ドイツ語の本を読んだ
ツイッターで偶然見かけた映像を理解したくて読み始めた本、ゾフィー・ショルの伝記。ドイツに長年住んでいるけれど戦争の歴史などには疎い私ですが最後まで興味深く読み進める事ができました。ドイツ語で本を読むというのはもの凄くエネルギーを使うので普段は全く気が向かずやらないのでとりあず読了できた自分を褒めたいと思います。ふふふ。
何故ゾフィーにそれほど興味を持ったかというと、ドイツのコロナの政策に反対する集会での出来事がキッカケなのです。それを見たのはツイッター上で流れた動画。反対演説をする若い女の子が「自分もゾフィー・ショルの様に政府の政策に反対し、ビラを配ったり集会参加に申し込んだりしています。彼女になったかの様な気持ちです!」と語り出しました。そこへその集会の警備に当たっていたこれもまた若い男の子が「何バカな事を言ってんだ!。それはホロコーストに対しての軽視だぞ!お前みたいな奴を守るために警備なんかやってられるか!」と叫び出し、演説していた女の子が泣きながら舞台を去る、というシーンが映されていました。私には何の事だか理解できなかった。ゾフィーって誰? なんで二人ともそんなに感情的になってるの? ついていけない!頭の中に何故か大量のクエスチョンマークが浮かんだのです。周りの人に尋ねてみたけれどイマイチその状況について説明できる人がいなかったので自分で本を読んでみようと思ったのでした。
ユダヤ人の虐待、強制収容所での出来事、ガス室などのワードは知っていたし、偶然強制収容所を生き延びた人の体験記も読んだところでした。でもナチスドイツ時代にドイツ人のナチスに抵抗するグループがあったは全く知識としてありませんでした。戦争で無駄に人が命を落とさない様に彼らもまた命をかけて政府に抵抗し、そこでもたくさんの人たちが処刑という形で消されていったという歴史。戦後その事実を隠蔽するために資料は処理されてしまったので実際にどのくらいの人々が活動していたのか、個人名や活動内容も分からない部分が多いそうです。
ここからまた歴史への興味が膨らんで知りたい事が沢山出てきました。また何かの機会にドイツ語の本を読む気になるかもしれないなと、思っています。そして母国語で本を読めるという有難さも身に染みます。本を読むというのは自分が使っている言語を綺麗にしてくれる、整えてくれる感じがします。自分が口にしたり書いたりする言葉を丁寧に使える様な気がしてきます。
ゾフィー・ショルの伝記は久しぶりに読み切った後淋しさを感じた本でした。またこういう本にも巡り会いたいな! Schluss. (おしまい)Jetzt werde ich etwas tun. (今から何かするつもり)