畑を相続して40年放置した結果
こんにちは アキバコの鎌倉です
畑を相続して放置、近隣からのクレームで市役所からの連絡があり重い腰を上げた地主さんのお話です。
令和6年4月から相続登記が義務化
https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00590.html
相続しないで固定資産税だけ払えばOKの時代は終わりました。
相続登記が義務化されましたよ!
農地などは固定資産税なども安く特に相続の登記を怠りやすいため
少額の税負担を行っていれば遠くに住んでいても問題はなかったのですが
脱法となる4月以降は登記されるまで警告が来ます。
今回のオーナー様は相続して登記もされており、固定資産税も払っており
尚且つ畑にあるスプリンクラーの組合費も年3万ほど支払われていました。
40年で純粋に計算すると、、、スプリンクラーだけで120万
空き家のご相談を承っていてその際に実は畑もあって、、とお話がありました。
市役所から近隣クレームが入っているから片付けるように連絡が来たそうです。
オーナー様はその時近畿地方にお住まいでした。
『どこに、どのように連絡すればいいかわからない』
と、おっしゃっていました(そうですよね。。。)
雑草がすごくて、、、ということだったので草刈りならできるしなーと思いながら現地へ向かいました。
行けども行けども雑草の生えている畑は現れず、、、笑
近所で農作業していた方に地図を見せてお話を聞くとここだなぁと案内された場所!!それがこちらです!!! 👇
『雑草じゃなくね。。。』
という第一声 笑
森のように木が多いしげり、敷地の半分に竹が生えていました。
竹は処分が高いのと、根が繋がっているから根止めが必要で抜根が大変なんです。
業者に見積もり依頼
伐採、抜根、耕転
植木屋さん、森林伐採業者さん、解体屋さん
それぞれ見積もりをとりました。
350万、500万、うちはできません。などなど
一番安くて250万でした。
この畑の問題点は重機の入れる農道が隣接していないことです
畑の周りをぐるっと他の人の果樹園が囲っています
そして敷地境界線に石垣があります。
ということは、たとえ耕転しても貸したり、売ったりするのが難しいということ。
できたとしても二束三文の金額にしかならないだろうという立地です。
なので250万は厳しいな。というのがオーナーさんの気持ち(そりゃそうだ)
でも放置するわけにはいかないわけです。
業者への依頼を諦め自分たちで伐採することに。
人件費や廃棄する費用の実費をオーナーさんが払うという内容で契約書を交わし
作業を始めました。
畑で伐採したものに関しては廃棄は全て有料になります。
初めは1本ずつ手作業で抜根しようと思っていたので地面からこのくらいの高さを残して伐採しています
竹はノコギリでも簡単に切れました!!
木はボランティアの方がチェンソー持ってきてくれて伐採してくれました
(移動費、チェンソー修理費、オイルなどの実費は支払いました)
このボランティアの方はバイトでお金もらうと責任発生するからボランティアでいいです、その代わりご飯くださいって言ってくださったのでお米30キロをお礼に致しました。(ありがたいですね)
伐採した竹や木の行方。。。
作業している畑は敷地を石垣で囲まれていて車が横付けできないため運べる長さに切って車が横付けできるところまで運ぶ、、、
という地味な作業を繰り返しました😅
そして本来処分する伐採した竹ですがジモティーやあげます掲示板に掲載したところ欲しいという方が結構いらっしゃいましてほとんどをもらっていただきました
これ全部有料処分したら竹だけで50万です。。。
葉がついている細い部分は知り合いに粉砕機を借りて粉砕し竹チップにしました
竹チップって販売されているものがあるくらい
雑草駆除や肥料、餌などに使われている優秀な素材らしいです
確かに粉砕しまくって竹チップがある場所は雑草が生えてきませんでした
少しだけ竹チップ販売したんですが即完でした。
太い木は薪にして冬に販売する予定です
結局、何も有料処分しなかったため処分費用がかかりませんでした。
(全部処分してたらおそらく150万〜200万原価でかかります)
抜根手作業は諦める😅
この景色を毎日見て、これ手作業無理だな 笑 と悟ります。。
再度、抜根と耕転の見積りを3つくらいの会社にお願いしました
見積もりは80万から100万でした。
うーーん。。
重機をレンタルして自分でやるか、、と考えたものの重機のレンタルも結構かかる
と、その時
友達が重機持っていてやってくれるというのです!!!!!!
新潟からトラック借りて重機を持って抜根して耕転を格安でやってくれました🙏
抜根した根っこは乾燥して土が取れたら細かく切って粉砕機でチップにしようと思います。
重機で抜根作業してる時に大事件が!!
なんとスプリンクラーが動いて放水始まったのです。。。
8時から10時の2時間も!!
畑はドロドロになりタイヤが滑って作業どころではなくなってしまいました。
近くの農家の友達に来てもらって、スプリンクラーの管理とかをしてる人に確認してもらったんですが部分的に止めることができないそうです。
スプリンクラーはグループになっていてそのグループごとに日程、時間が決まって
一斉に放水されます。作物がないから止めるというのはできないそうです。
なのでスプリンクラーを撤去しない限り放水されるわけです。
そりゃ、、ジャングルになるよね💦
抜根した畑の様子
感無量ですよ。本当に褒めてください。 笑
なんとか終わりました
たくさんのボランティアの皆様、アルバイトの皆様、重機やチェンソーなどを貸してくれた皆様(道具は一切持っておりません😅)
本当にみなさんのおかげでなんとか形になりました。
安くても250万と言われた伐採、耕転 なんとか人件費のみで済みました。
これからここにフリースクールで野菜を作っていきます
まずはさつまいも!!
栄養分の少ないやせた土地でもよく育つしそんなに手間がないからいいんじゃない?って農家さんに勧められました!
秋の焼き芋大会が楽しみです🍠
子供たちがとうもろこし、というので検討していたらスイートコーンの苗を頂きました😆ラッキー、植えてみます🌽
いずればハーブやナッツなんかも植えていきたいと思っています
相続義務化
2024年4月1日より、農地など相続した土地の法務局への登記が、将来を含め、過去の分も義務化されました。
今まで農地の登記は、登記をされないままの場合が多く、正確な所有者がわからず耕作放棄地になっている現状があります。
相続土地国庫帰属法
10年分の管理費を支払うことで相続放棄ではなく国庫への帰属を認めている制度。1反(1000㎡)あたり100万円かかります。
100万かかるならタダでも誰かにもらってもらったほうがいいですよね。
相続して放置して今回のようにジャングルになってしまったら
伐採、耕転にはかなりの費用がかかってしまいます。
農地法が改正され農地が買いやすくなりました
農地法が、令和5年(2023年)に新たな改正
令和5年(2023年)、農地法第3条の改正が実施され、農地法における重要な規定が見直されました。
これまでの農地法では、農地を取得する際には農業委員会への許可が必要であり、特に50アール以上の耕作面積を要求するなどの下限面積要件が存在していました。
農地法改正によって、その要件が廃止され、農地を売りたい方や相続で農地の処分に困っていた方が売りやすくなりました。
https://www.maff.go.jp/j/keiei/koukai/kaikaku/attach/pdf/index-2.pdf
改正農地法の概要 - 農林水産省
農地を処分したい方が楽になります
以前は農地を売却しようとする際に、買手が耕作面積の要件を満たすかどうかの確認を要しましたが、今後はその心配が不要になります。
この改正により、農地の売却のハードルが下がる可能性が高いです。
個人や企業が買いやすくなった
これまでの下限面積要件の撤廃により50アール未満の農地でも個人や法人が購入しやすくなりました。
これにより新たに農業に携わろうとする人たちや、農業経営を拡大しようと考えている既存の農業者も、小規模な土地からでも始めやすくなります。
相続時の農地問題に選択肢ができた
相続の際の農地問題も、この改正によって新しい選択肢が生まれました。
相続によって農地を受け継いでも、新たに農業に従事することなく他人への売却や農地バンクを活用した貸借が可能になります。
農地を相続したら・・・
農地を相続して農業をしない、家庭菜園もしない。。。遠方に住んでる。。。
手放しましょう
・農地として売却する
・農地転用して売却する
・相続放棄する
農地転用ができる場所でしたら宅地などに転用して売却すれば農地として売却するより高く売れます。
農地転用できない場所は農地として売却するしかありませんが
農地を売却するには、原則としてその農地を管轄する自治体の農業委員会の許可が必要です。まず農業委員会へ相談してください。
新規就農の農家さんが畑がない事実・・・
移住し新規就農の制度で農家になったみなさんが、何年か経ち作物が実り始めた頃畑を返さなくてはいけなくなったという話をよく聞きます
(地域性があるのかもしれまん)
使わない農地を相続して困ってる人、新規就農したのに農地がなくて困ってる人
ここ、うまいことリンクさせて耕作放棄地がなくなっていけばいいなと思います
これは行政に頑張って欲しいところですね
空き家、空き地のご相談はお気軽に。
https://peraichi.com/landing_pages/view/akibako721/