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【リアル】座敷童が現代機器を使って干渉してくる【クセ強】

 エッセイ書き出してから、サユリの出没頻度が高い。思いの外、目立ちたがり屋なようだ。

 そんなタイプには見えなかったので、かなり驚きである。

 いや、そうでもないか。一応「座敷童子」ということにしているが、やっていることはポルターガイストとほぼ同じである。

 なぜ座敷童子なのかというと、出没したその年は様々な幸運が舞い込んだからだ。

 クジを引けば大抵1.2等、応募者サービスはほぼ当たる。人気絶頂期だったバンドの生サインが当たった時は、おとぎ話の紛れもない再現に、全俺が沸いた。家族も沸いた。親戚はまだ引いていた。

 忘れてならないことだが、全て過去の栄光である。


 そういえば、最近ダイエットを始めた。座敷童子でも亀でもなく私の話である。

 元々20キロ減のダイエット経験者なので、知識は問題なかった。急激なリバウンドではなく、ゆるゆると5.6年かけて10キロ戻ったのだ。

 細く在ることに飽きた結果の怠惰なのだが、最近ふとダイエットブームが再燃。現在、1ヶ月で2キロ痩せている。

 ざっくりだが説明すると、食事は以前のダイエットと大きくは変えずに「タンパク質:脂質:糖質を3:2:5くらいで摂る」「夜に食べたくなってしまうので、朝昼は低カロリーメニューで固定しておく」くらい。

 大きく変えたのは運動である。以前のような「毎日3キロランニング」というのが精神的に続かなくなったため、「1日3回ソーラン節」に変えてみた。



 文章だけだとちょっとアホっぽい感が否めないが、これが想像以上に効くのである。
 
 まず、踊りを既に覚えているのでハードルが低い。地域差だったら申し訳ないのだが、私は学生時代(小6と中3)、授業の一環でソーラン節を踊っていた。しかもガチ勢だった。

 昼休みには友人たちと「ハイ!ハイ!!」と叫び喚き、校舎を揺らさんと……あわよくば壊さんといわんばかりに踊り跳ねた。もちろん家でも自主練した(正確には庭や公園だ。あのテンションで室内で踊る許可が下りるわけがなかった)。おかげで中3の発表会ではセンターだったか最前だったかを務めているほどだ。

 また改めて踊って痛感したが、下半身の筋肉をゴリゴリに使う。ダイエット初日は筋肉痛を通り越し、ふくらはぎの筋繊維みたいなのがブチブチ逝っているのを感じた。実際は知らないが。

 また、流行りのHIITをちょっくら真似ているつもりだ。テレビやらYouTubeやらで観たことがあるが、激しく動いてちょっと休んで、またやって……というのが効くようで。

 (これってソーラン節にも生かせるのでは)と思い、1曲が約3分なので、1曲踊ったら1分休憩という1セットにしてみている。

 まだ結果が出ているとは言い難い現状なので、続報をお待ちいただきたい。途中結果や身体肉体的ストレスは非常に良好である。



 さて、いくら順調といっても飽きは来る。秋はすぐ去ってしまったのに、こっちは対策を打たないと延々と居座るのが厄介だ。

 帰宅後に踊るルーティーンとしているが、一度でも座ってしまうとアウトである。「フーッ」と一息つけば右手がスマホを探し、タップするはピンクのアイツ、Instagram。お笑い系の投稿なんて目にしようものなら、そのままその投稿を追っていくらでも時間は溶けるのだ。

 ここで話が戻るのだが、こんな時にケツを引っぱたいてくれる奴がいる。サユリだ(理由は不明)。

 私がダイエットを始めたのをきっかけにか、新たな技を生み出したのである。奴は私がインスタを見ていると、ケータイを室内に置いてあるBluetoothイヤホンと勝手に接続させ、音声を消してくるようになったのだ。嘘だろ……?

 確かにこのイヤホン、型は古いし安かった。もう4年は使っている計算になる。不調が出てもおかしくはないのだが、不調が出るのは決まってこのタイミングなのである。もちろんBluetoothを一旦切れば解決するため、ここでしゃーなしと重い腰を上げるのが定例となってしまう。慣れるなよ私。



 まぁ結果的には助かっているわけで、あまりサユリを責められない自分がいる。向こうも気まぐれなので、毎回やられているわけではない……いや私が習慣付いてしまっただけか?ちょっと定かではないな……。

 先ほどソーラン節は学生時代にやっていたと書いたが、よく考えればサユリとの出会いもそれくらいだった気がする。中学なのは確かだ。

 もしかすると、あっちも懐かしい気持ちになっているのかもしれない。いままで色んな運動に手を出してみたが、ここまで干渉されたのは初めてだ。自分のために始めたソーラン節だったが、喜んで(?)くれる人(?)がいるなら続けていきたい所存だ。

 ちなみに、日々活動的になる私たちに対し、麗(←カメ)は元気がない。カメは変温動物なので、冬は寒くて動けないのだ。オラたちのパワーを分けてあげたいので、サユリはこっちにも協力してほしい。

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