『アップサイクル! ぼくらの明日のために』佐藤まどか作
社会科の夏休みの課題をグループで考えていくのだが、全く説明くささを感じさせないまま、
読者の知識や世界が広がっていく。それは、魅力的なキャラクター造詣と、ぽんぽん弾むテンポのいい会話で成り立っているから。
普通の公立中では、なかなかここまでのことができる子も、それを受け止める先生の余裕もないだろうけれど、学びの本質は、こういうことなんだろうと思う。
ちょっとした事件も起こるのだが、その時の対応と言葉を、なにかといえば、すぐに双方に謝らせて握手させるような、典型的なダメなやり方をさせる大人に読ませてやりたくなった。
そして、大人のひとりとしては、未来を任せられないような社会で、国で、ごめんとうなだれるしかない。せめて、だから、この本を学校図書館で薦めさせてもらう。
#NetGalleyJP #読了 #アップサイクル