日航機事故～ペットは大切な家族という人へ～

日航機の事故で、貨物室に預けられたペットが助からなかったことで論争が起こっていますね。

私もペットを『モノ』として扱うことには違和感があります。
例えば誰かに傷つけられた場合、人間なら『傷害罪』なのにペットは『器物損壊罪』となります。
命のあるものと、無機物である建物や車などの『モノ』が同じというのは違うんじゃないか。
ペットだって傷ついたら痛いし、怖いし、血だって出る。そういうところは人間に近いと思います。

だからといって、人間と同じなのかと言われると、それも違う。
こんなことを言うと「ペットは家族だ！だから人間と同じだ！」と言う人が必ず現れるけれど、本当にそうですか？

今回の場合、飛行機にペットを乗せる場合は貨物室に預けるしかなく、残念ながら火災で助からなかった。
では、機内に持ち込みだったら助かったのか？といえば、手荷物は持って避難出来ない決まりなので、やはり助からなかったでしょう。
目の前でペットに別れを告げるというのも、それはそれで残酷なことです。
中にはそれで避難が遅れる場合もあるでしょうし、「じゃあ一緒に機内に残る！」と言い出す人もいるかもしれません。

仮に機内にペットを持ち込み可能で、避難も一緒に出来たとしてペットがパニックを起こしたら、どうするのでしょうか。
普段大人しい子だとしても、緊急時にも大人しくいられる保障はありませんね。暴れて他人を傷つけたり、避難の邪魔になるかもしれません。
今回の事故で乗客が全員避難出来たのは、乗務員の誘導で乗客がパニックを起こさず、手荷物を持たずに速やかに脱出したからです。

手荷物を持たずに脱出するのは、脱出用のシューターを傷つけないためでもあります。
もし、ペットの爪や牙、またはケージで脱出用シューターを傷つけてしまったら？

ペットは家族、だから機内に持ち込みたい、避難するときも一緒にという方はもう一度考えて欲しい。
あなたの大切な家族（人間）が、誰かの大切な家族（ペット）のために逃げ遅れたり、最悪亡くなってしまっても「仕方ないよね。大切な家族（ペット）のためだものね」と言えるのかどうか。

私は言えません。
だから私はペットの機内持ち込みも、万が一の時に一緒に避難出来るというシステムの構築にも反対です。
貨物室であろうと客室であろうと、飛行機にはペットは乗せない。それがベストだと思っています。