暑中お見舞い 〜 居眠りのすすめ
今年は春のうちから胸の中から腕に向かう気の流れが激しかったうえに、5月の末には記録的な暑さも経験し、6月下旬〜7月の蒸し蒸しの猛暑で、すでに”夏バテ”傾向です。
昨年の夏も大変暑く、8月の後半には胸に熱がこもって固まった状態(=夏バテ)になり、胸をゆるめて放熱したいのに、一生懸命全身をゆるめようとしている割に頭や骨盤はゆるんでも胸だけが固いまま取り残されるというパターンが多く見られました。
今季は同じような状況が6月下旬からすでに見られています。
寝苦しく、頭がぼーっとして眼が疲れやすい、身体が重い、やる気が起きないといった感じです。
整体の現場での観察では、胸をゆるめていくと自動的に、頭も骨盤も逆に引き締まってきます。身体の表面は涼しくなり、お腹の中は温かくなります。
自分でできる一番シンプルな胸のゆるめ方は腰掛けたまま”居眠り”することです。昼ごはんを食べた後など眠くなったときに、横になって眠るよりも座ったまま居眠りした方が胸がよくゆるみます。
背もたれに寄りかかって眠っても、テーブルに突っ伏して眠ってもどちらでもOKです。
眠っているあいだ夏はとくに胸がみずからゆるんで胸の中にこもっていた熱が放熱しようとします。ところが「寝苦しい」ということは、胸があまりに固くなってしまってなかなか充分にゆるむことができず、むしろ胸が熱苦しく感じてしまうのです。
”居眠り”で予め胸をゆるめておけば、横になって眠るときにも、より放熱しやすくなり眠りが深くなります。
酷暑の中、昼寝はとくに切実な欲求です。横になるよりも、積極的に”居眠り”するのがおすすめです。
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ふらんす堂の山岡喜美子さんに”昼寝”は夏の季語だと教えていただきました。
身体感覚の機微・深みが感じられる句です(『季語別鷹俳句集』より)
足の裏ひらく昼寝の深みにて
石田 よし宏(S45.9)
あしゆびに淡き昂り昼寝覚め
辻内 京子 (H30.10)
胸がゆるむと、”足の裏”も”あしゆび”も、足裏のツボ=湧泉を中心に開かれてのびやかに発散するのです。
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