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【最近は、こんな感じ】 やっぱり服が好きだった。

上海で生活する女の子たちの日常って?
ファッション、メイク、食べもの、よく行くお店。あと、普段考えていること。悩んでいること。そして目標。
そんなあれこれを、同じ目線で聞いてみた。
@mie_shanghai

18 SOFIA

<Profile>
SOFIA
生まれ年:1995年
出身:香港
職業:古着店『the SEC’』経営
Ins @shanbi 
小紅書 @sofiadesu

庭のある老房子に、
センス抜群の古着店を開いたSOFIAさん。
いろいろな仕事を経験して、
上海に辿り着いて、
いちばん好きな分野で働いている、
そのキラキラ感が。


――お店を開いたばかりとのこと。
SOFIA 5月にオープンしました。上海は有名ブランドの古着がすごく高いので、できるだけ日常的に長く着られて、値段に見合うシンプルなものをセレクトしています。扱っているのは、『ISSEY MIYAKE』『Yohji Yamamoto』『Comme des Garcons』などのヴィンテージと、友達のデザイナーの商品です。

――上海、古着好きが増えていますよね。
SOFIA 少し前までゴミでしたよね。でも、良さを理解する人が増えてどんどん流行ってきている気がします。魅力は、やっぱり特別なところ。1着しかないのでほかの人とかぶらないところ。あとは、リサイクル品なのでエコなところ。それと、新品よりは安いところ。長く着られるところ。私も古着のイメージを変えたくて、お店に出す商品は臭い消しをしっかりして、きれいな状態で陳列しています。お客さんは、同業者やデザイナー、カメラマン、メディア関係の人が多いですね。

――日本の、ちょっと前のブランドが人気なんですね。
SOFIA 『ISSEY MIYAKE』はいろんな要素があるところが人気。『Yohji Yamamoto』は、なぜかはわからないけど突然注目された感じです。デザインのテイスト、シンプルでコンセプトがしっかりしているところがいいのかな。私も、今日は『Yohji Yamamoto』です。

――お友達のブランドも扱っているんですね。
SOFIA 『self Fab.』と『RYAN LI』というブランドです。彼らは、大人になってから独学でファッションデザインを勉強した人。一人は広告業界の人。もう一人は金融系。ゼロからデザインを学んでブランドを立ち上げてしまった(笑)。

“私は、上海良いと思う”

――SOFIAさんの経歴も知りたいです。
SOFIA このお店の前に、五原路と陜西南路でも古着屋さんをやっていました。でも、ロックダウンの影響で閉店してしまって。その前は日本のアパレルブランドのコンサルのアシスタントなどをしていました。あとは、ダンススタジオのマーケティングの仕事とか、タトゥーのお店での見習いとか、いろいろやってましたね。

――しかも、日本語もできる。
SOFIA 3年半東京の語学学校に留学していました。本当はデザインの勉強がしたかったのですが、タトゥーの見習いをすることになって。で、上海にその系列のお店があったので、手伝うことになったのが上海に来たきっかけです。でも、やっぱり洋服が好きだった。当時、デザイナーズの古着屋さんは上海にほとんどなかったので、やってみたらどうかなと思ったのが最初です。

――出身は香港なんですね。
SOFIA はい。両親も香港にいます。でも、上海に来てみたらデリバリーもECもタクシーを呼ぶのもすごく便利で、香港に帰れなくなってしまった(笑)。香港はマーケットの規模も小さくて、ずっと変わらない感じ。発展や成長のチャンスをつかむのは難しいと思います。

――日本もそうかもしれません。
SOFIA 香港はとても開放的な都市でしたが、今はちょっと違う。大学を卒業してもやることを探すのは難しいです。とか言うと怒られるかな(笑)。でも、香港にいる人たちはほとんど中国に来たことがない。それ、惜しいなと思います。私は上海、良いと思っています。香港にはない新しいものにも出会えるし。たとえばナチュラルワインですね。上海では当たり前のように流行っていますが、香港ではまだそれほどだと思う。

――日本もそうかも……。
SOFIA お店でもナチュラルワイン出してるんですよ。平日の昼間から飲めます(笑)。軽くて飲みやすいので。なるべくほかのお店では飲めないもの、ラベルがかわいいものをセレクトしています。

“どの場所にもすごい人はいる”

――庭での昼飲み、最高ですね。
SOFIA あと、それと、古着のコーディネートなんかも『小紅書』が結局いちばん参考になるんですよね。日本の最新情報とか、3年住んでいた私でも知らないような、東京のニッチなお店情報とかも出てきます。なのに、小紅書は香港や日本では誰も知らないですよね。便利なんですけどね。『大衆点評』とかもすごいと思う。あ、でもだからダメというわけではありません。さっき話した友達のファッションデザイナーは二人とも香港人。どの場所にもすごい人はたくさんいます。

――目標はありますか?
SOFIA 今のお店をさらに充実させることです。今後はメンズ服を増やす予定。あとは、アロマ雑貨やアクセサリーなど小物も揃えたい。悩みは、今のところないです。まあ、本当はいろいろあるんですけど、好きなことをやっているのでないですね。まだ本当に辛いことに出会っていないのかも。

――帽子、かわいいですね。
SOFIA これ、流行ってますよね!? 『THE H.W.DOG&CO』の。高くないしかわいい。代購(代理購入)で買いました。そういえばAKIちゃん、知り合いなんですが、彼女も持っていたと思う。上海は、いいものがあると急に流行りますよね。最近だとマルジェラ。きっかけは、何だろう……。でも、『Gentle Monster』とのコラボ商品を出しましたよね。そういうのが話題になるんだと思います。

――古着の買い付けは日本でしているとのこと。日本に行ったとき、必ず行くお店はありますか?
SOFIA 渋谷にある『七宝麻辣燙』! 中国よりおいしいと思う。日本に行ったら、毎回ここは絶対に行きます(笑)。
(取材日:2023年5月24日 撮影地:永嘉路『the SEC’』)


<彼女のお勧め>

『Paal』(上海市黄浦区南昌路94号)
☆広東人のオーナーが開いたバー。カクテルがおいしい。

『威皇広東小館』(上海市黄浦区長楽路419号)
☆香港式の辛くない火鍋。薬膳鍋という感じ。スープがおいしい。

『バンサンカン』(上海市長寧区荣華西道19弄11号1階)
☆すごくおいしい。オーナーもいい人。何もかも日本っぽい。


text
萩原晶子
フリーライター。上海にて2007年頃よりガイドブック、ファッション誌、機内誌、ウェブなどの記事を手がけている。
カルチャー誌『Ketchup.』(上海と東京で販売)など。
ins:@hagiwara_akiko_
微博:Akiko06

photo
阿部ちづる
2006年にフォトグラファーとして独立。ファッション誌、ビューティー誌、週刊誌、写真誌等のグラビア、ポートレート写真を撮影。アイドルグループやグラビアモデルからのアーティスト写真撮影で指名されることも多く、女の子の新鮮な表情を切り取る。
佐々木希『ささきき』(集英社)、武田玲奈『Rena』(集英社)ほか多数。
ins:@chizuru0821
https://lov-able.com/photographer/chizuru-abe

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