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【参議院議員選挙2022】確認団体公約まとめ #JAPANCHOICE

確認団体公約まとめ

はじめに

 参議院選挙で候補者を擁立するのは政党だけではありません。選挙のときに一定の条件を満たした政治団体「確認団体」も、選挙区や比例区に候補者を擁立しています。JAPAN CHOICE (政策を比較する・投票ナビ)の主なコンテンツで扱っているのは政党だけですが、記事では確認団体についても取り上げていきます!

★「確認団体」とは?

 確認団体とは、公職選挙法上の一定の要件を満たすことで、選挙運動を許可された政治団体のことです。法律では原則として、選挙期間中の政治団体の活動は禁止されているので、この要件を満たすことが政治団体にとって重要です。参院選の場合、比例区候補者を含む10人以上の候補者を擁立すると、確認団体として認定されます。
 今回の選挙では6つの確認団体が、それぞれの主張を掲げて候補者を擁立しています。それぞれの団体の経歴や政策(党の詳細が不明な「ごぼうの党」を除く)について、簡単ではありますがこの記事で紹介します。

幸福実現党

1.幸福実現党とは
 幸福実現党は、宗教団体「幸福の科学」を母体として、2009年に結成されました。党役員リストに「党創立者 兼 総裁」として「幸福の科学」総裁の大川隆法氏を掲載し、スローガンに「この国に『精神的支柱』を」「自由・民主・信仰」を掲げるなど、「幸福の科学」とも強いつながりを持ち、宗教色を前面に打ち出しています。これまで8回に及ぶ国政選挙への挑戦は全て失敗していますが、地方では着実に議席を増やし、46人の地方議員が所属するに至っています。
 アフターコロナを見据えた政策転換の必要から、昨年(2021年)の衆院選には国政選挙として初めて挑戦しませんでした。今回は満を持して、2019年の参院選以来3年ぶりに議席獲得に挑みます。

2.幸福実現党の政策

幸福実現党HPよりNPO法人Mielkaが作成

幸福実現党公約集はこちら
https://hr-party.jp/policy/class/2022/
 特徴は、中国への厳しい姿勢と、税金負担や政府の無駄・統制を減らそうとする「小さな政府」志向の政策です。個々人の自助努力とそれを可能とする小さな政府を重んじる考えはホームページでも明言されています(https://info.hr-party.jp/2020/11297/)が、自らと向き合うことを重視する宗教的な価値観が背景にありそうです。また、中国への厳しい姿勢も、政府に権力が集中する「大きな政府」であり、かつ共産主義が宗教に厳しい姿勢をとる思想であることが関係しているようです(「7つの柱」の第1項目参照)。
3.幸福実現党の立候補者
 幸福実現党からは、比例区で党首・釈量子氏が、北海道・東京・埼玉・千葉・神奈川・愛知・大阪・兵庫・広島・福岡・沖縄でそれぞれ1人が立候補し、選挙を戦います。

参政党

1.参政党とは
 参政党は、元・大阪府吹田市議会議員の神谷宗幣氏らが中心となって2020年4月に結成された政治団体です。有志が集って自分たちでいちから政党を作る「政党DIY」という、YouTube上で2020年頃に発信された企画をベースとしています。ホームページ上ではメンバーとして8人の現役地方議員が紹介されるなど、最近その勢いが注目されている団体でもあります。
 理念・綱領に「国益を守る」「天皇を中心とした国づくり」「日本の精神と伝統を活かし、調和社会のモデルをつくる」と保守的な主張を記す一方で、いわゆる保守的政策にとどまらない様々な政策を掲げています。
2.参政党の政策

参政党公式HPよりNPO法人Mielkaが作成

参政党の政策はこちら
「3つの重点政策」(https://www.sanseito.jp/prioritypolicy/
「10の柱」(https://www.sanseito.jp/jyunohashira/
 すでに述べたように、党として保守的な理念を掲げつつも、皇室や国防・軍事よりも教育や食・農業といった身近な分野を重点政策に掲げているのが特徴です。「身近なコミュニティ活動からの参加」や同じ思いをもった有志による党運営を重視する姿勢が表れたものと言えそうです。また、上記の政策集以外の政策として、党の「新型コロナ・ワクチン政策」(https://www.sanseito.jp/news/4376/)ではマスク自由化や子どもへのワクチン接種反対、「ワクチンリスク」の開示・周知徹底などの方針が掲げられています。
 「重点政策」「柱」の各項目についてホームページで詳細な説明がなされていますので、そちらもご覧ください。
3.参政党の立候補者
 参政党からは、比例区で党共同代表の松田学氏・赤尾由美氏・吉野敏明氏、大学客員教授の武田邦彦氏及び党事務局長の神谷宗幣氏の5人が、全45選挙区でそれぞれ1人が立候補し、議席獲得を目指します。

日本第一党

1.日本第一党とは
 日本第一党は2016年に結成された政治団体です。創設者であり党首の桜井誠氏は、右派系の市民団体「在日特権を許さない市民の会」(在特会)の創設者・初代会長でもあります。2020年の東京都知事選挙に日本第一党から出馬し、国政政党の支援がないにも関わらず総投票数の3%弱にあたる18万票を集める好成績(22人中5位)をおさめ、話題となりました。
 昨年(2021年)の衆議院選挙では、桜井党首は東京15区から、ほか4人が比例東京ブロックから立候補し議席獲得を目指しましたが、全員落選しています。
2.日本第一党の政策

日本第一党公式HPよりNPO法人Mielkaが作成

日本第一党の公約はこちら
https://japan-first.net/election/2020-shuuingiin-kouyaku-2/
 昨年の衆院選の公約と共通する政策もありますが、皇室や国防に関する主張は選挙公約としては新たに追加されたものです。皇位をこれまで通りの方法で継承すること(母親のみが皇族の天皇は認めない)や国防費の大幅増額、「日本人」を対象とした政策など、保守色の強い政策を掲げつつ、タイトルにあるように大規模減税・財政出動も主張しています。
 そのほかにも公約では、防災や農業等に関する主張も掲げられています。
3.日本第一党の立候補者
 日本第一党からは、比例区で桜井誠党首と幹事長の中村和弘氏が、東京・埼玉・千葉・神奈川・愛知・大阪・愛媛・福岡からそれぞれ1人が立候補しています。

新党くにもり

1.新党くにもりとは
 新党くにもりは、2019年に創設された「国守衆(くにもりしゅう)全国評議会」の政治部門に当たる団体です。全国評議会幹事長を務める水島総氏は、ネット番組を制作している「日本文化チャンネル桜」や保守系団体「頑張れ日本!全国行動委員会」といった団体・運動も長らく主宰しています。
 「祖国日本を守ろうとする草莽の民」である「国守衆」(説明はHPより)から選ばれた人々で構成される新党くにもりは、昨年(2021年)の衆院選で千葉10区と和歌山3区で候補者を擁立し、前者では総投票数の5%、後者では12%の票を獲得する成績を収めています。今回は選挙区だけでなく比例区にも候補者を擁立し、党名を掲げて議席獲得を目指します。
2.新党くにもりの政策

新党くにもり公式HPよりNPO法人Mielkaが作成

新党くにもりの政策はこちら
https://kunimoritou.jp/policy.html
 新党くにもりは、20の政策を掲げています。その筆頭には、GHQから押し付けられた今の憲法とは違う新しい憲法を制定するという「自主憲法制定」の主張や、皇室・国防に関する主張が並び、また減税や大規模な財政出動といった項目も掲げられています。
3.新党くにもりの立候補者
 新党くにもりからは、比例区で党代表の本間奈々氏と幹事長の三輪和雄氏の2人が、北海道・東京・千葉・神奈川・大阪・京都・兵庫・和歌山でそれぞれ1人が立候補しています。

維新政党・新風

1.維新政党・新風とは
 維新政党・新風は、1995年結成という比較的古い歴史を有する政治団体です。結成年からも明らかですが、地域政党「大阪維新の会」(2010年結成)や日本維新の会(旧維新は2012年結党)とは関係がありません。「戦後体制の打破」を主張し、党の基本政策は主に戦前公式に用いられた旧かな遣いで記されるなど、保守色を強く打ち出しています。
 これまで6度の参院選に挑戦してきましたが、全て失敗に終わっています。今回は2016年以来6年ぶり、党名で戦う比例区には2007年以来15年ぶりに候補者を擁立し、議席獲得を目指します。
2.維新政党・新風の政策

維新政党・新風の公約集よりNPO法人Mielkaが作成

維新政党・新風の令和4年政策公約はこちら(上のスライドの文章は、公約の各分野のタイトルを元の文意を崩さない範囲で要約したものです)
https://shimpu.sakura.ne.jp/wp-content/uploads/2022/06/r4_policy.pdf
 現行憲法とは違う新たな憲法を制定することが冒頭に掲げられ、強い日本の建設や秩序の回復など、あるべき日本への回帰・復古を重視する考えが押し出されています。各項目について政策公約では具体的な記述がなされていますので、そちらもご覧ください。
3.維新政党・新風の立候補者
 維新政党・新風からは、比例区で党代表の魚谷哲央氏、東京・神奈川・石川・愛知・京都・大阪・兵庫・香川・山口でそれぞれ1人が立候補しています。

ごぼうの党

 「ごぼうの党」については、本文執筆時点で詳細が不明なため説明は割愛いたします。
 HPはこちら(https://gobou-no-tou.com/

まとめ

 以上、非常に簡単ではありますが今回の参院選に候補者を擁立している確認団体を紹介しました。私たちMielkaが提供するサービス JAPAN CHOICE では、「政策を比較する」というページで国政政党が掲げる公約を分野別に要約し公開しています。今回紹介した各政党の公約との比較は出来ませんでしたが、ぜひJAPAN CHOICEもあわせて使いながら、どの政党に1票を託すかを決めるのに役立てていただけると幸いです。

 本記事の内容は以上になりますが、私どもの活動にご理解、ご賛同いただける方、この記事が「いいな」と思った方はご支援いただけましたら幸いです。

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