船が運休になって神津島に行けなくなったうえに宿も消滅した話
10/19、20の週末は旅行していたのですが、トラブルが続いてえらい目に遭いました。よく対応したものだと自分で自分をほめてあげたいので、記録として文章に残します。
前置き
伊豆諸島にある神津島について
伊豆半島最南端の石廊崎から南南西へ約50kmの沖合に、神津島という有人島があります。神津島の最高峰である天上山は9世紀の噴火でできた火山で、頂上からは素晴らしい景色が望めると聞きます。
ちょうど10月は暑さが過ぎて低山登山には最高の季節。なんとか神津島に行けないかと思ってプランを組むこととしました。
旅行計画の作成
色々と試行錯誤したのですが、その過程を書いてもつまらないので結果だけを示します。
ポイントは下記です。
関西からのアクセスに勝る横浜港発の伊豆諸島便が金・土曜日限定で運航されるので、これを利用しよう
せっかく神津島に行くのだから、同じ伊豆諸島にある利島にも遊びに行こう
帰りは飛行機を使うことで、余裕をもって関西に帰って来よう
我ながら完璧です。首尾よく利島、神津島の宿や大型客船、帰りの飛行機などの予約も済ませて、あとは当日を待つのみでした。
出発前に立ち込める暗雲
利島の宿が一方的にキャンセルされてしまう
9月の末頃、午後5時過ぎのことでした。めったに鳴らない私用の携帯に、利島の宿から着信があったのです。
「身内に不幸があり宿泊予約をキャンセルさせてほしい」
なぜ9月に発生した身内の不幸で10月後半の予約がキャンセルになるのか?
代替の宿は手配してもらえないのか?
など、いくつか言いたいこともあったのですが、仕事中で忙しかったのと「身内の不幸」の「身内」がどのくらいの身内かがわからずに詳細をきくのがためらわれたこともあり、やむなく了承しました。
旅行計画の組みなおし
すぐに利島内の他の宿に電話したのですが、どこも予約がいっぱいで予約できません。利島内のすべての宿に電話したはずですが、土曜泊、一人客という悪条件が重なっていたこともあるのでしょう。
嘆いても仕方がないので、いろいろ考えた末に下記にて計画を変更しました。
ポイントは下記です。
利島は宿がない以上どうしようもないのであきらめて、代わりに中途半端に近くて遠いためになかなか行く機会が無かった、三重県の堀坂山と入道ヶ岳に行ってみよう
ついでに時間が余ったら名古屋も少しだけ観光しよう
本当は利島も行ってみたかったのですが、気軽に登れて伊勢湾の眺望が最高だと言われる堀坂山と入道ヶ岳に行くことで良しとしようと、自分を納得させました。
悪天候の中、山に登る
そして旅行当日。
三重県は午後から雨が降り、登山には向かない天気となってしまいました。
本当はもっとちゃんと、雨が降ったらどうしようか考えておくべきだったのですが、なんとなく大丈夫かと甘く考えていたらこのざまです。
早朝に堀坂山から下りて来て、入道ヶ岳に登る前には本格的に天気がまずい感じになってきました。そこで、四日市駅の観光案内所に助けを求めたのですが、なんと10/19は臨時休業日。
嘘でしょ?
まあ、入道ヶ岳もそんなに難度が高い山でもなさそうですし、とりあえず登ってみることにしましたよ。
意外と入道ヶ岳は険しい山で、最も楽な二本松尾根ルートをとったのですがそれでも下りは滑りそうになりました。
そしてもっと意外だったのは、未就学児童と思われる子供を連れた夫婦がいたことです。本当に大丈夫だったのだろうか…。
その後、ふもとにある椿大神社をお参りしたり、名古屋市内にあるトヨタ産業技術記念館を見学したりして時間をつぶしたのち、新幹線で新横浜に向かいました。
そして神津島への便が欠航
新横浜で欠航に気づく
23:30発の大型客船に乗る前に、横浜港近くの山下公園を散歩していました。おお、これがテレビとかで見る夜景か…と思いつつ、ふと思い立って東海汽船のサイトをチェックしてみたところ、このような画面が表示されました。
欠航?それはまあ結構なことで。とかいうダジャレを飛ばす余裕もありません。一瞬、自分の見ているスマホ画面が信用できませんでした。
実は、計画時にも大型客船が欠航する可能性は考慮はしていました。
しかし、「伊豆大島 気象と交通」という、長らく伊豆大島発着の大型客船と飛行機の運行予測をなさっているサイト情報では、10/20は大型船に「○」がついていたので安心しきっていました。
このサイトの方は東海汽船とは無関係の方なのですが、サイトの信頼性は高く、すくなくとも「○」がついている日に欠航することはほぼなさそうに思っていたのです。
しかも、2023年の実績では大型船の欠航は6回だけで、うち3回が台風の影響。船が故障しない限りは欠航しないものと考えていたというのもあります。
え?なんでなんで?と思いながらいろいろとみていると、神津島への経由地である伊豆大島までは運航していることが判明しました。どうやら、伊豆大島までは就航していて、それ以降が欠航となっているようです。
あくまでもこのサイトの方は、伊豆大島までの就航を予測しており、そこから先の運行については予想していません。そして、私は伊豆大島までに限って就航するというパターンを想定できていなかったのです。
せめて欠航が発表された16時台に気づいていれば、横浜に来ずにいろいろ考えることもできたのですが…。気持ちを切り替えて善後策を考えます。
横浜のホテル料金高騰に驚愕する
まずは、今日の宿がないことに気づく21:30。とりあえず、楽天で宿を探してみることにしました。
まず一発目に現れたのは、31,613円のお宿。私が人生でこんなに高い宿に泊まったことはありません。まあ、高級そうなところだし仕方ないか…。
もうちょっと安いところ…と思って探しているうちに、現れるホテルがなんかどんどん値が上がっていきます。
ついには一泊15万円以上の宿まで登場する始末。
土曜日ということもあり、安いホテルはどこも埋まってしまっていたのです。
一泊3万円以上…絶対に出せない額ではないです。しかし、神津島に行くという最大の目的が消滅してしまった以上、ここで3万円の宿に泊まる意義を見出せません。しかも、だれかと一緒なら高い宿も価値があるのでしょうが、中年男性一人で広くて高級な宿に泊まっても虚無の感情が生まれるのみです。
東京に移動する?
→ いや、東京はもっと高いに違いない
では、もう少し安いところは近所にないか?
→ 関東は土地勘がないので、どこが安いか全く見当がつかない。
車でしかアクセスできない場所を予約しても意味がない。
漫画喫茶に泊まるか?
→ 土地勘がなく、漫画喫茶がどこにあるのかさっぱりわからない。
どうしようかいろいろ悩んだ末とった手段、それは
静岡まで戻ることでした。
急転直下、静岡から伊勢湾の離島へ
以前、東京で朝一番の仕事があり、前日入りしようとしたときにホテル代が高すぎて、私の勤める会社の基準内でまかなうことができなかったのです。その際に、いろいろ考えた末に静岡で前泊するという技を編み出した経験がここで活きました。無事、素泊まり8000円の宿に泊まり、脳内作戦会議。
宿でスマホ相手にいろいろ相談した結果、下記のような計画となりました。
篠島と日間賀島はここにあります。伊勢湾の中にあるにもかかわらず、伊良湖岬から篠島への船はそこそこ揺れました。これだと、神津島行の大型客船が出航できないことも納得です。
篠島も日間賀島も、名古屋からのアクセスが良好なためか、観光客が大量にいました。Luupなども発達しており、一般的な離島のイメージとはかけ離れています。
人口密度も高く、「離島」という言葉から想像できるような場所ではありませんでした。とはいえ、見慣れない景色を見ることができたので、一定の満足は得られましたが…。
まとめというか教訓
船の運行情報はちゃんと確認しよう。前もって、何時ごろに運航が決定されるかをチェックしておくのがよいです。
また、携帯のショートメールや、電子メールはちゃんと見るようにしよう。船を使うときは、運休時にどうするかという予備の計画(プランB)を前もって作成しておこう。とくに、夜行便が運休になるといきなり宿がないという大ピンチに陥ります。
静岡への退避は、我ながら良い案だったと思います。関西への帰り道でもあるので。
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