年末の知多半島をひとりで旅行する
先日神津島に行き損ねて、代わりに伊勢湾にある篠島や日間賀島に行ってきたのですが、その帰り道に知多半島を通過しました。
知多半島、前回訪れたのはもう15年以上前のことだと思います。公共交通機関を使っていったのだと思うのですが、常滑の町にある「とこにゃん」を見たことしか覚えていません。
名古屋からも近いのと、年末でも意外とホテルが安価で確保できたこともあって、久々に知多半島を旅行してみることにしました。
羽豆岬は風が強くて寒かった
レンタカーを借りて、まずは一番先端の羽豆岬に向かいます。工事中で駐車場が大幅に少なくなっている中、なんとか見つけた駐車スペースではSKE48の歌碑が出迎えてくれました。
美しい歌詞です。旅行始めるのに幸先がよいですね。
竜飛岬における石川さゆりの歌碑のように、SKE歌碑が後代まで語り継がれるスポットとなったというのは驚きです。
それでは、歌詞にうたわれている展望台に行ってみましょう。
遊歩道を歩くこと10分程度で、立派な展望台に到着しました。
いい景色です。確かにいい景色なのですが、この日はとんでもなく風が強く木製の展望台がぐらぐら揺れて非常に怖いです。まさか倒壊することなんてないと思うのですが、本能的な恐怖を感じる程度には揺れます。
ほかにだれもおらず、波も高くて荒涼とした雰囲気でした。
映えスポットその1:つぶてヶ浦
羽豆岬から北西に車で20分ほどで、つぶてヶ浦に到着です。
海岸の岩場に伊勢神宮に向かって鳥居が建っていて、ここから伊勢神宮を遥拝できるパワースポットとなっているそうです。これは紛れもなく映えスポットだ…。
ぼんやり眺めていたら地元の方がやってきて、はだしになって鳥居の周りをぐるぐる駆け巡り、鳥居を撫でまわして去っていきました。観光向けスポットかとも思ったのですが、意外としっかり信仰の場としても機能しているのかもしれません。
映えスポットその2:野間埼灯台
さらに北西に10分ほど進むと、野間埼灯台が見えてきました。
ちょっとした広場にはワシントンパームが植えてあって、これはもうまぎれもなく映えスポットです。夕日の時間に来るとさぞきれいなことでしょう。
カップルで訪れて右奥に見える「絆の鐘」を鳴らしたり、右の方にある「絆の音色」にハート形の南京錠をつけたりすると幸せになれるそうですが、私は孤高の旅人なので冷たい冬風の中一人で呆然としました。
「愛し合う二人が一緒にトーダイに入ると、シアワセになれる」という都市伝説もあるようですが、残念ながらこの灯台は外から眺めるのみ。映え写真撮る以外にやることがないスポットでもあります。
ノスタルジーを感じさせる半田赤レンガ建物
明治から第二次大戦中にかけて、カブトビール(のちに大日本麦酒へ吸収合併)のビール工場として使われていたレンガ造りの建物です。常設展示室では当時のビールづくりなどに関する展示がされており、意外と面白いです。
戦後から平成にかけて日本食品化工のコーンスターチ工場として使われいたそうですが、使い勝手が悪かったであろうと思われます。昔ながらのレンガ造りの工場で見た目はきれいなのですが、電気配線や吸排気配管を通すための穴をあけるのも大変だったのではないでしょうか。よく改修できたものだと思います。
久しぶりのとこにゃん
知多半島旅行の終着点は、ひさしぶりのとこにゃんです。
うん。猫です。そうだった、思い出しました。とこにゃん、当たり前なのですが本当にこれだけです。いい年した男一人だと消化できないスポットです。
近くにある常滑焼の窯元が集まったエリア「やきもの散歩道」の所々で見かけたのが、「泣きたい私は猫をかぶる」という常滑を舞台としたアニメ映画のビラです。この映画は2020年の公開が予定されていたのですが、新型コロナウィルスの流行と完全にバッティングしてしまったためにネット配信が主になってしまったという、気の毒な作品です。いい作品だと聞くのですが…。
蛇足:知多娘について
アニメと言って思い出したのが、知多娘です。
アニメやキャラクターを用いて地域おこしや観光客誘致を行う「萌えおこし」は今となってはいろんな地方で見られるようになりましたが、知多半島の萌えおこし企画「知多娘」は2009年から現在まで活動を続けている古参萌えおこしです。
かつてはアニメキャラが観光案内をするという内容だったのですが、今は担当する声優のライブなどのローカルアイドル活動が主になっているようです。(そのため、知多娘の公式サイトに行っても観光情報はほとんど手に入りません)
2009年ごろはけっこういろんな萌えおこしキャラが発生したものの、そのほとんどはもう活動を停止してしまったように思います。今回旅行に行って久々に知多娘を思い出して検索したのですが、まだまだ順調に活動していて妙に感慨深くなってしまいました。
冬の知多半島は風が強く、一人で旅行すると寂しくなります
ということで、年末に知多半島を巡ったのですが、ほとんどの施設が年末休みに入っているうえに風が強くて曇ってもいたため、なんだか荒れ果てた気持ちになりました。それはそれで楽しかったのですが、気持ちを強く持って負けないようにしないと、この孤独感にからめとられてしまいそうです。
今度はもうちょっといい季節、春にでも来るといいのでしょうか…。
なお、カバー画像は帰りに寄った名古屋港の南極観測船「ふじ」の、再現された乗組員室の蔵書です。こちらは、近所に名古屋水族館がある関係で若いカップルや家族連れが多く、それはそれで別の意味で孤独感を感じました。