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就職氷河期世代の支援情報を必要としている人に、あなたが情報をシェアするだけで、何かが好転するきっかけになる。

「SNSを活用した就職氷河期世代への情報アウトリーチ事業(三重県)」のディレクターを担当させていただき約4年が経ちました。就職氷河期世代の支援機関は様々あり、再就職や就労、社会参加などを考えているそれぞれの方に向けたサポートがあります。

求職中で仕事をお探しの方にはハローワークがあり、特にハローワーク四日市では就職氷河期世代支援窓口があります。就職氷河期世代向けの求人を扱っていたり、セミナーなども開催しています。

求職中の方で再就職へ向けた様々な仕事のスキルを磨くことができる機関には、三重県立津高等技術学校や厚生労働省が所管するポリテクセンター三重とポリテクセンター伊勢があります。これらの機関では、80%から90%を越える高い再就職率があります。

就労に向けたサポートを行うのは地域若者サポートステーション(通称サポステ)です。若者とありますが、就職氷河期世代も含む49歳までサポートしていて、就労の意思がある方に向け、カウンセリングや企業インターンシップなどの支援もしています。三重県内には4箇所あり、なかでも北勢サポステや伊勢サポステでは就労支援カフェと連携して、仲間と働くトレーニングを行うなど独自の仕組みも構築しています。

社会参加に向けたサポートを行うひきこもり支援機関では、ひきこもりの子を持つ親御さんをはじめ、ご本人とも長期的なコミュニケーションを行うなどの活動を続けています。担当者にお話を聞いたとき「どこにひきこもりの方がいるのか、それが分かりづらいのが課題です。もし私たちの取り組みを何かで知り、相談しようかなと思ったらお気軽にお声掛けいただきたいです」とお話されていました。

ひきこもり支援機関だけではなく、様々な機関を取材させていただくなかで、皆さん共通の課題がありました。それは「様々な支援など情報は公開しているのだけれど、必要としている人になかなか届かない」ということ。

私事で恐縮ですが、本事業以外にも情報発信を生業としています。さらに家業が印刷屋ということもあり、昔から新聞折込チラシや新聞広告なども取り扱ってきました。ひと昔前は、情報は新聞から得ることが当たり前で、ほとんどの方が新聞を購読していました。そのため、情報を届けるということ自体は新聞広告などを使えば比較的簡単にできたのだと思います。

今はネットやSNSに情報が溢れかえっていて、なかなか届けたい人まで届かないという情報化社会のジレンマを感じることもあります。そのあたりは将来的にAIが何とかしてくれると願いたいところですが、新聞やテレビのようなプッシュ型のマスメディアのように、待っていても情報が一方的に届くという機会は減りつつあります。

ネットやSNSは、ユーザーの属性や興味関心によってある程度の精度で情報が届くものの、検索をしたりアプリを開いたりして自ら情報を取得していることに違いはありません。新聞やテレビ離れが加速する時代のなか、ますます個々にカスタマイズされた情報を自ら取りに行くことになります。

一方、良い点もあります。それは情報をすぐにシェアできるということです。例えば就職氷河期世代で再就職や就労に悩んでいる知人やお知り合いのご家族がいた場合、就職氷河期世代向けのセミナーや相談会の情報をシェアすることは簡単です。
ひきこもりのお子さんがいて悩んでいるお知り合いの親御さんなどがいる場合にも、同様のことが言えます。

約4年間、就職氷河期世代向けのXを運用してきて、ひとつの傾向が見えてきました。Xでは多岐に渡る情報を投稿しているのですが、シェア数や閲覧数が多いのは、就職氷河期世代向けの相談会やセミナーなどの具体的な情報です。

ひきこもり支援に関する情報は、三重県が運営するLINEアカウント「みえひきこもり安心サポートライン」にも注目が集まっています。ひきこもり支援の場合、ご本人ではなく、親御さんやご兄弟が情報を求めている場合も多く、本事業では比較的ユーザーの年齢層が高いFacebookでも情報を発信しています。

ひきこもりについては、WEBマガジンOTONAMIEに取材記事を投稿してきました。今年度はひきこもり経験者で、今はひきこもり支援のお仕事をしている方の講演会を取材し、実際にひきこもり状態にあることへの理解と、その背景などを綴りました。そのなかで、やはりひきこもりにはまだまだ自己責任論などの偏見があることを知り、そうではないことをもっと社会全体が知る機会が増えればと思いました。

▼OTONAMIE記事

ネットや特にSNSはフェイクニュースや匿名での投稿もできるため、批判的に語られる部分があるのも現実です。しかし、ネットやSNSを使った新しい時代の情報発信により、新聞しかなかった時代にはできなかった、情報のシェアや共感による拡散など、良き新しき文化があることに注目しています。ひきこもり状態にある方への偏見も、そういった新しい時代の情報発信により、空気を変えることもできるかも知れません。

本事業ではnoteで、漫画家、エッセイスト、ライターの方々にご協力いただき、コンテンツを作成して発信しています。関連機関やコンテンツのカテゴリー毎にnoteのマガジンにまとめて本事業のオウンドメディア的な機能を持たせ、興味関心のあるジャンルへ辿りつけるようにしています。

なかでも人気なのが、14本の連載を行っている「三重県就職氷河期世代向け連載マンガ」です。こちらはある程度のボリュームにもなってきたこともあり、今回一本のPDFファイルにまとめました。取材をもとにしたフィクションで綴ってあります。もしご興味があればご覧ください。またお読みいただき、届けたい人が思い浮かんだら、ぜひシェアしていただければ幸いです。

▼漫画まとめPDF

https://otonamie.jp/wp-content/uploads/2025/02/hyougaki_manga_matome_lo.pdf

必要な人に、必要な情報が届きますように。
そして、本当に情報が必要だった方々と、Xやnoteを通じて持続的につながれますよう願っています。


本noteでは各関連機関や漫画などコンテンツごとにマガジンにまとめています。

▼ハローワーク

▼津高等技術学校

▼ポリテクセンター

▼マイチャレ三重

▼サポステ

▼三重県生活相談支援センター(ひきこもり支援)

▼三重県就職氷河期世代向け連載マンガ

▼特集記事

▼特集エッセイ


関連SNS

▼X(旧Twitter)

▼Facebook


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