SEKIROとかいうやさしいゲームの話
みふだ。
葦名のためならなんでもする男や、英語版の名乗りのインパクトが強すぎる男、金もらってゲームレビュー書いてるのにチート使ってクリアしたクソ野郎などで話題のあのSEKIROの話を今日はしよう。今更とは言うまいな。
話題作であるし、発売してからそれなりに時間も経っているので知っている人のほうが多いとは思うが、SEKIROとはフロムソフトウェア開発のXbox one/PS4/PC向けのニンジャアクションゲームだ。
舞台は戦国時代末期の日本のどこかにある葦名国、ひとりのニンジャが主のショタを守るため飛んで跳ねて邪魔するやつらにTODOMEをさしていくというお話なので万人に向いている。
なお、ニンジャブレイド/メタルウルフカオスの世界と同一かどうかの考察は識者に任せる。
インターネットでは「一般人にはおすすめできない」だの「イージーモードつけろ」だのという意見がちらほら見える本作だが、実のところ同社の同系統アクションゲームであるダークソウルやブラッドボーンよりもだいぶゲーム下手くそマンに対してやさしいゲームだというのがとりあえず1周クリアした僕の感想だ。
ゲーム下手くそのくせにいっちょまえに金もらってレビュー書いてるクソ外人がチートコードを使ってラスボスを倒したとかいう問題もあるのになにが下手くそにやさしいのか、と思うひとも多いだろうが、海外のレビューサイトのやつらは重鉄騎を操作できないレベルの超絶下手くそ野郎なので普通にゲームを遊べるひとが気にする必要はまったくない。
本題に入ろう。SEKIROの何がやさしいのか、という話だ。
これは考えないといけないことが少ないということに尽きる。
同社のソウル/ドボーンなどは攻撃するにも回避するにもスタミナを消費するので、常にスタミナを意識していないと息切れして死ぬ。
いっぽうSEKIROは攻撃や回避でゲージ消費はなく、防御したときだけ体幹ゲージが増えて限界まで攻撃を受けていると一時的に体勢を崩すというシステムだ。
何をするにもゲージを意識しないといけないのと防御するときだけ意識しておけばいいという違いは脳への負担の差が地味に大きい。
戦闘時以外でもこの考えなければならないものを減らすという思想は割と徹底されている。
その一例がデスペナルティだ。ソウル/ドボーンは死んだら経験値や通貨てきなやつを一時ロストし、死んだ場所まで戻ると取り戻すことができる。
だがSEKIROの場合は死んだらその場で半分持っていかれる(一定確率でデスペナなしになることもある)。
一見するとSEKIROのほうがきついようにも見えるが、プレイヤーにかかるストレスは前者のほうが重い。なぜなら自分の力でペナルティをなしにできるかもしれないからだ。
回収できるかは確実ではないし、回収できなかったときのショックは大きい。なにより、死んだ場所まで戻らねばという義務感がストレスを生む。
いっそ死んで失ったものはもう戻ってこないほうが気が楽ということだ。さらにSEKIROの場合、スキルポイントの蓄積は失うことがないので難関に挑む前に調整しておけばそもそもペナルティを気にする必要がなくなる。
また、スキルツリーこそあるものの基礎ステータスに影響するポイント割り振りが存在せず、攻撃力や体力は専用のアイテムを使って成長させるため、よく考えずにスキルを取得していってしまっても大幅には事故らないようになっている。空中流派技と一文字でジャンピング葦名流ができるようにしておくとだいぶ楽だとは思うが、なくても致命的とまではいかない。
とまあ、ここまで書いてきたが「で、結局死ぬんでしょ?」という問いについてはまあ、うん。死ぬ。
そもそも、やさしいとはいったが易しいとは一言も言っていない。
NewスーパーマリオブラザーズUよりは楽だとは思う(僕はクリアできずに投げ出してしまった)けれど、決して低難易度ゲーというわけではない。
インターネットの謎の上から目線軍団(アトラスとフロムの信者[誰?]に特に多い[要出典])が言うほど普通の人お断りなんかじゃないぞという程度の話だしな。
とはいえ、SEKIROはゲーム下手くそマンにもだいぶおすすめしたいゲームであることは確かだ。
ゲーム下手くそマンの敵の二大巨頭のひとつはわからん殺しとだと僕は思っている。なんで死んだのか分からないから対策を立てることもできずに死ぬのを繰り返して進むことができないというやつだ。
STGでいつのまにか画面端に追い詰められていて死ぬとかそういうアレだ(切り返しというものを知っていれば対処できるが、わからん間はこれで無限に死ぬ)。
もうひとつは全部に対応しようとしてしまうところだ。
全部の攻撃パターンを完璧に対応しようとして崩壊しがちなアレだ。これは脳への負担がひじょうに大きい。
ゲーム上手いマンなら鳳翼扇を全部ブロッキングして逆転とかいうあたまおかしい偉業ができたりするが、ゲーム下手くそマンにはそんなの真似できない。だから対応するものを絞る必要がある。
そのあたりSEKIROはだいぶやさしい。
防御すればダメージを受けることは基本的にない(危と表示される攻撃はガード不可なので対処は必要)し、ジャストガード的システムである弾きも、失敗しても通常の防御になることが多いのでとりあえず防御ボタンを押しておけばすぐ死ぬことはないし、本作の敵は初動が特徴的な攻撃パターンが比較的多く、なんで死んだのかも覚えやすい。
また、前述の通り回避やダッシュにスタミナを消費しないので、距離をとって外周ダッシュで逃げに徹していればそうそう攻撃に当たることはない。
つまり、できるだけ安全圏に身をおいて外周ダッシュしているときにも当たる攻撃だけ防御なり回避なりするようにして、隙の大きい攻撃がきたときだけカウンターをぶちこめばいいのだ。「この攻撃だけちゃんと対応する」と決めておくことで、考えないといけないことをここでも減らせるというわけだ。
たとえば敵の連続攻撃の途中までは安全圏にいて最後の一発だけ前回避して攻撃するといった特殊な対応パターンを脳のキャパシティを超えない数だけ用意してそれ以外はとにかく逃げるというムーブを定型化するのだ。
この方針は実際ラスボスまで通用する。
低難易度とは言いがたいし、何度も死ぬ。だが、SEKIROはやさしいゲームだ。
なんで死んだのかは分かるので対応を立てやすく、壁を乗り越えた時の達成感や上達の実感が大きいこのゲームこそゲーム下手くそマンに遊んでみてほしい。
※Steamで買えば一定時間内なら全額返金もしてもらえるのでこの記事を読んで遊んだけれど騙された!と思ったひともあんしんだ。