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悪天候の伊豆大島へ

伊豆大島で三原山が噴火したために、全島避難となったニュースを見たのは私が小学生のころです。

火山が噴火するということを知識としては知っていたのですが、地面から火柱が噴出して、岩が降り注ぐというのを動画で見たことは強烈に記憶に残っています。伊豆大島はこのような噴火を何度も繰り返しており、堆積物が降り注いだ場所が砂漠のようになっているとのことで、どんなものか見に行ってみることにしました。


初日はレンタカーで伊豆大島一周

初日は伊豆大島についたのが10時過ぎだったので、三原山登山は翌日に回してレンタカーで島を一周しました。伊豆大島にはいろいろな見どころがあるのですが、私の一押しは大島町郷土資料館。

よくある地方の資料館なのですが、職員の方が懇切丁寧に説明してくれたために思わず30分以上話に聞き入ってしまいました。三原山の地質的な成り立ち、伊豆大島の風土風俗、自然など…。あの職員の方は、高校の先生か学者かそういった方なのでしょうか。

島の南端にある筆島は、過去に噴火した際の火口内に残ったマグマが、浸食されてできた高さ30mくらいの岩礁です。天気が悪く、風の強い日だったために、筆島近くの海岸では波が高くてちょっと恐怖を感じました。

左のほうに突き出ているのが筆島

あと、筆島近くにはなぜか大きな十字架が立っています。徳川家康の時代に禁教令に逆らったために伊豆諸島に流された、ジュリアおたあという女性を祀ったものだそうです。海岸沿いの見晴らしがいいところにいきなり3mくらいの高さの十字架が立っていて、由来を知らないとかなりびっくりします。

ジュリアおたあの十字架

私はよく知らなかったのですが、伊豆大島の波浮港は「伊豆の踊子」の舞台だったそうです。かつて風待ちの港として栄えた波浮港では、たくさんの踊子が旅館に派遣されて宿泊客をもてなしました。林芙美子も宿泊した港屋旅館の建物は無料公開されているのですが、当時としては豪華なつくりだったのだと思います。掃除が行き届いておらず、砂とホコリだらけでしたが…。

今は静かな波浮港

二日目は三原山へ

この日は日本列島のほとんどの場所が晴れていたのですが、唯一伊豆諸島だけが曇りというあいにくの天気でした。最大の目当てであった砂漠では、あまりにも視界が悪くて道迷いの恐怖を感じました。登山アプリがあってよかったです…。

これはこれで、月面のようで風情があると思い込むことにします

砂漠から三原山山頂へ向かう登り口には、小さな祠と鳥居がありました。霧の向こうに三原山山頂が見えますが、思ったよりも楽に上ることができます。

やや霧が晴れてきました

山頂付近は雲の上。景色はあんまりよくないのかもしれませんが、異世界に来た感は味わうことできました。悪天候のせいか、すれ違う人もほとんどおらず世界から取り残された感じです。

剣ガ峰付近。霧で先が見えない…。

その他いろいろと思ったこと

  • 関西から行くなら熱海経由が一番便利。帰りの熱海便はけっこう遅い時間しかないのですが…。週末のみ運行の横浜からのフェリーもよさそうですが、運行していない期間が結構な頻度であるので注意が必要です

  • おもわず桜が満開の時期だったので、伊豆大島原産?のオオシマザクラを期待していたのですが、自生しているせいで散在していて、花見の名所はなさそうでした。タイトル画像の場所からは、桜がややたくさん見られましたが。

  • 伊豆大島は離島なので、船が欠航すると交通が遮断されます。(飛行機も就航していますが、船が欠航する日は飛行機も欠航することが多いです)。島民の方が就航予想なさっているので、予定日直前に見てみるとよいでしょう。

  • 伊豆大島の到着港は、その日の天気によって元町港と岡田港の二択となります。当日朝に決まるのですが、どちらに到着しても、レンタカーとかの送迎は到着校に来てくれるので特に不便はありませんでした

  • バスは路線図みるとたくさんありそうに見えるのですが、実質本数あるのは島の西側をめぐる2系統のみです。GWのみ運行なんて路線もあって、あまり使えないです。

  • 宿はネットで探すと高いですが、電話でしか予約できないところは(ややボロくて)安価なところもあります。それでも東京都だけあって、他の地方よりは少し高めですが。

  • 観光協会がレンタカー観光推奨しているわりに駐車場はあまりありません。迷惑かけない範囲で路駐するしかなさそうです。

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