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Mamiya6の修理

もう当面の間、新しくカメラを買うまい。
そうだ、もう十分色々なカメラ持ってて遊んでるじゃないか。もう新しいカメラなんて買う必要がー

というワケで、我が家に新しくMamiya6がやってきました。
ヤフオクで見つけた子で、おそらくは1954年ごろに発売のMamiya-6 K型かと思います。ちょうど70歳、古希のカメラです。

ちなみに到着時点での症状は
・蓋が開かずレンズを出せない=撮影不可
・貼り革は劣化してパリパリボロボロ
・ファインダー部分は結構汚れあり
・レンズ、シャッターの状態は不明
という状況

ひとまずは蓋が開くようにしてあげないと、その他の動作確認や調整どころのハナシじゃありません。

「多分このボタン押し込んだら開くんじゃないかな」というボタンはありますが、これが見事にビクともしません。

「Mamiya-6」の右にある丸ボタンがロック解除ボタンです

全力で押し込んでも一切動かないので、これひょっとしたら本来動かないパーツなんじゃないか、と思えるほどでした。

なので、とりあえず軍艦部分を外して中身を確認したところ、このボタンによって押し込まれる棒と本体が錆びついて、完全に固着した状態でした。

バーを引っこ抜いたところです

なので、まずはクレ556を少量塗布して様子を見ましたが一切動かず。
最後の手段にと、バーをバーナーで加熱してからペンチで強引に引っこ抜いたところ、なんとか抜けました。

2mmの精密ドリルで穴を整えます

錆びついた棒を金属用の紙ヤスリで磨いてサビを落とし、穴もサビで歪んでましたのでドリルで整えます。
この対処で無事にロックが解除出来るようになり、蓋も開くようになりました。

蛇腹の状態は悪くなさそう

晴れてレンズが引き出されましたので、次はメカ部分の動作確認。
絞りの変更は問題なく行えましたので、次はシャッター部分の確認。
実際にチャージ→シャッターの動作を、シャッタースピードダイヤルの値を変えながら繰り返しましたが、どうも1/100秒から一切変わらない様子。

あぁこれはスローガバーナーとか、スピード調整のピンがまともに動いてないな、と判断し、レンズのクリーニングも兼ねてバラします。

前玉を外した状態。ここから押さえの環状ネジを外し、プレートを外します

おそらく蓋が開かない状態で結構な時間保管されていたのだと思います。
レンズとシャッター部分は思ったより綺麗です。
プレートとシャッタースピード調整環を外して、レンズシャッター機構を確認します。

内部は特にサビもなくきれいな状態。

この状態で何度かシャッターを動かしてみたら、やはりスローガバナーを連動させる部分が固着して動いてませんでした。
エタノールを1~2滴ほど垂らして少し時間を置いてから、何度かシャッターを操作して動作をチェックします。

20回ほどシャッターを動かしたところ、無事に速度も変化するようになり、スローガバナーもきちんと動作するようになりました。
ちなみに、レンズシャッター内部、時計の針で言うと6時~8時位の部分にあるのはセルフタイマーのためのスローガバナーです。
こちらも動作がガチガチでしたので、エタノールで洗浄して12~15秒くらいでシャッターが切れるになりました。

ついでのフラッシュ用のX接点の動作もチェックしましたが、手持ちのフラッシュを問題なく点灯させられましたので、こちらも問題なさそうです。

レンズも酷いくもりなどはなく、軽いクリーニングでキレイな状態に。
ただ、後玉の一部には軽いくもりが残りましたので、写りへの影響はゼロではないと思います。

マミヤの前身、世田谷光機と銘打たれたSEKOR、75mm F3.5のレンズです。

蛇腹の状態については、蛇腹を伸ばした状態でLEDライトで照らしてみて特に漏れや穴などもなさそうでした。
あとは、明るくなってから無限遠が出てるかの確認をするくらい。

以上のメンテナンスで、「おそらくは完動品と言って差し支えないであろう」という状態になりました。
残りは、メンテナンス中にポロポロと剥がれてしまった貼り革をどうにかしてやるのと、あとは革ケースを作り直してやろうかなと思います。

貼り革が数か所剥がれちゃいました…

珍しいバックフォーカス(※レンズを前後に動かすのではなく、カメラ本体内でフィルムを前後に動かす方式)のスプリングカメラで、今も銘機として愛用される方が多いMamiya-6。
前々から気になっていた機種ではあったんですが、今回運良く手に入れることが出来、またちゃんと修理してあげることが出来ました。

ウチのマミヤ家の一員となったこちらのMamiya-6君、今度早速フィルム入れてテスト撮影してみようと思います。

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