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KLにて
皆様元気に過ごしておりますでしょうか?
お久しぶりです。
私は今、弟と共にマレーシアはクアラルンプールに来ております。
目的は当然、来月14日から始まる第40回全日本武術太極拳選手権大会に向けての強化訓練です。
社会人になった今、こんな長期の海外遠征に行けるとは思ってもいませんでした。
支えてくれた家族、長期の離脱でも力強く送り出してくれた会社の方々に感謝を。
おかげで頑張れております。
なぜKLにこのタイミングで行くことになったのかは諸々の事情もあり、長くなりますのでまたの機会に…
今回は自選難度6年目の自分が海外遠征で感じたことをまとめていきたいと思います。
環境について
暑いです。
暑いなんてレベルじゃないです。
体感40℃超え?実際の気温は30℃〜35℃前後だと思いますが、とにかく湿度が高く、日本の夏と比較しても異質の暑さです。
さすが赤道近くの南国…
暑さばかりはさすがに慣れません。汗が想定していた倍以上でてきます。
サウナ好きとしてはトレーニングセンター付近に水風呂が欲しいところ…
極め付けに私達が拠点を置いているクアラルンプールの武術チームには冷房機器が常設されていません。これが今回一番辛いかも、、
トレーニングセンターに徒歩で向かうまでに汗をかき、ウォーミングアップで大汗をかき、練習でも滝汗をかく…
外が常に蒸し暑いので外を歩いている人々が常に汗をかいていて、自身の汗臭さを気にしなくて済むのが唯一の救いです。
(ちなみに運動量及び新陳代謝の変動で激痩せしました。)
そして食事はと言うと、残念ながらマレーシアは私の口に合うものが非常に少ない国です。エスニック系の料理及びスパイシーな料理をそもそも好まないので、食べられるのですが日常的に摂取したくはないかな…という感じ。
マレーシアの武術チームのみんなは大変親切で、いろいろなお店に連れて行ってくれます(そもそも親日国なので武術関係者以外も親切な人が多い)が、美味しい!と感じたもののほとんどは場所が遠かったり値段が高かったり…
美味しいものは現地の中国料理ですね。
中華は偉大…
あらためて日本はご飯が美味しい国なんだなあと。
練習について
肝心の競技練習ですが、こちらは文句無いです。
さすがプロの選手を抱える強豪。
私達を直に指導してくれる林先生も、競技武術への深い理解を持って熱血指導をしてくれます。
そして課せられるメニューがシンプルかつハード。
基礎練を徹底的にやったかと思えばシンプルな難度構成の練習も同じく徹底的に行い、通し練習の合間にも細かいメニューをiPadに記録して選手たちに課します。
ここまで競技武術に特化したコーチングができる人は日本にはなかなかいない印象です。
そんな練習の日々で、私が今回感じたテーマを今回コピーライティングしてみました。
それは、
「恒常的であるということ」
当たり前ですが、トレーニングを行う、競技練習を行う、試合に出る、結果を残す。これらの競技活動はプロの選手たちにとっては「日常」です。
競技練習においてどんなメニューをやるにしても、プロ選手達は常に一定のモチベーション、一定のパフォーマンスを維持し続ける義務があります。
この「義務」というのが重要で、私を含め日本のアマチュア選手達にはこの義務は厳格に存在しません。当たり前ですがこの違いは金銭が発生するプロ契約に基づくものであると言えます。
だから私達アマチュア選手達が守らなければならない規則や原則はあっても、「武術太極拳をする」という根幹はあくまで我々が自主的に行なっている活動に過ぎず、そこを強制されることはありません。
つまり簡単に行ってしまえば全ては私達の気持ち次第です。
しかし「プロ」となると話は違います。
プロとなり、金銭の発生する契約を結んでいる以上は競技活動は契約上の義務であり、遂行しなければ対価は支払われません。
「練習をがんばる」「試合で結果を残す」そんなことは当たり前で、この意識こそが彼らをプロ選手たらしめ、私達が気合を入れて臨んでいる競技活動を恒常的なものとして位置付けているのです。
それが何をもたらすか。前述した通り一番はモチベーション及びパフォーマンスの安定です。
パフォーマンスの安定において練習量は欠かせません。もちろん徹底的に競技が生活に溶け込んでいる以上、練習量も私達とは比較になりませんが、それよりも彼らにはハードなトレーニングを「いつものこと」として的確に処理し続ける心の強さがあると感じました。
そして、アスリートにとってメンタルからくる集中力のブレは大敵です。
どんなに鍛錬を積んでいても、本番の緊張で集中力がブレてしまっては実力を発揮することはできません。それは失敗、または怪我につながります。
ついつい「頑張ってしまう」私達と比べ、競技活動全般における恒常性が非常に高い彼らは、集中のブレが格段に少ないと感じます。
頑張ろうという意識が良くないという話ではなく、この意識が土壇場での過剰な力みとなる可能性があるという話です。
(そもそも練習自体に「頑張る」という意識がありすぎるのも、10年スパンで競技を続けることを想定すると良くはありません。ずっと頑張り続けるのは限界あるからね。)
「勝つ」ために「頑張る」ことは当たり前。
シンプルですが、この恒常性はプロならではであると私は思います。
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日本に帰るまでに、私達は限りなく恒常的なメンタルとパフォーマンスを得たいと思っています。
今日もこの記事を書いてから3本の全套(通し練習)に臨みます。
「いつも通りに」