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【詩のようなもの】冬生まれ
暗くてこわくて
冷たさが突き刺さる
早朝の冬を行く
誰かが作った雪道は駅へと続いている
靴先だけをひたすら見つめ
転ばないように凍結も見極め慎重に
よそ見 よそ事考えたら危ないな
──たとえばこんなこと
会えないと弱気になって
あの人以外 頭に浮かばない
そんな季節は確かにあった
未熟な強がりで
リセットしたつもりでいたけど
会えたらいいのに
──ほら
自分ではどうにもできない氷道の攻撃
足払い 躓き 転倒!
無言で追い越していく人よありがとう
ゆっくり立ち上がり服についた雪を払う
息を吸って 吐いて
スー ハー 数えきれない息が白くなる
転んだ痛みで涙が浮かぶ
日常のおまけのような時間
自分の生を再び感じ 冬を行く