陶器で新聞を作る!?「三島喜美代」展
今日は雨が若干気になるところですが、練馬区立美術館の方に行ってきました。個人的に西武線沿線は近くて遠いところのイメージ。ジオ関係でもいずれ来たいですね。
ということで今回は「三島喜美代―未来への記憶」へ行ってきました。作品の特徴としては新聞や実在のものを陶器で表現するという方で見た目からはまるで本物のように思えます。
その一方で初期作品はコラージュの作品が多く、気になったところでは後に新たな形として消化する「繰り返し」というパターンがとても興味深かったです。
初期の作品の中で特に個人的にぐっと来たのはこの競馬の馬券と情報シート?をひたすら貼ったもの。規則的な中に一つ一つのドラマがあるのはなんだかとてもおもしろかったです。
さてそこから10年後、彼女の特に有名な陶器✕新聞という形に行き着きます。これらの作品は情報に対して安定しているようでもろいという「情報の化石化」という表現を彼女は表現していましたが、個人的にはそれが時として止まっているもののように感じました。
また後半のポイントでは実際にこれらの作品を触ることができるコーナーがあり、触ってみると思ったよりも重く感じました。
これらから思うのは情報というのはもろいけども一つ一つの情報は思っているよりも重要というか濃いものなのかもしれません。昨今情報が溢れすぎている世の中で気づかないかもしれませんが、情報に対しての新しい視点を得たような気がします。
そして最後にあったのは「20世紀の記憶」というインスタレーション。一方向の視点からしかスペースの都合上見ることしかできませんが、2000年のものからそれよりも古いものまで多くの情報(記憶)がそこにはありました。
またレンガという素材がどこか退廃的というか取り残された印象を受け、時が止まっている用に感じましたね。この記憶を次の世紀にどう活かすのか、あるいは固定されたまま忘れ去られていくのか。20年以上たった今改めて考えることになりそうです。
と、そんな感じで見てきた三島喜美代の作品展でした。最初陶器で似せて作ることにどんな意味があるかと思ってみましたが、テーマも含めて本当おもしろかったです。