#随想040 気付いたら秋
あんなにけたたましく鳴いていた蝉の声が、いつの間にかコオロギの声に変わっていた。
朝晩の風が心地よく、半袖では肌寒いほど。
ついこの前まで暑くて暑くて焼けるような太陽の日差しにうんざりしながら、エアコンの風に自分の命を守られて暮らしていたはずなのに。
もう、空は高く、すっかり秋になっていた。
そして、そのうちにあっという間に冬が来て、雪におびえながら暮らすことになるのだろう。
毎日が同じように見えて、目まぐるしく時が過ぎ、あっという間に年を取ってしまう。
気付いたら死を目の前にして、私は何を考えてるのか。
時の流れに抗うことはできない。ただ、毎日を大切に生きていくしかない。
大切に。
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