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【エッセイ】人生の「だし」は失敗から:氷河期世代が辿り着いた自分らしい働き方
今日はエッセイです。
失敗ってなんだろう
失敗ってなんだろうと最近よく考えます。私は超氷河期世代の一人です。大学卒業時、1社も採用通知を頂けず、就職できませんでした。新卒の段階では、新聞記者になりたかった。社会の課題を明らかにするんだと意気込んでいましたが、最終面接で落ちてしまいました。後で聞くと、女性の新聞記者が6人一度に産休に入ってしまい、その年は女性は採用しないということでした。人生が終わったと思いました。そんな中、大学の恩師から母校の講師の枠をいただき、なんとか仕事に就くことができました。講演もしましたが、「先生」と呼ばれるのに何となく違和感がありました。4年後、県外へ引っ越すタイミングで辞めました。次に、「さん付け」で呼んでもらえる民間企業に勤めました。「〇〇さん」と呼ばれて、とても新鮮で嬉しかったのを覚えています。そこから医療の分野に進み、今は独立して、志の高い人たちと一緒に仕事をすることができています。
失敗の先にある自分の場所
振り返ってみると、新聞記者になっていたら、体力勝負の仕事なので、足の悪い私はすぐリタイヤしていたかもしれません。報道の透明性を考えると、やりがいを持てなかっただろうとも思います。実は中学生の頃から、手術をしてもらったことをきっかけに医師になりたいと思っていました。でも医師にはなれませんでした。今思えば、医師になっていても体力的に続かなかったかもしれません。当時は新聞記者になれなかったこと、医師になれなかったことで心が折れて、倒れてしまい、先が見えない、どうしようと思っていました。しかし今は、穏やかな自分に合った仕事をしています。
現在の仕事と充実感
現在、私は医療コンサルタントとして独立し、医療機関の経営改善や患者サービスの向上に携わっています。医療の知識と経営のスキルを組み合わせ、医療現場の課題解決に貢献しています。志の高い医療従事者や経営者と協力し、よりよい医療サービスの提供を目指しています。この仕事は、私の経験や興味、そして体力的な制限とも上手くマッチしており、毎日やりがいを感じています。
失敗を人生の「だし」に
そう考えると、失敗ってなんだろうと思うわけです。失敗の先につながった、自分に合った場所がありました。ただ、ここに至るまでに24年かかりました。長い時間ではあるけれども、失敗を人生の「だし」にして、味わえるようになれば良いなと思います。最近はあまり失敗をしていないので、新たな挑戦のために、また失敗したいなとさえ思います。失敗は、私たちを成長させ、本当の自分に気づかせてくれる貴重な経験なのかもしれません。