クラブツーリズムの日帰り登山ツアー体験記(奈良・釈迦ヶ岳)
あまりここには書いたことがないのですが、私は山登りが趣味です。週末に六甲山や生駒山などの近所の低山を平和に登っているのですが、私は孤高なるBOCCHI、友達レス人生なので基本的にはソロ登山しか経験がありません。
そんな私が、今回初めて「登山ツアー」なるものに申し込んで、集団登山を経験しました。いいところ悪いところ含めて書き留めておこうと思います。
ツアーに申し込んだ理由
奈良県南部にある釈迦ヶ岳は、大峯奥駈道のルート上にある標高1,800mの山で、比較的手軽に登れて頂上からは360度の展望が楽しめる山として知られています。ずっと行ってみたいと思っていました。
しかし、初心者向けルートの出発点である太尾登山口へは国道168号から狭くて落石の多い林道を20kmくらい運転する必要があります。(ネット上で見つけた動画を貼り付けておきます)
そもそも、この狭い林道への入り口までの距離も遠く、例えばレンタカーを借りられそうな一番近い場所である南海電車橋本駅からも2時間以上かかります。
運転に自信がない私にとっては、登山よりもむしろ運転のほうが危ないということになりかねません。どうしたものかと考えていたところ、会員登録だけして放置していたクラブツーリズムで日帰り登山ツアーなるものをやっていることを知り、喜び勇んで申し込んだのです。
全体の流れ
申し込み後当日まで
今回のツアーは、ネットで申し込んだのち当日まで電話や郵便でのやり取りはありません。ツアー一週間くらい前にサイト上に詳細なお知らせが届くのみで、あとは時間厳守で集合場所に赴くのみです。
今回は大丈夫だったのですが、申し込み人数が少ないとツアー当日1か月くらい前?に催行中止の連絡が届くこともあるそうです。
当日の流れ
集合場所には、クラブツーリズムの担当の方が待っています。声をかけて受付終了。旅行中につけるバッチと書類(ガイドの方の携帯電話番号や、他のツアーのパンフ)をもらいます。
私が参加した時は最高の天気でしたが、少々の雨が降っても決行するようです。雨具必須。
時間になるとマイクロバスへ移動。途中に道の駅でのトイレ休憩をはさみつつ、ワインディングロードを2時間くらい進んで登山口に到着。
登山口で、登山ガイドと合流。トイレ、ガイドのあいさつ、準備体操ののち一列になって登山開始。先頭をガイド、最後尾を担当の方という隊列です。
登山開始が11時とかなり遅めの時間だったため、登り途中の少し開けた場所で各自が持参したお昼ご飯を食べます。休憩を何度かとりながら頂上に到着。
頂上で20分くらい休憩+撮影タイム。記念撮影したい方は、担当の方が写真を撮ってくれます。
下山後、あいさつののちガイドとはここでお別れ。マイクロバスに乗り込んで集合場所に帰り、解散。
登山ツアーのいいところ
狭い道を運転しなくていい
これは、ツアーを申し込んだそもそもの動機なのですが、落石の多い狭い道を自分で運転せずに済むのは心理的にすごく楽です。普通車でも運転したくないような道ですが、マイクロバスを簡単に操る運転手を見ると、プロは違うなと思います。ガイドがいる安心感
今回のルートは危ないところは皆無なのですが、それでも初めての道はすくなからず不安なものです。ガイドがいると危ない場所も事前に教えてくれるし、何があっても大丈夫と思えるのは非常に大きいです。いろんな話が聞ける
私はあんまり興味ないのですが、花や植物、地質などが好きな方はガイドに聞くといろいろと教えてくれます。ペースがつかみやすい
一人で登るとついついペースが速くなって後でバテがちなのですが、ガイドさんがペースキープしてくれるのでオーバーペースになることがありません。いつも一人で登っているときはかなり速いスピードを出してしまうのですが、ペースを落とすとこんなに楽なのだということを実感しました。
登山ツアーのデメリット
お金がかかる
これは当然ですが、一人で行くより費用は高くなります。今回のツアーは一人当たりほぼ2万円。ただ、ツアー会社の収支を予想してみると
収入
参加費 20,000円 × 12人?=240,000円
支出
人件費 15,000円 × 3人(担当、ガイド、運転手)=45,000円
バス代 40,000円
その他* 10,000円
(*ホームページ維持費、その他管理費用など)
合計 95,000円
収支 14,5000円
と考えると、そんなに大儲けしているわけでもなさそうですが…。
(そもそもの収入24万円というのが、阪急交通社のような会社のビジネス規模からすると小さいように思います。)ゆっくり写真を撮りづらい
これも当たり前ですが、集団行動なので好きなところで立ち止まってじっくり写真を撮るというのは難しいです。とくに、人が写りこまない写真は撮りづらいです。寄り道ができない
これも当然ですね。釈迦ヶ岳の近くには大日岳があり、釈迦ヶ岳からは往復2時間くらいで行けるのですが、ツアー行程以外の場所に行くことはできません。当日になってキャンセルできない
今日は天気が悪いからとか、今日は疲れているからとかそういう個人的な事情でキャンセルはできません。いったん申し込んでしまったら、あとは条件がそろうように運を天に祈るのみです。マイクロバスはすごく酔う
これは私にも問題があるのですが、往復2時間ずつのマイクロバスは酔いました。私は電車や高速バス、路線バス内で本を読んでも酔わないので油断していたのですが、マイクロバスの揺れはレベルが違います。今回の道が曲がりくねっていたせいもありますが。
その他思ったことなど
参加者について
夫婦連れ、女性二人連れなどもいらっしゃいましたが、ほとんどがソロの参加者でした。
年齢層はとても高いです。私は間違いなく最年少で、8割以上の方(もしかしたら私以外全員)は60歳以上です。最年長は75歳以上。
ガイドさんも60代後半、クラブツーリズム担当も60代前半。
それでも、極端にペースが遅い方はおらず、75歳越えて4時間以上山道を歩けるのは大したものだと思います。ガイドについて
もともと役場勤めしていて定年後ガイドを始めたそうですが、だからといって素人っぽさは皆無です。私を含めて参加者はだれしも、転ばないまでも一回は躓いたり滑ったりするものですが、ガイドさんは足運びが全然違います。安定感が抜群。どうやったらあんな歩き方できるのだろうか…。会話について
他の参加者やガイドとコミュニケーションを取りたい人は話しかければいいし、そうでない人は黙々と登ってもいいです。とくに、みんなで仲良くならなければならないという雰囲気はありません。気楽です。登山ツアーは人気?
今見ている限りだと、どのツアーもおおむねひと月前くらいには応募者が定員に達して「キャンセル待ち」となるようです。もしかしたら、ひと月前に定員に達しない場合には催行中止として他の日程に振り分けるような、基準があるのかもしれません。参加したい場合は、かなり早めに計画する必要があります。なぜか最初にアミノバイタルが支給される
試供品?つかいどころがよくわからない…。
まとめ
当日はこれ以上ない好天に恵まれ、山頂からは360度の展望を楽しむことができました。
デメリットもあるのですが、一人では生きづらい山に気軽に行けるのは非常に大きなメリットだと思います。何らかの理由で、自力で登山を計画できない(今回の私の場合は林道を運転したくない)方には、とてもよい選択肢だと思います。
クラブツーリズムのサイトでツアーを検索できるのですが、「登山・ハイキング」のところにチェックを入れると簡単に検索できると思います。
または、この方法だと本格的な登山だけでなく、軽いウォーキングなども検索でヒットしてしまいます。ある程度歩きごたえのあるツアーだけを探したい場合は、「キーワード検索」のところにこのページを参考にして「登山初級」などという単語を入れて検索するとよいでしょう。
ただ、前にも書いたとおり、ツアー参加を迷っているうちに催行中止になったり満席でキャンセル待ちとなってしまうこともよくあるので、早め早めに申し込む必要があるのですが。