(無料で見られます)米国オンライン学習サイトでジャズ作曲のミニ・レッスン!
石の上にも三年とか、桃栗三年柿八年とか「一つのことを成し遂げるには、ある程度の年数が掛かるから、辛抱強くやるのじゃぞ!」というおコトバって、日本に色々ありますよね。
私はそこに「米国ジャズ10年」を付け足したいです笑。
今年わたしは、NYに引っ越してきて10年目。
いろいろありましたが、やっと、ジャズ作曲家として審査員をしたり、専門家の集まりでレクチャーしたり、そんな機会が激増しています。
先日も、世界のジャズ作曲家によるレクチャーが聴けるサブスクサイト「JazzComposersPresent」からご依頼が。とても嬉しい!
まずは無料のミニ・レッスンがYouTubeにアップされました。
有料会員になると、本当に世界中のプロジャズ作曲家の講義が聴けますので、ジャズのプロの方も、本気のアマチュアの方も、皆様是非有料会員になってみてくださいね。7月には私のトークも放送されます。
日本のジャズ作曲は40年くらいアメリカから遅れてしまっています。本気で勉強したい方は、是非気合を入れて海外の情報を得てください。留学は為替の変化もあって大変ですが、英語で現地の講義を聞くのが一番コスパが良いと思いますよ!
さて、私のミニレッスンですが、日本語訳を作りましたので、どうぞ訳を見ながらご覧になってくださいね〜!
ではレッツゴー!
(日本語訳)
「レイヤード・ハーモニック・バック・グラウンド」・・・これは「レイヤー状のハーモニーによる、バックグラウンド」という意味で、主にソロのバックとして使うのにオススメのテクニックの名前です。
具体的には
2つ以上の異なるコードを、共通の音(コモントーン)で繋いで、長いラインを形成する手法のことです。
このテクニックを使うと、ハーモニックリズムだけ見るとゆっくりした展開の場合であっても、より刺激的に聞こえさせることができ、クライマックスへのカーブ(盛り上げ)もきれいに作れます。最大音量に向かってたっぷり時間をかけて盛り上げたいときに使うのがオススメです。
これは、私がメンター・師匠としてお世話になっているJim McNeely先生の曲の中によく出てくるテクニックで、私はこれが大好きなので、名前をつけて、3年間、自分の作曲に使ってみました。3年後やっと、その使い方を自分なりにマスターすることができて、今ではよく使うテクニックの一つになりました。
私はオリジナル曲「Colorful」の、クインシン・ナチョフの素晴らしいテナーサックス・ソロの背景にこのテクニックを使用しました。この譜面のように聞こえる箇所です。一緒に聴いてみましょう。
このような「待って、待って、やっと爆発!!」という効果を出すためには、大事なことが2つあります。
1つ目はメロディとハーモニーを、このテクニックを使用する前提で、最初から慎重に選ぶことです。
創作の初期段階から、このテクニックを使うことを念頭に置き、美しいメロディーを作ることができる共通の音色でコード進行を作りましょう。テンションと3rdや7thのバランスをうまく取ることをお勧めします。
テンションも重要ですが、コード進行を識別するための「安定した」音も必要ですからね。この例では、最初のコードの9thと13thが、次のコードで3rdと7thになります。
2つ目は、最初はシンプルであまり味のない音程を選ぶようにして、後でもっと面白い音を追加できるように、計画的にメロディを作ること。この事例では、最初のラインはパーフェクト5thと4thだけです。味気ないんですが、わざとこうしています。
同じ部分をビッグバンドのスコアつきで聴いてみましょう。私がこのテクニックを、どのように実際のアンサンブルに入れたかが、分かると思います。
このテクニックは、リズミックでパーカッシブな音形と組み合わせると、さらに面白いサウンドになります。
この例は、同じ曲のColorfulの、少し手前の部分からの引用です。
テナーサックスのソロの始まりでは、バックグラウンドに短い音を使い、その後このテクニックを使って長い音を並べ、そしてまた短い音に戻しています。一緒に聴いてみましょう。
このテクニックは、クライマックスにつながる長い盛り上がりの部分を作るのにとても有効です。試してみる時は、しっかり前もって計画して、良いコードと音を選んで作ってみてくださいね。私はこのテクニックが大好きでして、皆さんも、好きになってくださったら嬉しく思います。ありがとうございました!
楽しんでいただけたかしら…マニアックすぎたかしらとやや不安ですが … こういう情報もまたアップしてまいります!!
みぎわ