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外交官は大使館でどのような仕事をしているの?

海外で勤務するためには、日本企業の海外支社での勤務、大使館、JICA、外資系企業、NGO、青年海外協力隊等の様々な職業がありますが、国際機関で勤務する上で、海外での勤務経験はとても重要になります。

様々な国籍の人々と共に働くことで、語学面のみならず、文化の違いや仕事の進め方・スピード感に慣れることができ、貴重な経験を積むことができます。

今回は、過去に外交官として日本大使館で6年以上勤務した経験を踏まえて、日本大使館での勤務の様子について、自分の経験に基づいて記載したいと思います。

外務省・大使館でのキャリアに関心のある方々の参考になると幸いです。

1 日本大使館での勤務

先ず、日本大使館での勤務といっても、様々なポジションがあります。
(1)書記官(外務省のプロパー職員や他省庁から出向のアタッシェ)
(2)専門調査員
(3)経済協力調整員
(4)草の根外部委嘱員
(5)派遣員

このうち、所謂「外交官」として勤務することになるのは、(1)の書記官のみです。
ランクによって、高い順から、大使→公使→参事官→一等書記官→二等書記官→三等書記官となります。

国際機関で勤務する上で経験を活かしやすいのは(1)~(4)となりますので、それぞれ業務内容を簡単に見てみたいと思います。

(1)書記官
私は、三等~二等書記官として、2つの大使館で6年以上勤務しました。
書記官の業務といっても、所属する班や大使館の規模によって大きく変わります。

例えば、大きな大使館では人員が多いため、各書記官の役割が決まっています。
このため、若手の書記官は、大使の秘書業務を行う儀典、総務班、政務班、経済班、広報文化班等の班に配属となり(複数班を併任することもあります)、各班の業務を行うことになります。

一方で、小規模交換では、館員の人数に限りがあるため、若手であっても、様々な業務に広く携わることができます。

詳細な業務内容については別の機会に記載したいと思いますが、今回は書記官の大まかな業務の中で、国際機関に関連すると思われる政務及び開発協力に関する業務の一部について記載します(機微な情報の記載は差し控えます)。


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