切縫術は外科の基本的な手技ですが、先ずは傷を閉じることを目的にしています。一方、形成外科における切縫術は傷痕が目立たないように操作することを意味します。 形成外科における切縫術は切開も重要で、皮膚切開が悪ければ縫合で帳尻を合わせるのが大変です。さて、その縫合ですが顕微鏡下で形成外科の切縫を行っていると、表皮縫合時に表皮レベルでツライチになる瞬間が意図せずありました。あたかもパズルのピースが互いにハマるような。 それ以降、表皮縫合時に顕微鏡下で仔細に観察しながら運針すると、
本術式は瞼縁に一切の操作を加えないため、自然な眼瞼縁を保つことができます。一方で本術式では眼瞼縁余剰皮膚の除皺や挙筋腱膜短縮術の併用は困難です。 そのため、本術式を重瞼線が確実に存在し眼瞼下垂を認めない症例に用いると非常に効果的です。 さて、本術式の欠点は、眉毛直下に一条の瘢痕が必ず生じるため、瘢痕の程度によっては整容的に問題になることです。 切除する皮膚のデザインが悪いと、術後の切開線が眉毛直下から外れてしまい間違いなく整容的な問題になるので、デザインは大切です。
眼瞼腫瘍の切除方法を解説しましたが、外科的治療が不要なこともあります。 初診時 治療開始後 28日 患者さんのお話では、治療後1週間ほどで上記の状態になったそうす。 ダウンタイムもなく保険診療で対応できるため、満足度の高い治療方法です。 眼科の教科書には仔細な解説がなく、眼科医にはあまり知られていませんので、ワンコインテキストとさせて頂きます。
眼瞼腫瘍切除の希望はけっこう多いです。 TLOやTLEの経験があれば簡単に切除できます。 眼瞼は創傷治癒の非常に良好な部位なので、Open Treatmentで対応できることがほとんどです。本症例の病理組織診断は脂漏性角化症でした。 手術のポイント挟瞼器の使用 眼瞼縁は自由縁なので固定することで綺麗な層剥離が可能になります。また、出血が非常に少なくなるので層間が認識しやすくなります。 瞼板を損傷しないこと 瞼板を損傷すると眼瞼縁の変形治癒の原因になることがあります。
局所麻酔下の手術時、痛みが出るときって申し訳ないですよね。 霰粒腫や急性涙嚢炎などの炎症部位への局所麻酔は、効果発現までに時間がかかることを念頭におく必要があります。 これは炎症部位ではpHがアシドーシスに傾いているので、局所麻酔薬の効果発現までに時間がかかることが原因です。 少し長くなりますがその理由です。 局所麻酔薬は水に溶けにくいため可溶性の塩酸塩として商品化されています。 そして局所麻酔薬が体内に注入されると、 陽イオン基と塩素イオン基に解離します
眼形成外科医の木下慎介です。 眼形成手術の対象疾患について情報発信をしていきたいと思います。 宜しくお願いします。