している。


9.「上書きしちゃった」キタニタツヤ,なとり

 ふと我に返ると、よく歌詞のどろどろさとこのロックを組み合わせようと思ったなあと。これほどミスマッチなのも珍しい気がする。サビの上ずる声なども新しい。「いらないもの」とも悩んだが、こちらの楽曲の方が攻めていて良いと感じた。


8.「GAME」9Lana

 歌声を多彩に使えるのは、Adoだけではない! その流れるように移り変わるボーカルのテクニックと、浮遊感のある曲の絶妙なバランス。どことなく哀愁も漂い、何度でも聴きたくなる1曲。今後注目したいアーティストである。


7.「ライツオフ(feat.なとり)」TAKU INOUE

 ジャズサウンドとJPOPの融合。途中のピアノソロ、アウトロも、不思議と聴けてしまう。なとりさんの歌声も曲の雰囲気とマッチしていて、この曲でしか摂取できない栄養がある。


6.「Value」Ado

 Adoさんは、進化しながらまだ前線を広げ走っている。先程名前を少し挙げたが、こんな曲が出されたらお手上げだ。最近、イマジン・ドラゴンズともコラボしていたが、何が起きている? ひとまず、この「Value」は今までのAdoらしさから芸術性へ翔び立った1曲となっている。


5.「スパゲティ」小林私

 詩的センス溢れる歌詞を、身体的に自然な流れで歌い上げていく。もう、AメロBメロサビといった典型的な流れは古い、と、この曲を聴いていると感じる。海への旅を希求しながらも、生活にとどまろうとする、そんな世界観も非常に好きである。


4.「Persona」go!go!vanillas

 とにかく明るい安村ボイスからは想像のつかないほどのカッコよさ。先程の「スパゲティ」同様、この楽曲も二段構えのサビという捻った構成を取っており、しかもちゃんと二段目の方が決まってるのである。ライブであればブチ上がり間違いなし。


3.「OVERTIME」春野

 失恋のあと、夜の布団の中で聴いてはいけない曲第1位。ギターとピアノが混ざったような、エレクトーンな音で奏でられるイントロが、遡行したくてもできないもどかしいメロディを表している。この方も、今後注目したいアーティストの1人だ。


2.「デッドエンド」Enfants

 こちらも、シームレスに盛り上がりへと向かう独特な1曲。「有象無象」同様、特徴的なベースリフレインに、怠惰でありつつも自省的な、切実な感情を歌に乗せてくる。この「Enfants(子供たち)」というバンド名も好きである。


1.「ムジナ」4na

 曲全体が、人間の深層に潜っていくような壮大さを纏っている。それは、イントロの空間の響き方から、囁き諭すようなボーカルの入り、Bメロの、葛藤とも取れるリズム難、サビのカタルシスといった具合に、完璧と言っていいほど貫かれている。圧巻。

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 この他にも名曲は沢山リリースされた1年であった。2025年も、引き続きシーンを追っていきたい。もしも好評ならば、この個人的調査は2023年から始めているので、そちらもいつか投稿するかもしれない。
 各々の音楽ライフに幸あれ。


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